●ゴジラS.P<シンギュラポイント> 13話
古史羅ノ図。
最終話冒頭でペロ2とジェットジャガーの語りが入りますが、
なぜこの絵だったのかが若干定かではない。
原点とはいつなのか、誕生とはいつなのか、
50年前なのかこの絵が描かれたころなのか。
シン・ゴジラ以降人類を脅かす存在のゴジラが多いですね。
まあ元々がそうですが、シン・ゴジラ以前の作品は、
初代ゴジラ以降に出てくるゴジラというポジションで、
その有り様も様々です。
しかしシン・ゴジラ以降は初代ゴジラから解放されたような印象を受けます。
それは現実にある危機が具現化したため、
新しいゴジラ像が求められているんだと思うんですが、
今作のゴジラはまた一風変わった立ち位置ですよね。
今回はW主人公で、有川ユン、神野銘の2人から、
破局を回避するために動くわけですが、
破局の意味するところが不透明なせいか、
ゴジラの存在も定かになっていない印象です。
有川ユンサイドは過去からの未来からの暗号から、
ゴジラの頭上でオーソゴナル・ダイアゴナライザーを作動させるコードが届く関係から、ゴジラ=破局という図式を見出しやすいですが、神野銘サイドは
超時間計算機の計算結果、現実に破局が起こることは示唆できても具体的にどのような形で破局がもたらさせるかは不明で、形而上学的な粋を出ない印象が強い。
またゴジラを破局の中心と仮定すると、
ゴジラという個が何を目的として世界を破壊しているのか、
その意味が捉えづらいという感じがします。
今作を難しく感じるのは目的意識を見いだせない怪獣たち、
高次元存在の影たる怪獣たちが一体何を考えているのかわからない、高次元存在は何を目的として2030年の世界に破局をもたらそうとしているのか、ではないかと思います。
ただそれらは考えるだけ無駄で、
より高位の存在が何を考えているのかはわからないという前提があり、
目の前の私達が一体何をできるのか、
という点を見るべき作品だったのかなと思います。
シヴァ、超時間計算機の末路を考えると、
サルンガに破壊されたことでシヴァは破局を迎えたとも言えるのか。
計算機の計算結果は自己の存在の計算だったみたいな。
現実に起こる破局。
結末だけを見ると紅塵によって世界が包まれ、
ゴジラほか怪獣が跋扈する世界になり、
破局を迎えるという形だったんでしょうか。
ゴジラの火を吹く周囲に輪がかかっていますが、
魔法陣とか今回ならペロ2のタイムトラベル的なイメージですよね。
ゴジラによる破壊は破壊する以上のものを持っていたのかもしれない。
さよならを告げるジェットジャガー。
キャラクターのセリフとしてはさようならが最後のセリフなんですよね。
有川ユン、神野銘はそれぞれのパートナーの名が最後のセリフ。
最後が別れで終わる、そこがどこかしんみりしてしまうところですが、
ゴジラによるジェットジャガーの破壊は非常に美しいので、
その破壊の見事さに惚れ惚れしてしまいます。
これだけ長く熱線を吐いた、浴びたというのも珍しいのではないでしょうか。
熱線を浴びること自体がプログラムされたことなのか、
それは神のみぞ知るという感じでしょうか。
ゴジラの熱線によって全てにケリがつくというのも展開として美しい。
最も盛り上がる部分が終末というのが個人的に好きなのもあり、大満足でした。
ひたすらに青い。ED曲名も青。
ゴジラの熱線も青だしジェットジャガーの目も青。
全てが終わったところでどこまでも青い世界というのが、
どこかもの悲しくも素晴らしい世界というのを描き出しているように感じます。
きっとこの青さからしてペロ3は青い体を手に入れてしまうのではないかと思ってしまうほど。
ここのペロ2とジェットジャガーの語りは幾度も誕生を繰り返した「ワタシ」、
なんでしょうが、中の人達の演技が好き過ぎてもう何度も繰り返し見てしまいます。
原点のジェットジャガーは意思を得てゴジラと共闘しますが、
今回は敵対する関係でしたね。
ただ熱線をくらって世界を救ったことでゴジラという相手が、
ジェットジャガーには不可分なんだと見せてくれたのが良かったのかなと思います。
EDも本編とは一味違った重厚さで個人的に好きで何度も見てしまいます。
次はどの作品で見られるんでしょうか。
キレイに終わってほんと良かったな謎が謎を呼んだなー、
とか思って浸っていたらCパートでひっくり返されてビックリしました。
最後の最後でメカゴジラ登場で驚きまくりで、
悪顔の人たちがマジで悪人っぽい感じでしたが、
破局無視してなんでメカゴジラ作ってるの?という感。
破局何だったの?みたいなシナリオ上のどんでん返しでもあり、
続き作ってくれなかったら残念無念というほかない感じで楽しみなので、
2期楽しみに待ってます。
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