◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「焼たてパン」って?

2022-11-13 08:58:36 | 言葉についてあれこれ
                                  おつ、おく、おくり

 「焼たてパン」は「情報7daysニュースキャスター」で見たテロップ( ̄д ̄)! 「残こる」は「とくダネ!」で見たテロップ( ̄д ̄)! 変換したら当たり前に「焼きたてパン」「残る」になるのに、なぜ? そんな不思議な、おかしな送り仮名を集めてみました。
 「危険を回避するための『原則』を押えて、不安要素を潰しておきましょう」(2016/6/26 6:00 東洋経済ONLINE)って、「押さえて」でしょ。「押さえて」と「抑えて」は意味によって使い分けるのですが、まさか、「抑えて」で確定してしまい、「抑」だけ消して「押」にしたとか・・・、いるのですよ、そういう人 <( ̄д ̄)>。
 「~などの役割りがあります。ひなたぼっこは健康維持に重要な役割を持つため」(2019/12/30 11:00 ねこちゃんホンポ)は送り仮名の表記揺れ( ̄д ̄)! 「役割り」のすぐ後に「役割」と来て何も感じないのか? これは「役割」が正しいのですが、変換候補には「役割り」もあるので気をつけて!
 「~てしまうような気持になったから(中略)金持とも貧乏とも言い難い(中略)~という気持のほうが」(2020/1/5 11:00 文春オンライン)って、「気持」「金持」をわざわざ選んだのか、以前たまたまそれで確定してしまい、以後ずっと何も考えずにそれで確定しているのか・・・、もちろん、正しいのは「気持ち」「金持ち」です。
 「私はこの家に嫁ついできたんだなと実感しました」(2020/1/5 12:00 ママスタセレクト)は「嫁いで」です。「吹抜ける風がここちよい開放的な家」(2020/8)はタウン誌で見たのですが、「吹き抜ける風が心地よい開放的な家」でしょ、「風が吹く」「吹き抜ける」ですよ。
 「入口でチェックを行なっていた店員は」(2021/5/18 FRONTROW)の「入口」は、入り口に標示として書かれているのならまだいいのですが、文章では「入り口」です。「行なって」は、「行って」と書く人が大多数だと思いますが、「いって」と「おこなって」を明確に区別できる「行なって」は誤りではありません。
 「声優ファンの気持ちを逆撫でしただけに終ったようだ」(2021/5/18 21:00 リアルライブ)は「終わった」でしょ。このライターは「終える」と書いたことがないのかな。なぜか変換候補に「終った」もありますが、「終わった」ですよ、「終わった」を選択して確定しましょう。
 「どうぶつピース!!癒しスペシャル」と書いたスタッフ、「仕事中の飼い主に甘えたい子猫が…20秒の動画に癒される人が続出」という見出し(2021/12/28 grape)、「癒やしスペシャル」「20秒の動画に癒やされる人」でしょ! 「傷を癒やす」「傷が癒える」なんて、分からない?
 あ、そうそう、「押さえる」も、「押す」がありますよね、「押す」「押さえる」だから「押える」ではなく「押さえる」なのです。「押す」はともかく、「終える」「癒える」と言ったり書いたりする頻度はあまり高くないですね、だから、なのか?
 「子供の優さに涙腺崩壊する人続出!」という見出し( ̄д ̄)! 記事(2021/11/18 grape)は「晴ちゃんの優しさに」でしたから、見出しは誰が書いた? 「子どもの優しさに」でしょ。「子供」は、誤りではないのですが、私は30年ほど前に「子ども」と書くべきだと教えられ、以来、「子ども」と書いています。
 「世界のリーダーとして振舞おうと必死」(2020/5/14 12:23 Wedge)、「気丈に振舞って」(2021/8/28 20:12 文春オンライン)、「仲が良いかのように振舞って(中略)自由に振舞うことが」(2021/11/23 6:12 文春オンライン)、「時には人間のように振舞うの」(2021/11/25 6:00 Techinsight)、「振る舞う」でしょ、「る」を入れてよ ( ̄_ ̄)。
 情報番組で、画面に映る文字が「人様の口に入るお菓子」なのに、ナレーションが「人様の口に入れるお菓子」だったことがあります。手書きで「入る」と「入れる」を間違いなく書けますか? 「入る」を「いれる」と読んだりしたことはありませんか? それにしても、「人様の」に続けて「口に入れる」って、気持ち悪い( °°)。
 だいぶ前ですが、増田英彦(ますだおかだ)が「簡単に手に入ることができるんですか」と言ったことがあるのですが、「手に入れることができるんですか」か「手に入るんですか」、どちらかです。報道番組とドラマで、「足を」を言わないで「踏み入れる」と言うのを続けて聞きました。「入る」という意味で言っているようなのですが・・・。
 NHKの番組紹介で「家庭風呂に入れさせて(いれさせて)いただき」と言ったのは、多分、アナウンサー。ふだんは「風呂に入る(はいる)」と言っているでしょうに、なぜ「いれさせて」なんて言う? 「入らせて(はいらせて)いただき」か「入れて(いれて)いただき」か、でしょ!
 「私からメール入てるワケでもなく」は一般人の文章にあったのですが、どう考えても「入ってる」の「っ」が抜けたのではなく、「入れてる」の「れ」が抜けていますよね。どんなやり方をすれば「入てる」になるのか不思議( ̄_ ̄)。「入る」と「入れる」をきちんと区別していますか?
 2019年6月9日の「『証拠を見せろと詰められ』って?」に対して寄せられたコメント(2022/4/28)を読んだとき、すぐに送り仮名のことが頭に浮かびました。コメントの内容は、「詰る(なじる)」の読み間違いから「詰める(つめる)」を「問い詰める」の意味で誤用するようになったのではないか、ということです。
 この頃、送り仮名の誤りが増えて(目立って)きたと感じているのですが、「詰る(なじる)」「詰られ(なじられ)」を「つめる」「つめられ」と読む人もいるのでしょうね。そして、「つめる」と入力して変換すれば「詰める」になるのですが、そこで疑問を感じることもなく、そのまま確定、ということでしょうか。
 天才棋士の登場で将棋が話題に上る(のぼる)ことが多く、「詰む」「詰める」がポピュラーになり、新しい響きの言葉を好む人たちが飛びついたということもあるでしょう。また、「紐解く」のように、最適な表現を考えるのが面倒で、一つの便利な言葉で済ませてしまうという傾向もありますし、そこにぴったりはまったのでしょうね。
 「時期が来ましたらじっくりと話合いをしたい」(2021/11/30 00:11 FNNプライムオンライン)って、これも多いですね。名詞「話」と動詞「話し」を区別できていないようですが、「はなしあい」は、「話」が「合い」ではなく、誰かと「話し合い」です。送り仮名を気にしなくなるとこうなるという、分かりやすい例です( ̄- ̄)。
コメント
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