流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

イリヤの空 UFOの夏 3話 を語る

2007-11-23 18:06:38 | ■東映アニメーション
最近になって第n次イリヤブームが私の中で起こったので読み返してます。
夏に帰省したらウチの弟がUFOを探しに~、と言っていたのが引き金ですが。
んで、久々にアニメ版を見てみたんですが、
だいぶ見方が変わってたんで改めて取り上げてみる。

アニメ版は原作に書かれているテキストを絵で表現しなければならないという意味では、
まとめるのに苦労したんだと思う。
だから余計なキャラの描写はカット。基本的に浅羽、イリヤ、榎本の絡みを中心にまとめてる。
作品を見る上での要点はおさえてあるので、後は視聴者がどこまで読み取れるか、
読み取れるように演出するか、という話。
1,2話は顔のアップや芝居、アクションで見せる所が多かったのもあって、
見てて詰め込みすぎてついていけないところや、
見せ場がどこなのかわからず一気に話が終わっていた部分が大きかった。

転機になったのは3話かな。途端に作品の様相が変わってグッと面白くなったなぁ、と。
この後の話数の演出は3話に追従する点がたくさんあって、
作品演出の上で要になった話数として面白いポジションにいるなぁ、と思った。



個人的に印象的なカット。
以前アニメ版を見たときから記憶に残ってるのはここと3話のラストダンスぐらいでしたし。
個人的に面白いと思ったのは、このカット前の酒場の洒落たBGMが流れた雰囲気のシーンから、
外に出れば祭りの喧騒が広がってる、という流れを大胆に繋げてる点と、
部室棟の廃墟臭さが喧騒をより身近なもの、暴力的なものにしてるところ。
暴力的な部分は祭りの雰囲気と酒場でのやりとりと女の嫉妬を繋げてるところがポイントかな。
そうした暴力的なもの、爆弾を背負ってる男の図というのも面白い。
一見抱きついてるように見える構図も、
階段のぼるSEつけたりして背負ってるのをわかりやすく伝えてるし、
そしてSEにより廃墟っぽさを演出するのにも一役かってる。
こうした細部への拘りと、大胆な構成が3話の魅力の1つでしょう。





もうひとつは全体の色合いや光加減。
前2話に比べると明らかに全体が暗い。
これは逆に空の青さ、光の加減をよりわかりやすく見せるためかもしれません。
あと全体を暗くすることで作品の持つ雰囲気を映し出すのも狙いかな。
これは後の話数でも意識されている部分で、大きな影響を与えたと言える部分かと。
暗かったりするのはCGを使ってる部分をわかりにくくするのも狙ってたんでしょうか。

同ポの多用や文字による演出などを使い大胆にシーンを繋げながら、
うまく間を作ってる辺りも凄い。
話の内容も晶穂の恋話かと思わせておきながら、常にイリヤを気にする浅羽を見せることで、
2人の関係を知らない晶穂と姿を見せないイリヤ、そして浅羽の三角関係をうまく見せてる。
終盤で榎本がイリヤの話をしだしたところで晶穂を持ってくるのもにくい作り。
原作の核になってる部分をうまく抜き出してますね。
視聴者に強引に読ませてる面もありますが、その引っ張り方が気持ちいいという部分も。
作品全体で見ると三角関係というわかりやすいエピソードなので、
それが幸いしてのデキだったのかなぁ、と思える部分もありますが、良い回でした。

ちなみに演出は『化猫』『モノノ怪』の監督、中村健治さん。
アニメスタイル読むまで気づかなかったんですが、
この方も魂狩に参加されてた方なんですよねぇ。
そういう繋がりも面白いです。

本当は原作の感想とかアニメの話をまとめてやろうと思ったんですが、泣く泣く切り。
イリヤを語る機会をまた逃してしまったなぁ、というのが残念。
だからとりあえず話の中心になった『3話』をタイトルに追加(笑)


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