hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

男を表す漢字

2016-04-19 05:00:36 | 日記

『改めて日本語を知る』その13。昨年七月以来だから久々のお話。今回は『男』を表す漢字を調べてみた。

まずは漢字の『漢』という字の読み方の一つに『おとこ』があるということから。漢を使った熟語を考えると無頼漢、大食漢、門外漢、暴漢とあまりよい意味ではないが、力の強い男を表す。漢の元々の意味は『水のながれていない川』という意味。漢という国は紀元前200年頃に長江の中流の漢中郡の王に劉邦が封じられ、漢王と云われたあたりから始まる。その後次々という周りの国を滅ぼし、最後に項羽を倒して中国を再統一した。この国は後漢もあわせ400年もの間続いた王朝である。この国はその後の中国人にとって誇れる国であり、周りの匈奴などと比較して『立派な男』を漢と評したようである。

もう一つは『俠』、これは音読みは『きょう』、訓読みでは『おとこだて』『きゃん』と読むが、『きゃん』と使うときは男っぽい女性に使う。また、この字はヤクザ系の人が好きなようで俠客などとも使うが、本来の意味は『信義に厚く、弱気を助け、強きをくじく』といった意味である。

少し意味が違うかもしれないが、『兵』は1字で『つわもの』とも読む。これは文字通り『戦士』『軍人』という意味だが、転じて男を意味することがある。これと似ているのが『武士』と書いて『もののふ』。これは1字ではないが、武道を極めた武士のことを表す。ちなみにカタカナで『モノノフ』と書くと『ももいろクローバーZのファン』になるのはご存じだろうか?
最後に『強』を使って男らしい振るまいを表すことがある。その読みの一つが、『強いる』(しいる)。強引に押し付けることで強引、強奪などと使う。

これと違う使い方として『したたか』と読ませるが、これは人の行動を評して『なかなか屈服しない』『しぶとい』といった時に使う。しかし、『足を机の角にしたたかにぶつけた』と単に強くと言う意味でも使うことがある。
さらに面白い使い方として『強ち』(あながち)とも使う。これは後に否定言葉を付けて『強ち嘘ともいいきれない』などと使う。しかし、かつてはやはり『強引に』『けっして』といった意味で使っていたのだが、否定表現のみが残されたものらしい。なるほど、漢字を色々調べてみると中々面白いものである。