薫編。
髪が風になびく日傘をさす美少女という非常に魅力的な絵が出てくるのがまず強いな、と。
自分も神奈川住まいだったので逗子辺りもよく行っていて、
夏の日差しの描写も共感できるような感じだったかな。
薫の後ろ姿から過去編へと移りますが、
序盤は薫の立ち姿を見せるのが結構目立っていたように思います。
周囲の中にいても孤独、意識高い系美少女としての孤高さ、
そして歩みを止めないその姿を強く描写しているように思えたな。
夏の日差しのように前を向いたその表情も凛々しい。
男役を目指す、というカッコいい薫が出ている感じがグッときます。
バス停で出会った美少女。
薫の表情を意図的に見せずアップでまたなびく髪を描いて美少女度アップ。
男子が惹かれる美少女像を地で行ってる感じでグッときますね。
なびく髪は光に当たって輝くも、
表情には影落ちてとPANで見せる中で印象が変化していく感じにグッとくる。
薫の表情や位置関係は狙ってる感が強いですね。
手紙と被せて見せるのとか気持ちを伝えずに終わったとことを思うと、
結構示唆的な感じだったのかなという気がします。
先程は薫の周りにあるだけだった光がバス停の中全体へ。
薫と手前の2人を遮るような形だったのが、
いつの間にかその雰囲気に飲みこまれているかのような。
ピント合わせとカメラの動きで光がレンズに入り込んで一瞬白く飛ぶ感じ、
美少女が男子の方を向くインパクトと合わせて印象的ですね。
薫が自分自身と男子を重ねるように見ているので、
先程の光の広がりはそうした薫の心情の広がりを意識した感じだったのかな。
バスの中で。
カメラが動くことで関係性を印象づけている感じでしたが、
ここの吊り革越しの描写も攻めていてグッときますね。
薫から攻めているというのがちょっと意外な感じですよね。
バスの中での距離感も印象的ですが、そこが何よりも。
カッコいい男役を目指しつつも、乙女であるというギャップのインパクト。
そういうインパクトのこもったカットかなという気がします。
互いを同時に見せないのもそんな気恥ずかしい気持ちを渡す相手、
受け取る相手という構図をより意識させられる気がします。
吊り革のように揺れる心の中の確かなを見せる形という強さがあるように思える。
白い冬の雪のような春の妖精を模したかのような夏の白い少女。
防止が色トレスで白さをより意識した感じが良いですね。
夏の美少女の美しさ。
鳥たちこそがそんな白さをもつような。
薫は鳥のように飛んでいける存在なのだろうか。
夏の眩しさが見せる白い世界が魅惑的ですね。
バスに差し込む光を銀橋になぞらえて、
自分たちが特別な存在であることを強調しているかのよう。
おばあちゃまが娘役なので、今まさに人生の娘役をやっているという感じなのか。
だからこそ男役をやるという薫の決意が浮かび上がる感じかもしれない。
しかし彼は客席側の人間だというのを暗にやってる感じもある。
肩にもたれかかるとかこの女積極的すぎるだろという感。
足を見せたりとか。
冒頭から足を意識した部分が多いように感じたのはそういう意識でもあったのかな、とか。
足がINしてるレイアウトがちょっと珍しく感じて、
なかなか珍しい光景を目の当たりにしているような印象が強いですね。
薫の私服が毎回違うのも、この女強い、と感じさせてくれる部分かも。
お見舞いで乗るバスというのが薫が男子に会う口実になっていますが、
バスが薫をどこに連れて行くのか、というのがちょっと寓話的な気がするかな。
ラストカットからの逆算ですが、
薫が夢の一歩を手にしたことを考えると、
やはりバスは薫を前に進ませていたのかもしれない。
2人のやり取りは決して無駄ではない、という予感がありますよね。
相手が薫に会うとバッティングの調子が良いみたいですし。
では薫には益があったのかどうか、というのが気になるポイントですよね。
おばあちゃまの言葉に固まる薫、なのか、にごる、なのか。
映り込みはちょっと嘘っぽい絵が今回は多いですが、
海面への反射など透明感を意識させる絵を思い浮かべると、
やはりにごり、なのかな。
夏祭りで浴衣着ておしゃれして手をつないでとやはり強い女だと思いつつ、
最後には折れてしまう。
同じだと思っていた彼が抱える悩み、弱気。
花火が上がる。
彼をバスの中で客席側の人間だと見立てのがいきているなら、
ここの彼女はやはりスターなんだというのを意識させる花火の位置。
彼から見て薫の後ろに広がる花火は、
彼女がスターであるということを否応なく見せつけただろうと予感させられる。
彼の弱気は薫が受け入れることができず、自らが選んだ道だと、
星の輝きのように自然なそんな美しさがある夢なのだいうような語りが印象的。
名前にかけるように星を描いているのはちょっと蛇足感はある気もするけど、
星野って名字は個人的に少し憧れがあるのでヨシという感。
ピンクの花火を見てまた歌い出す。
歌の続きが地に落ちた桜の花びらよ蘇りまた咲き誇れ、
という内容なので薫自身が今の感情に囚われず、
ただ踊ろうとする前向きさを取り戻すのに歌を拠り所にする感じが出ていてグッときますね。
走りとかリピートの絵ですがところどころに入るピアスの光の反射が、
薫の心情を印象づける感じでその綺麗な光に魅了される感じ。
海に反射する薫の姿もその透明感を取り戻す感じを印象づけてる感じかな、とか。
薫の背後に上がる花火がスター性を強調してるのは祝福なのか呪いなのか。
傘を放り投げるほどのインパクトだけど、
TVの前は日陰の中だよなというか。
傘が夏の色という感じがするので、
夏の終わりを意識する部分なのかもしれない。
夏の日の。
坊主だったけど髪を伸ばすとイケメンさが際立つのを見ると、
兄貴も相当なイケメンなんだろうなと意識させられて、
これは才能ある美男美女なんだと言われてる感が若干あるような。
ここまで割と普通にいい回だったなくらいで見てましたが、
ラストカットでスイッチが入ったかのように涙がドバーっと溢れてしまった。
バスに乗ることで彼女たちが前に勧めていたことを思うと、
ここでバスに乗らずにたたずむ姿っていうのが、
その姿を薫が望んでいたものだったことを思うと一気にくるものがあったなというか。
バスを降りる、夢を降りた姿にこみ上げるものがあったというか。
原作はどうだったか確認しましたが、
バスの味っていうのはアニメでの追加だったので、
先にアニメで見ていて良かったなと感じたな。
先に原作読んでいたらこうしたんだへぇ~くらいの鑑賞だったかもしれない。
初一人ED。
絶対に薫の独唱だ!と確信させてくれるところが嬉しい。
特殊EDも色々ありますが作品色で抑えつつ、
期待感が振り切れる出だしでGOOD。
歌詞がわかりやすく薫の運命を歌っているのもグッとくる。
やはりそう思っていたのか、思えるところも切ないですが、
力強い歌声で好きです。
いつも作監は複数ですが今回は総作監を除くとお一人で、
そこもちょっとめずらしい感じだったかな。
この構成ならたしかにEDのCDは今の時期ぐらいに出したくなるよなという感。
双子編の曲があるっぽいですが、一人で歌うのは薫だけっぽい?ので、
特別感が強いですね。発売が楽しみです。
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