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三好演出堀口作監というkanon以来のペアで原作氷菓クライマックス。
アバンからキメにきてて凄かったなぁ。
自転車のこの地カメラで見せてるのとかやっぱカッコイイ絵が見れたし、
折木と里志のやりとりをより情感的に見せててくれてて良かったなと。
前回の自転車のシーンとの対比にもなるのかな。
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光が指して。
OPが不要なのは尺の関係だけでなく、
OPの折木の見る景色を物語の中に落とし込んだからからだと思えるシーンでしたね。
何も面白いと思えない、というところで水たまり、虚構の中の折木を見せるその狙いすますような画。
誰でもない誰か姿で質問を投げかける里志。
そしてフードをあけて里志として光の中の折木を追いかけていく。
OPの折木は何を見ていたのか。
折木の保留していた答えを見せていたという意味でも非常に印象的なでした。
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養子先生の生い立ち。
時間を遡っていきながら先生の人生を追っていくのは地味にこってましたね。
この辺は堀口さんが全部キャラ表とか作ってたのかなぁ。楽しそう。
娘さんっぽいのが可愛かったし、流石だなぁ、と。
電話機とるところで腕で体重支えて腰回すような感じとか、
部室での伊原のポーズというか畳んだ短い詰まったような腕使いとか、
里志の背筋をエビぞりにするようなポーズとか、
折木がバッグを持ち替える動作とか、ああいうところがいちいち良かったなぁ。
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こういうメガネ描写が新鮮だったなぁ。
先生がメガネかけながら物をよく見ようとする動作が多いのがちょっと引っかかる。
歳相応とかそういうのもあるのかもだけど、ちょっと気になるかなー、と。
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回想。
こういう前かがみになるようなポーズというか、
そういうのが今回結構散見されたかなー、と。
先生がキャンプファイヤーで奇声をあげたって言ってるけど、
この回想ではイメージが合致しないのが引っかかりどころかな。
古典部としての活動もあまり語られていないし。
先生の中の罪かそれとも事実かはわからないけど、
そういう声を上げている一端に関わってしまったんだなというニュアンスでしょうかね。
背景と同一化しようとしない、風景、映像としての学校。
自分がその映像を見ている登場人物のような過去の先生の立ち位置は、
先生の心象心理そのものなのかな。
自分はその中にいて、入らず、距離を起き、他人ごととしながら、
先輩のことは思いやっていたという。
それと語り口の食い違いが人間の持つズレとして出てきているのかと思うと興味深いですね。
記憶より記録が優先されるっていうことなのかもしれないなぁ。
時効云々とかと絡めると。
記憶は感情的、記録は客観的、みたいな。
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流しは右手方向って決まってるんだろうか。
ざっくりした千反田の影の入れ方とか。
先生のメガネ手いじりや切り返しての千反田アップとか。
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今回は手の芝居がやっぱ引っかかるところ多かったかな。
里志の氷菓の意味を噛み締めるようなポーズとか、
こういうのがやっぱ新鮮だったなぁ、と。
伊原はちょっと煮えない感じだったけど。
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トリッキーな見せ方は良かったですね。
ウサギっていうところが非常にグッと来る感じ。
過去に囚われている千反田っていう感じのブラインダーの影とか、
ああいう芸が細かい。
こういう文字とかはどう処理されてるんだろうなってやっぱ撮影班かな。
壁、画面いっぱいに展開されていくっていうのはどこか爽快さもあり、
その広がりで埋め尽くされていく恐怖っていうのが、
解がわかったカタルシスにもなってて入り込んだシーンだなと思ったり。
いやー目をつぶるウサギちゃんたち可愛いって言ったら違うか。
折木のいらつきをナメで見せてる辺りとかは室内のごちゃついた雰囲気から、
折木をピックアップしててカッコイイ画面になってたかなと。
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そしてこの折木。
この腕を強調するポーズっていうがけいおんで見られなかった堀口さんで、
やっぱけいおん!ですら堀口さんの良さって100%出てなかったんじゃないの、
っていう気がしてきます。
CLANNAD after 3話とかいいんですよね。
http://yaplog.jp/lucyman/archive/1418
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時効っていうか、やっぱ今なんだっていうのが千反田えるだったんだな、と。
この辺はやっぱ京アニ作品としては近年共通してあるものなのかと思いますがどうなんだろ。
折木の薔薇色っていうのはおじの叫びにもならない犠牲を払って手に入れていたものがいる、
そういうところに折木の憤りがあるのかもしれないけど、
それが折木が薔薇色から遠ざかる理由の一つにしていそうな感じがするかな、と。
アバンでのやり取りから終盤のやり取り見ると、
折木は薔薇色とは何かっていうものに保留してる感があるし。
でもきっかけはできたし、これからこれがどう振れていくのか、
個人的に楽しみかな。折木のセリフ、あの砕けた感じが妙に響きますね。
手紙書いてる折木可愛い。
脚本:賀東招二
絵コンテ・演出:三好一郎
作画監督:堀口悠紀子
いやーいい回でした。
何より今までの積み重ねが活きる回でもあって良かったなと。
堀口さんもいちいちポーズに拘ってくれてて、
そうそうこれなんですよー!って思えたし、
三好さんもやっぱカッコイイ画持ってきてて期待通りの回だったなと。
氷菓、まだ始まったばかりだしこれからも楽しみ。
原作は一応2巻以降も読もうかな。
普段と違うキャラの見せ方ってやっぱ引っかかりますよね。
こういった描写が今後どう活きてくるのか、
っていうのがシリーズを追う楽しみだと思うので、
里志の挙動には注意をはらって見るのもいいかもしれないですね。
里志が氷菓の意味にハッと気づいて顔を覆うところ、そして、しばらく顔を覆い続けるところ、ちょっと大袈裟な反応に感じました。
今までなら、いくらかしゃべっていた気が。
頭でっかちの知識先行で、先回りして危険を避けているけれど、それだけではいけないと頭のみで自覚していると思われる里志が、初めて冷徹な現実を目の当たりにしたことにより、そんな半端な自分に改めて気付いて動揺し、動揺を隠すためにしたのかも知れないとも思いました。
仮にそうだとしたら、奉太郎だけではなく、これからは里志の成長も描かれるのかも、と思いました。
単なる推測で、先を見ないと分かりませんが。
なるほど、ありがとうございます。
先生の語り口はやはり気になるところです。
>ありあさん
まあそうですよね。
問題はそれがどういう意味を持つかっていう部分かと思いますけど。
京アニの方針としてアニメ業界的に見てどういうものなのかなーみたいな。
その通り。
ちなみにこの会話シーンは原作にない京アニオリジナル部分です
血気にはやるということ