エメラルドをキャッチしたヴァイオレット。
確かなものを握る機械の手っていうのも印象的でしたが、
顔を上げたときに、
それまでは他の髪と重なって見づらかったほつれ毛が強調されるような感じが目を引いたかな。
破壊される右腕、取り戻したエメラルド。
以前のヴァイオレットは両腕も少佐も失いましたが、
今回は少佐は左目とヴァイオレットを残したように、
大佐の護衛、不殺遂行、残す左腕、取り戻すエメラルド(少佐)と、
少佐が残したものをヴァイオレットが同じように残してる感じで気になったかな。
客車の緊急ブレーキを使う辺りの付けPANがアクションの見せ方としては目を引いたかな。
派手なアクションではないですが、カメラワークで印象付けようという感じで。
爆弾撤去キック。
ここも足のアップで滞空してる時の足をカメラワークでランダム的に捉えて、
浮遊感とキックの力強さを印象付けてる感じが目を引きますね。
橋に手で捕まるところも含めてアップで印象付けることで、
アクションに切羽詰まった感じが出ているかな、と。
義手で爆弾取っちゃうヴァイオレット。
どこぞの草薙素子を思い出しますね。
最終的に左腕を失うことにより、
両腕が無くなるところを含めてパロディかなと思うほど。
結局両腕を失うのは准将の自殺を防げなかった責みたいなものもあるのかな。
後に手紙を書いているときも左手は使っていないようでしたし。
この辺はやや気になる感じ。
また両腕を失っても守るべきものを守れた、
という少佐の時とは違うことを描いている風でもあったかな。
以前境界の彼方の展示を見たときに、
監督による横顔の修正が数多く展示されていたので、
今回もかなり手を入れてるのかな。
夜明けや新しい義手が綺麗だったな。
両親から息子宛の手紙というのをヴァイオレットが理解してるというのは、
かつて郵便社では妙な手紙を書いていた時との対比なのかな。
いつもの正装っぽいかんじではなく、
以前の衣装で仕事をしているところからもそういうのが伺える感じ。
あと右腕だけで書いているのは、
初めてタイプライターを使った時にカトレアに咎められたような、
相手をビックリさせるようなタイピングを極力控えるという意図もあるのかな、とか。
相手をあまり驚かせないため、みたいな。
こういうのを見ると石立さんっぽいかなとか思う。
過去と今と。
少佐はヴァイオレットに心があると説いたんですね。
ランプの灯りがそのヴァイオレットのか細い心の光を代弁してるようでもあり。
ここを受けてシリーズを見返すとまた印象が変わるカットなんかがありそうですね。
ヴァイオレットと大佐の手。
少佐かもしれない、と駆け出すヴァイオレット。
物となってしまった手で傷ついた木の肌触りを確認するような手と、
拳で触って肌触りを、手で確認していない大佐。
2人の少佐への今の気持ちの対比なのかもしれませんね。
母。
最初白髪化したギルベルトかとも思ってしまった。
大佐のヴァイオレットです、と紹介する声がこれまでにないくらい優しくてビックリする。
一緒です。美しいです。
エメラルドが改めてギルベルトの代わりみたいな感じに。
だって今も、愛してるんだもの。
亡くなってしまってもまだ愛している。
ヴァイオレットが少佐の死を知った先では亡くなる方の手紙を書いてきていましたが、
亡くなったとしてもまだ思いは残り続けている、
だから気に病まないで、と語る母の言葉は染みる感じだった。
ヴァイオレット自身が多くの死の前に直面してきたからこそ、という印象かなと。
大佐の表情でもですが、
力んだところで影が深くなる描写なんかは細かな描写だなと。
目を細めるとか、感情を意図するパーツの芝居はよくありますが、
それに付随する肉の描写を印象的に描いているのに目を引いたかな、と。
スカートに張り付く足のシルエットがエロい感じで、
そういうのも含め印象的な感じだったなと。
その身は自由である、という意味での身体の描写なんですかね。
ほかアニメだと裸を出すような意図というか。
窓を越えるカメラ。
浮遊感のある描写が目を引きますね。
雪の風景も綺麗で印象的。
雪がヴァイオレットとしては不吉なものでもあるので、
いくつもの死の先にあるものとしての描写、
それを生っぽく描くカメラワークだったのかもな、とか。
航空祭。
社長の手紙が未来の子供宛っていう。
前回の描写でヴァイオレットが戻ってくることを意図してるのかと思いきや、
未来の子供のことも思っていた、という描写だったということで。
ヴァイオレットの思いについてもそうですが、
こういう風に見え方が変わっていくことが心を知ること、
ということなんだろうという風に受け取れたかな。
ヴァイオレットの体験だけではなく、一般的な心のありようを含め。
ヴァイオレットが上向くところで髪が印象的に描かれるのがやはり印象的。
画面奥で髪がひるがえるような描写はあまり見かけない感じだなと。
少佐が遠い場所に行ったことを手紙を書くことを通して知る。
あいしてる、を少しはわかるというヴァイオレットの描写が身に沁みますね。
今までもあいしてる、をもうとっくに理解しているという風でしたが、
最後に持ってきたのも納得かな、と。
タイムラプスとそれとは逆にスローで落ちる炎を宿した水滴。
星の巡り、陽の巡りの速さを描きつつ、
花に落ちるその水はゆっくりと、そして今落ちた、
という描き方がグッとくるなと。
花と水っていうのは5話辺りの描写を彷彿とさせられる。
ヴァイオレットがあの夜に抱いていた、少佐を見ていた感情は何だったのか。
それをヴァイオレット自身が理解したようで、
それを印象付けるためのタイムラプスだったのかなと思えたり。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンです。
最後に誰かの代筆に赴くヴァイオレットですが、
傘の描写や入り口での描写が7話的な感じだったので、
またあの人かなと知っている人のような描写をしているのが印象的でしたがはてさて。
個人的に見ていてやはり9話がピークで、
その後は長いエピローグという印象がしたかな。
ヴァイオレットと戦争は切っても切り離せないものなので、
そこに直面した際にヴァイオレットはどのような行動をするのか、
というので兵士に戻るような選択をしたのがやや不満かも。
戦争の回避を行ったことで結果的にヴァイオレットは自動手記人形に戻れましたが、
果たして再び戦争になった時にどう動くのか。
その一面がちょっと気になる感じ。
まあ戦争を回避した=戦争にヴァイオレットは行かない、という描き方なんでしょうが。
自由となったヴァイオレットがどう行動するか。
それはまた自由ということ、なんですかね。
脚本:吉田玲子
絵コンテ:石立太一
演出:石立太一 藤田春香
作画監督:角田有希 丸子達就 門脇未来 丸木宣明
小物設定:高橋博行 太田稔
石立回。
最後は監督の締めということで。
楽しませていただきました。
まだ4話から5話の間の話とか(何気に一番重要な話では?)とか、
新作もあるようなので、そちらも楽しみです。
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