時間経過と1人遊びの跡。
落ち葉で遊ぶっていうのが秋という季節と、
命の短さを見出されるようで気になったかな。
お辞儀。
今回はお嬢さんの芝居が充実していてグッときましたね。
1カット内で色々な動き、表情を見せてくれて、
その子供らしさを十分に見せてくれる内容で素晴らしかった。
そういう中でヴァイオレットの大人としての、
というか大きな人形としての立ち振る舞いも目立っていたなと。
2カットで描かれるお辞儀なんかはお嬢さんのお辞儀と対比的。
風景を見つめるヴァイオレットというのを見ると、
いつものヴァイオレットがきているような安心感があるかな。
7話的な客観的に見るヴァイオレットというのもあって、
その類似性から安堵する面っていうのもあるかもしれない。
親子のやり取り。
病気の母に一緒にいたいと騒ぐ子供。
ありきたりな構図ですが、端で映るヴァイオレットを改めて見ると、
もうこの頃から我慢してたのかなと2回見ると思ってしまいますね。
画面の、シーンの主役がヴァイオレットではないからこそ。
途中の仕事の話をしてるカットなんかはこのカットの想定線からすれば逆位置で、
そういう区切りとして入れている風。
そのまま行ってもいい気がしますが、
文法的な意味合いを大事にしたいところなんですかね。
やや引いたショットでのやり取りからのアップ。
お客様は嫌いで表情に光が当たるのもいいですね。
アンの素直な心を照らしていて。
欲というのを暗いものと扱わない価値観にグッとくる感じ。
子供が母と過ごす時間を奪われることを不満に思うことに、
一体どんな罪があるのか、あるわけがない。
そう語ってくれてるのに安心させられる。
今回の話も絶対泣いちゃう話なのでまた苦手な感じですが、
川澄綾子への好感度と諸星すみれの好演、
それに画面の充実度で納得させられた感じがしますが、
一番は死というものへの触れ方だったのかなと思います。
そうね、お話しするとか何かして遊ぶとか。
からの返しが非常にヴァイオレットっぽく、
また何で今そんな返し方をするんだろうとやや不思議に思える面もある。
確かに人形めいているけど、
これまでの物語からここでこの返しはまるで以前のヴァイオレットみたいだな、と。
これはいつの話だろうか、傘を持っていたから少なくともあの話の後だから、
ということは少佐の死を知った後なのは明白だしなぁ、
とヴァイオレットの進退にやや疑問を持ってしまうやり取りでもあったかな。
元々人形みたいだから、
感情を隠そうとするその振る舞いはより人形っぽく映る、
というのは逆説めいていて、こういう描き方もあるのかと新鮮だったな。
特にこのシーンのヴァイオレットはオフセリフから返していて、
アンの反応を描く充実度とヴァイオレットへの違和感を1カット内に収めていて、
充実した内容の1カットというのをより意識させられる感じ。
しかしなぜ一挙手一投足が魅力的だからこそ、
画面外のものをより意識してしまう感じかな。
色々合点がいったアン。
ここもヴァイオレットとのやり取りに戸惑っていたアンから、
ヴァイオレットの理解したを理解したアンという感じで、
想定線を越えて感情の変化を印象付けてる。
揺れるソファーからアンのわかった嬉しさ、
PANで理解したヴァイオレットにより関わろうとする前向きさなど、
アンの元気な部分を色々な揺らしで印象付けてる感。
FIXの画面が続いていたのと、
1カット内での多様なアクションの楽しさと合わせて元気になれるカットでした。
またここの一連のシーンは基本的にヴァイオレットの表情を画面から外しているので、
アンが画面の主役になっており、
ヴァイオレットの人形じみた反応をアンが受け取り、
ヴァイオレットがより人形じみてるように見ている側は感じちゃうシーンだったかな。
窓越しの母とヴァイオレット。
どんな人に手紙を書いているのか、
ヴァイオレットの仕事ぶりはどうなのだろうか。
アンの視点を通じて描かれるそれに興味を引かれますね。
あの手この手でサンルームに行こうとする姿がまた微笑ましい。
また饒舌なアンと、母の手紙への意気込みの不透明さ、
そしてその逆転がEDを盛り上げているので、
そういうシーンへと繋ぐシーンでしたね。
立派な戦死を遂げられたの。
鏡に映る虚構のヴァイオレット。
虚構に映るヴァイオレットの反応は、本来出てはならない反応が、
思わず出てしまうという位置づけなんですかね。
少佐の死と重ねるだけなら別に、とも思いますが、
火傷がうずいた、とも取れるところが今作の見どころという感じ。
明かりをバックにしているのも示唆的。
どこの国の話か明快でないのはこのせいなんですかね。
遊び足りないさを人形で見せる。
ヴァイオレットと遊びたい、というのをこう表現されると、
人形のように人を扱う負の面というのを読んでしまうんですが、
アンが自動人形をそのまま人形だと勘違いしていて、
その人形の表情に見惚れてと人形に対する気持ちを描いていてと、
ヴァイオレットを描くシーンとしてもグッとくる感じだったかな。
勘違いしてるアンに対する優しい返事のヴァイオレットが印象的ですね。
ヴァイオレットにかまうアン。
フライパンを持ち出してのなぞなぞとか、
なんかそのちょっと飛んだ感じが中の人の作品を連想させられる感じ。
タイムラプス。
日が暮れて夜になりまた朝が来る。
今までが昼から夜へ、夜から夜へなど短いスパンで見せていたので、
やや長めの時間経過が気になったかな。
最後の秋が終わり冬になり、春が来るという変化と掛けているのかな。
アンの元から去るヴァイオレット。
アンの願いはわかっていても、ヴァイオレットはそれを叶えることができない。
アンがヴァイオレットに近づいたけど、
ヴァイオレットは離れてしまうというのを同ポジで強調されてる感。
母の病気とそれが治らないことを知っていること、
それをぶつけるのがアンの気持ちが出ているように思えたけども、
母を傷つけたことに涙する姿により陽がかかっていてグッとくる感。
このシーンはCMで使われたワンシーンを物語に落としてる感じがして、
原点的な意味合いも感じられるシーンだったな。
別れと目線。
これまでのヴァイオレットってアンを見つめる表情のアップをアン越しに入れていなくて、
アンとヴァイオレットの意識の違いや、
ヴァイオレットの表情を意図的に隠す感じでしたが、
役目を終えたところでようやくアンと人として通じ合うという感じでしたね。
母のターン。
本編でずっと目立っていたアンですが、
ここにきて母がアンの名を呼ぶシーンが続くのが切ないですね。
冬から春への変化が美しく、
そんな中で親子でいる姿もまた春の陽だまりを思わせられる。
その明るさの中での別れというのが切ないというか。
ここまで持ったならまだと思ったところで、というのもあったかな。
7話的な。
遠くを見る、空を見る、というのは繰り返し作品内で描かれてきましたが、
これほど明るく明快な描写も珍しく。
人生における一度きりの出会いと、
それとは違う、一生を共に生きる存在を見る視点というのを意識させられる感。
アンに手紙が届くその時は晴れやかに。
饒舌だったアンから一転、母の手紙の朗読が続くので、
母からアンへという思いの反転が印象的。
アンの今後を案じるヴァイオレットの姿に打たれますね。
アンのこれからを描いた後だからこそ、
ヴァイオレットの書いた手紙にかけがえのない価値を見出されるわけで、
サブタイトルのセリフが絵空事に映らないように見せていたかな、と。
サブタイトルに愛が入っているのもポイントなんですかね。
またそのセリフが聞けないのは、価値を保留するような一面もあるのかな。
一緒にいる時間を削ったことに対する嫌悪感が無いとも言い切れない部分があるので。
そういう意味では判断をゆだねられている気もするかな。
脚本;吉田玲子
絵コンテ・演出:小川太一
作画監督:丸木宣明
小川さんの演出回としてまたビビッとくる回でしたね。
本も演出作画も、音もどれもが魅力的な回だったな、と。
ヴァイオレットが誰かのために泣けるというのが一番グッとくる感じで。
残り話数は少ないですが、
今後もCMで使われたカットの話がくるんですかね。
その辺含め、最後まで楽しみです。
ちなみに今週から出張なので更新は最悪4月、
早ければ来週から再開という感じです。
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