かぶれの世界(新)

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田舎暮らし雑感07冬(5)

2008-01-26 23:08:15 | 日記・エッセイ・コラム

芋談義

この記事に時々登場する近所のアマチアカメラマンSさん宅に伺い、昨年行かれた新疆ウィグルの写真を見せて頂いた。彼によれば南部の何とか言う町には日本人のカメラが入ったのは初めてではないかという。確かにグランドキャニオンが風化したような景色は見たことが無かった。

Sさんが前から読みたいと言っていたトフラーの古本を見つけてあげたお礼と思うが、手作りの芋を頂いた。いずれもタロイモ系で名前が面白い。芽紅芋、赤芽大吉、八ヶ芽頭(ヤツメカシラ)というそうだ。煮物にするとどれも同じように「とろっとした」味で美味しかった。

この地方は温暖で湿度が高く、昔から洪水を繰り返して作られた粘土質の滋味豊かな土地で育った芋は味が良いと評判だ。実はこの土地は何でも育つとSさんは言う。飢饉になり争議が起こったという歴史も余り聞いたことがない。そういう土地では農民は工夫せずとも生きて行け、ヤクザも政治家も育たなかったと。

省エネカレー

母は調理する気が殆どない。私も簡単に作れる麺類を食べることが多い。母が庭に植えたネギと採ってきて刻み茹でたウドンやソバにかけ、スーパーで買ったテンプラを乗せて食べる。今年はネギから出る透明でヌルヌルした汁が多いと言うと、母は暖かい年はネギが「ツワル」のだという。

気分転換に市販のルーを使ってカレーライスを作った。ずっと前テレビで見た「省エネカレー」を思い出しやってみた。材料を鍋に入れて水を少なめにして沸騰したところで灰汁を取り、直ぐにルーを入れ火を止める。鍋を新聞紙でくるみ更に毛布を巻いて30分放置すると出来上がり。

中身がこぼれないように注意して毛布と新聞紙をとると鍋がまだ熱かった。ジャガイモやにんじんは形崩れがないが十分柔らかく、味が滲みて予想以上に上手く出来た。母も美味しいといって食べてくれた。大成功。翌日外出から戻ると母が大きな鍋の残りを全て食べ驚いた。

新世界

このところバドミントン練習でシャトルコック()が良く見えず、パソコンのスクリーンがぼやけてきた気がするので、近くの眼鏡屋さんに調べてもらった。視力は悪くなっておらず、眼鏡のプラスチック・レンズが細かい傷で曇っていたのが原因だった。

しかも、レンズの中心が私の両目の距離より6.4mずれていた。10年位前台湾に出張した時作ったもので、最初は予備用だったので気にしなかったが何か変だった。レンズ交換された眼鏡をかけると周りの景色が急に鮮明になった。眼鏡屋は今までよく我慢したねと変なほめ方をした。

先週は風邪でずっと調子が悪かった。熱はそれ程無く食欲もあるのだが、鼻水が止まらず後頭部が重かった。良くなったと思ったら今度は母に風邪をうつしてしまった。症状はひどくないので大事にはならないと思うが、このまま直らないようなら来週の帰京を延期しないといけないかも。■

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藪睨み2008大統領選(2)

2008-01-25 21:49:13 | 国際・政治

60年ぶりの大逆転

緒戦のアイオワ州予備選を落とし、直前に実施されたニューハンプシャー州の世論調査でも、対抗馬とされたオバマに2桁リードされた本命のヒラリー・クリントンが、蓋を開けると逆転した。ヒラリー陣営の誰もが2連敗を覚悟していた。

こんなに世論調査が外れた例は聞いたことが無い。経験豊かな米国の世論調査会社3社とも見事に外した。1948年現職のトルーマン大統領が負けるという予想を外して以来の大失態だという。一体何が起こったのかその後の報道や分析を注目してきた。

「涙」は女性の武器?

最初は表面的だけれど「涙」が急遽女性票を掘り起こしたという説だ。投票直前の懇談会で「冷たいヒラリー」が涙を浮かべたシーンが流され、危険な賭けは成功した。「人間味のあるヒラリー」と見直されたようだ。しかし、後から説明するように、「涙」も冷静で計算された選挙戦術だった可能性がある。

この大逆転劇について多くのメディアが更に突っ込んで分析している。タイム誌によるとアイオワ州の敗北とニューハンプシャー州の状況を分析し、勝負の決め手は女性票と判断、選挙前日に4000人のボランティアを動員し州内の105,000軒を戸別訪問させ、一夜にして情勢を逆転したという。その立役者は34歳の選挙参謀ニック・クレモンズ氏だったという。

そんなこと有得るのか。次元は違うけど、まるで母から聞いた何十年も前の田舎の議会選挙の噂話みたいだ。ある地区は一夜にして支持する候補者が転ぶ(変わる)1票当たり幾らだから合計幾らで何票になる、みたいな話だ。もちろん今回買収があった訳ではないだろうが。

主役はジェネレーションY

ビジネスウィーク誌によると決定的な役割を果たしたのはベビーブーマーの子供達で「ジェネレ-ションY」といわれる20代の若者だと分析している。以前にも書いたことがあるがこの世代は父親より稼ぎが少なく、前世代まで当たり前に享受してきた医療保険や社会保険、条件のいい雇用が劣化し手に入りにくい社会で生きている。

父親がITバブル崩壊や粉飾決算で失業し年金を失うのを見、テロとの戦いや地球温暖化などで未来に対する不安がこの世代の世界観になっているという。彼等は出世の機会よりも充実した福利厚生を望んでいる。これら1829歳の若者は米国有権者の2割の4300万人おり、彼らが今回の予備選の結果を左右してきた同誌は説明している。

この若者は前回の2004年選挙の投票より25%も増えたという。明らかに彼等の政治的影響力が高まった。少子高齢化社会で日本の若者は人口が少ないうえに無関心層が多く、政治が問題先送りして彼らに借金を残しても、立ち上がって政治を変えさせられないのと対照的だ。このデモグラフィーの違いは今後政治に更に大きな影響を与えるだろう。 

敗者は世論調査会社

事前予測に乗って得々と情勢分析した政治評論家諸氏は酷く恥をかいた。しかし、最もショックを受けたのはオバマ候補や評論家よりもギャラップ社など世論調査会社だった。世論調査の信頼度が疑われては彼等の存在価値は無い。ニューズウィーク誌(130)は一因としてアイオワ州の余韻が残っているうちに短期間(5日)に次の選挙に入りオバマ氏有利の事前予測が出たと説明している。

一方で、当日投票対象をきめた有権者が通常5%なのに対し今回18%もあり、その多くはクリントンに投票したと報じている。もう一つは日本でよく言われるアナウンス効果で、世論調査を見てオバマ支持者は投票に行くのを止め、ヒラリー支持者は投票を動機付けられたというものである。タイム誌は最初の出口調査ではオバマ有利だったというが、結果が出る前に公表されたのだろうか。

予測が外れた理由はともあれニューハンプシャー州はヒラリーにとっては前半のターニングポイントとなった。痛手を受けた米国世論調査協会は予備選における世論調査方法について調べる委員会を設置したとニューズウィークは報じている。■

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世界同時"狼狽"株安に狼狽

2008-01-22 23:18:21 | 社会・経済

日本一人負けから世界は皆友達へ、私も参加

本日、日本市場から始まった株安は二日連続の世界同時株安になる見込みだ。米国市場が休日にもかかわらず世界同時株安が続いた二日目は、今まで持ちこたえて来た上海市場も暴落し地球を一巡した、即ち中国発という説もある。

しかし、ブッシュ大統領の景気対策に具体策が見えず、米国経済が後退期に入る可能性が現実になる恐怖感が「閾値」を越え、狼狽売りが世界を駆け巡ったと捉えられる。今まで日本の一人負けだったのが、皮肉なことにようやく世界が日本に追いつき始めた。

私的なことだが昨年2月中国発世界同時株安時に、退職金の一部で買った株式を売却し海外証券を買った。今年初めまでこの見直しは大成功だった。1年続いた日本一人負けでもひどい損を避けることが出来た。しかし、この3日間で一気に日本並みに近づいてきた。

大局的には世界的バブルの剥落

もっと目線を上げて見ると、米国のサブプライム問題でグローバル・マネーは改革停滞等で評判の悪い日本株を最初に売り、石油やその他の商品市場に向かい資源価格を高騰させた。しかし、事態が深刻になるとこの日本一人負けは単なる先駆けである事が明確になった。

サブプライム問題が収束するどころか米国大手銀行の信用不安や消費不調で米国の景気後退が明らかになってきたところで、グローバル・マネーは世界経済への影響が避けられないと判断、世界規模で株を売って国債等の「質への逃避」が同時進行したということだ。

混乱は何時まで続くか

しかし、私は現在のパニック売りが落ち着く可能性は十分あると考える。丁度今、FRBが0.75%利下げを電光石火で決定したというニュースが入ってきた。異例のタイミングだ。この辺の早さは流石米国である。バーナンキ議長はToo little too lateという非難に応えた。

更に、元々世界的に資産・商品価格はグローバル過剰流動性でバブル気味であったと考えれば、一連の暴落もバブル部分を剥落させる効果があったと考えることが出来る。世界的なバブルによる富の移転は避けられないにしても、もう少し緩やかに起こさせるべきだ。

私の予想では、今回を機に世界経済のスローダウンは避けられず、石油を初めとする資源価格高騰がピークを打ち、今後投機で上昇した価格分が剥落し需要に対応した価格に向かって下がっていく(希望も込めて)。しかし、個人的には本当に参った。頭が痛い。■

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セクハラ男の懺悔

2008-01-20 16:28:02 | 日記・エッセイ・コラム

チョット格好悪い話です。今、斉藤美奈子さんの「物は言いよう」(2005平凡社)を昨日から読んで一人でうけている。政治家や評論家、ビジネスマンまで男供の何気ない一言が、セクハラだと滅多斬されている。心当たりのあることがやたら多く、まるで私が斬られている気がするが、何故か笑いがこみ上げてくる。

斬られても反発する気にはならない。彼女の舌鋒は鋭いが軽妙で毒がないように感じるからだろうか。バサッと斬った後に洒落た一言でしめているからかも知れない。或は余りに私に当てはまり笑うしかないのかも。認識はしているものの、未だに失敗の連続で斬られて当然とも思っている。

家内から最近も注意されていることがある。嫁に行った娘に会うたびに赤ちゃんはまだかと聞くのは止めなさいと厳しく言われている。少し太ったとか痩せたとか誰かれなく言うのも止めろと。娘を思う親の気持ちの発露だと思っていてもダメだという。

昨夏、会社務め時代の同僚で、時々会って食事する女性を怒らせてしまった。タイレストランで他の友達と一緒に久しぶりに食事し、記念に写真を撮ってもらった時のことだ。何気なく背中に手を回したとき意外と柔らかったので、ついつい酷い事を言ってしまった。

20年前仕事でサンフランシスコに出張した時、会議をコーディネートする旧知のコンサルタントと仲良くなり、丁度同じように二人の写真を撮った事がある。彼女は長身でスタイル抜群なのに、背中に手を回した時指がめり込む感じがして意外な感じを受けたことを思い出した、と。

彼女はそれを聞いてこんなデリカシーのない男は他に無いと言い、怒り始めた。本気で怒っているのを見て謝ったが手遅れだった。食事の後もメールで蒸し返され散々叱られた。今回田舎に帰る前に彼女が気をきかして仲間内で食事会をやってくれた時にも、何度も聞かされ謝る羽目になった。何か弱みを掴まれたみたいになった。

おまけに以前このブログで女性管理職が多く競争が厳しい米国企業で、美人は殆ど例外なく出世に有利だと書いたことまで持ち出され、私は偏見の塊のようにやっつけられた。大事な友達を怒らせた、言いたいこともあるけど謝るしかない。

会社勤めの頃は気安くしている女性社員がケーキなどを食べているのを見かけると「おい、豚になるぞ」、「太った?」というのは挨拶代わりだった。95年に米国に出向する前、私は危ないからセクハラ事件に巻き込まれないようにと、彼女たちに何度か言われたが気にしなかった。

当時、セクハラで巨額の慰謝料を請求された日本企業が話題になっていた。渡航前の教育か、彼女たちの警告の効き目か、幸いにも米国でそういう事件には巻き込まれなかった。

一度ヤバイと思ったのは、「豚になるぞ」と同じノリで休暇明けにふっくらした感じになった秘書についつい「well round」という言葉を使った。彼女はマジ顔になって、「私は良いが、こういうことは言わないほうがいい」と忠告を受けた程度だ。

実は私が職場で頭を悩ましたのは、文化的なすれ違いが生んだと思われる女性蔑視もしくは差別の訴えの処理だった。オペレーションが落ち着き始めた1年後頃から増え始めた。端的にいうと私は文化の違いを理由に穏便に済ませることに力を注いだ、というのが正直なところだ。

一方で、もし私がこの問題の取り組みに熱心でない、又は揉消そうとしていると見做されると人事担当マネージャがある日突然立場を変え内部告発するリスクがあり、そういう印象を与えないよう注意を払った。ある意味日系企業職場のセクハラ問題はそういう微妙な性格のものだった。

そういう難所を乗り越えて来たものだから、私自身はその辺のセクハラ男だとは思ってなかった。年も年だし。斉藤さんの本は60ものセクハラ例を網羅してあり、私も逃れられそうもない。かといって、多少痺れる程度の毒のある会話は数少ない楽しみの一つなのだが。■

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筋が悪い「ガソリン値下げ国会」

2008-01-17 22:36:17 | 国際・政治

延長国会が終ったと思ったら明日から通常国会が始まる。民主党は「ガソリン値下げ国会」と位置づけ、ガソリン税の租税特別措置(暫定税率)の廃止を求め福田政権と全面対決するという。民主党幹部が25円のガソリン値下げの旗を掲げて気勢を挙げている絵が全国に流れた。

しかし、報道を見て私には違和感があった。何だかひどく軽い気がする。おいおい、それが民主党最重要なアジェンダかよ、という気持ちだ。ガソリン料金を25円下げると主張すると国民は大喜びして支持が集まり、政府を追及し衆院解散に持ち込もうという魂胆が見え見えだ。

国民を甘く見ないで欲しい、目先のことしか考えないといっても、日本人はそれほど馬鹿じゃない、と私は信じる。日本のガソリン価格は現行の暫定税率を含めても先進国の中では米国についで安いと聞いている。

短期的には家計や経済へのインパクトはあるものの、環境やエネルギー政策を考えれば、長期的にガソリンはむしろ値上げ対象と考えるべきだ。自動車が利用される過程で発生する温暖化などの間接的な問題まで含めると、ガソリン利用者はもっと責任を取るべきと私は思う。

民主党の主張の心は「道路特定財源をはじめとする公共事業のあり方を根本に戻って見直す」ということだから、その狙いとするところはそれ程的外れではない。しかし、「ガソリン値下げ国会」連呼ではいかにも軽薄で人を馬鹿にした政局狙いのやり方だ。

今のところ報道は年金問題に比べ比較的冷静で両論併記的なスタンスにあるように思う。直近の世論調査では次期政権は依然として民主党に期待する声が大きいようだが、これでは予算成立後解散、総選挙という私の予測は外れそうだ。■

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