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秋になると咲く花にダリアがある。ダリアはキク科の植物でメキシコが原産地、ヨーロッパには1789年にスペインのマドリード植物園に導入されたのが最初のようだ。
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日本にも明治以降に入ってきて、小生はなぜか山本有三の小説『路傍の石』の主人公吾一が父親が隠しておいた当時高価であったダリアの球根をひもじくて芋と間違えてかじってしまうシーンをよく覚えている。因みに実は原産地メキシコでは食用ダリアという品種があるくらいでダリアの球根を食べても有毒ではない。あまり、美味しそうには見えないが。
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ダリアの花は夏から秋にかけてボタンのような花を付けるが、その中でも皇帝ダリアという品種は丈が3~4mにもなる。皇帝ダリアは花も数多く付き、その名前の通り威風堂々とした植物である。
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また、その茎は竹の節のようで、メキシコではツリーダリアとも呼ばれている。日照時間が短くならないと花をつけないため、見頃は11月下旬になる。しかし、その高さから風に弱く、十分な支柱が必要。咲いた花は美しく、周囲からも目立つ立派なものである。ただ、11月に咲く割には霜に弱く、一晩で枯れてしまう例も数多くある。
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皇帝ダリアの増やし方が面白く、花が終わったあとには節になった茎を切断するのだが、これを横に並べて土に植えると新芽が出てくる。これを移し替えて暖かい所で育てていくのだが、これで翌年もまた立派に成長する。
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秋空に良く似合う皇帝ダリアは人の目を惹く高さとその花の美しさでその名前に違わぬダリアである。ただ、その堂々とした風情から皇帝の名がついたとする説とナポレオンのように冬(霜)に弱いから皇帝と付けられたとする説があるらしい。
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