◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「恨み買われて」って?

2018-03-11 10:12:30 | 言葉についてあれこれ
                                  おや・・つ・・・

 「恨み買われてブチギレられたら」なんて書いてある一般人の文章( ̄_ ̄)ウンムゥ。はてさて、「買われて」は受身の表現なのか、尊敬の表現なのか、恨みを買ったのは誰なのか、切れたのは誰なのか。助詞がないのも気持ち悪いし。注意して読んでいった結果、やはり「恨みを買って」と書くべき内容でした。何をどうしたら「恨みを買って」が「恨み買われて」になるのかな( ̄д ̄)?
 「みなさまのそれぞれのご意見、お聞き願いたいです。よろしくお願い致します」も一般人の文章で、これだと、みんなの意見を聞いてほしいとお願いしていることになりますが、やはり「お聞かせ願いたい」と書くべき内容でした。「お聞き~」だったら「お聞きしたい」ですが、「願いたい」と続けたくて失敗しちゃった? 「皆様のご意見をお聞かせください。よろしくお願いいたします」と書けたらいいですね。
 「林先生が驚く 初耳学!」にて。伊藤博文は全国各地に愛人がいて、特にかわいがっていた愛人に高級住宅地の豪邸をプレゼントした、それをゴシップ誌に書かれて明治天皇の知るところとなり、明治天皇が伊藤を呼んで、直接、伊藤に向かって「伊藤よ、女遊びはたしなめてはどうか」と言ったのですから、「だらけっ( ̄д ̄)!」と画面に向かって叫んでしまいました。再現ドラマの台本を書いたのは誰だ?
 しかも、テロップも「伊藤よ 女遊びは たしなめてはどうか?」で、あ然としました。「たしなめる」の意味は、戒める、慎ませる、です。「たしなめてはどうか」だと、明治天皇が側近か何かに「伊藤を呼んでたしなめるべきではないかと思うが、どうか?」と相談でもしているように聞こえます。でも、再現ドラマは、明治天皇が伊藤をたしなめているわけで、「伊藤よ、女遊びは慎んではどうか」というセリフにすべきでした。
 「どうしても、って、お願いされたんで」は、「相棒」の中で水商売の女性が言ったセリフです。役を演じていた人の演技力のせいか、聞いた瞬間はそんなに変だとは思いませんでしたし、日常会話でたまに聞くような気もして・・・、でも、後からやはりちょっと変だなと感じました。そして、一般の人の「主人は、私に更新をお願いしました」という記述を見て、ここまで来たら明らかに変だと思いました。
 「お願いされた」は「頼まれた」で、「どうしても、って、頼まれたので」ですが、何だか艶っぽさが薄れますね(^^;。ま、普通は「頼まれた」と言ったほうがいいですよ。「私にお願いしました」は明らかな誤りで、話し言葉なら「主人は私に更新を頼んだんです」でもいいでしょうけれど、書き言葉なら「主人は、私に更新を頼んできました」ですね、このほうが「頼んだ」の主体がはっきりします。
 NHKの「所さん!大変ですよ」に登場した一般の人が「アルバイトに募集されたかたが、実は、詐欺の片棒を担いでしまっていた」と言いました。アルバイトのつもりで始めたら、実は詐欺だった、という話です。「募集した」の受身のつもりで「募集されたかた」と言ったようですが、それって、普通は「応募した人」と言うものです。たまにいるのですよ、「応募」が頭に浮かばない人。
 驚いたのはテロップですよ、「アルバイトに募集した方が」だったのです。テロップの原稿はディレクターが書くようですが、内容を理解しているはずのディレクターが「アルバイトに募集した方が」と書いた? 募集したのは詐欺グループで、応募した主婦が詐欺被害に遭った、さらに、結果的に詐欺の片棒を担いでしまった、そういう話ですよ、「アルバイトに応募したかたが」でしょ! 多くの人が、主体があやふやになる表現しかできないようで、困りますねぇ <( ̄д ̄)>。
コメント
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