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切手シリーズ その51。今回は菊を意匠とした切手の話。やはり、日本人が『秋の花』と言って思い出す花の典型が菊である。秋になると大阪の枚方パークの菊人形や葛飾八幡宮の菊祭りなど各地でご自慢の菊の展示会が開かれたり、育て方の講習会がある。
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一口に菊と言っても種類は多岐にわたり、観賞菊だけでも花の大きな大菊の種類もあつもの、くだもの、狂いものといった花がそれぞれに姿はまるで違う。また、小菊は花の直径が1~3cmのものを指し、懸崖仕立や菊人形などにする。
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日本の場合は菊が天皇家の紋章に使われるために特別な紋章となっている。正式には『十六弁八重表菊紋』といい、後鳥羽上皇が身の回りに施したためといわれている。
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ここからようやく切手の話だが、戦前戦中の記念切手や『1899年発行の菊切手以降1948年発行の第二次昭和切手まで』は全てに菊の紋章が付けられている。特に最初に発行された記念切手としても有名な1894年3月発行の明治天皇銀婚記念の切手は『おすめすの鶴と菊花紋章』がデザインされているが、真ん中にある菊の御紋が印象的である。
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しかし、戦後は占領軍から菊花紋章は取るように命令を受け、1947年8月発行の民間貿易再開記念の切手以降は菊花紋章は無くなった。
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しかし、皮肉なことに1951年9月発行の平和条約調印記念の切手発行は2種(2円、24円)は菊花、8円は日本国旗が描かれていて、菊はやはり日本を象徴する意匠として使われている。
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また、1961年に毎月1種類発行された花シリーズでも11月は菊が採用されている。ちなみに1月は水仙、2月は梅、12月はサザンカである。
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通常切手でも新動植物国宝図案切手の1966年シリーズでは15円切手として菊が採用された。これはちょうど封書の国内料金が10円→15円になったタイミングで従来の10円さくらから15円菊に変更された。
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この15円切手は切手帳ペーン、コイル切手、ミニパック、発光切手など色々なバラエティーに富んだ形で発行され続け、1972年に封書の国内料金が20円に値上げされ、20円松の切手になるまで使用された。
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やはり、こうしてみると菊は『日の丸』『富士山』などともに日本を代表する図案なのである。