かぶれの世界(新)

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CIA漏洩、遂に起訴

2005-10-29 13:53:47 | 国際・政治
今朝起きるとフィッツジェラルド特別検察官はスクーター・リビー副大統領首席補佐官を在宅起訴したというニュース速報を知らせるメールが届いていた。リビー氏はチェイニー副大統領の補佐官だが、ブッシュ政権の安全保障・外交政策において実質ナンバー2で、イラク戦争開戦の影の主役であった。もう一人の大物カール・ローブ大統領補佐官は今回起訴を免れたが継続捜査の対象になっており、私が事前に予想したより政権へのインパクトが大きそうだ。

訴因は司法妨害とか偽証であり漏洩そのものを指弾するものではなかった。しかし、大陪審という場で証言することの意味と国の安全保障に関わる重要性を改めて認識させた。ローブ氏がまだ捜査中にあることに加え、チェイニー副大統領が情報源であることが判明しており大陪審の決定如何に関わらず道義的な責任追及は逃れられそうも無い。

唯一名を上げたのはフィッツジェラルド特別検察官である。氏は審理中情報秘匿を徹底し、ウォーターゲート事件時の特別検察官の姿勢と対比され、中には司法長官の器とまで賞賛するものもいる。私が以前予測した彼の狙いが正しかったとすれば、先ずは成功裡に進んでいる。ただ今回の決定はイラク開戦に至った政策決定プロセスの中で不正な情報操作があったかどうかの判断ではなく、いわば本丸から遥か離れた藪をつついただけである。これが今後どう展開するかで評価は定まるだろう。

ブッシュ政権はどう対応すべきか識者の様々な声の中で私は以下のことが重要と考える。1)大統領は「怒り」を表し今後こういうことは絶対起こさせないと誓う、しかし既に「リビーはよく貢献してくれたのに残念」とやった(カトリーナの時FEMA長官をほめたのと同じ)。2)当面国を割る争点を無くすためオコーナー判事に半年任期を延長依頼する。3)国を分断することになる右派寄りの政策から、共和民主に共通する基盤を持つ中道の政策に転換する。(共和党の赤と民主党の青を混ぜて紫色になれと言っている。)

これらを提案した識者は一方でブッシュは「ぶれないリーダ」でありこれらの提案は受け入れられそうも無いと予測している。とはいっても任期残り3年間もレーム・ダックといわれるのは耐えられないだろう。私は大統領戦後、政権の独りよがりを心配する米国の友人にブッシュは何時か選択肢をなくし現実路線をとると予測を伝えたが、その時期がいよいよ近づいてきたと感じる。■


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熟年亭主の危機(続)

2005-10-28 10:39:36 | テレビ番組
もう一度同じテーマ。家内がテレビ番組「熟年離婚」を見て私に反省しろという。主人公は仕事中心で家庭のことを顧みず身勝手だったことをややデフォルメされて描かれておりこれでは嫌われると思う。しかし彼が必死で仕事をやってきたというある種の共感はあるし、彼なりの仕方で家族を愛してきたことも分かるので見ていて辛い。彼の姿は昔の頑固親父そのものであり、かつては父親の理想像だったはずだが。尤も渡哲也は格好良いからそれでも好いと家内は言う。(コンシステンシーのかけらも感じない!)

退職以来あらゆる機会を捉え家内はかつて私が如何にひどいことをしたか責める。正直心あたりのあることもあり今更ながら謝るしかない。私から見ると彼女の方に問題も沢山あったが、それを言うと感情的な反論が止めどと無く出てくるので終いに黙ってしまう。仕事を止めてイーブンの関係なんて思ったらとんでもない話で、一気に立場が逆転してしまった。今や彼女のほうが横暴だと思うときもよくある。しかし長い人生を考えると楽しいこと苦しいことも全てはチャラになると思ったほうが良い。今まで苦しい時はあってもトータルするといい思い出のほうが多いはず。

22日の毎日新聞によると首都圏に住む50歳以上の男女500人を対象にしたアンケートで、「夫の41・3%が妻にときめきを感じているが、逆に妻は18・9%しか感じていない」という寂しい結果が出てきたのを反映している。辛いのは僕だけではない仲間がいると思うと慰めにはなる。一方同じ調査で男女とも6割が恋愛したいと答えているそうだ、どういう意味? 数学的には熟年女房族の4割は亭主以外と恋愛をしたいということ。世の熟年亭主族よ、へこたれず積極的に生きて行こうではないか。■


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緊急提案:中国援助をパキスタン支援に

2005-10-26 22:40:14 | 国際・政治
水曜日にジュネーブで行われた国際支援会議でパキスタン地震支援が決定的に不足し、このままでは被災地の犠牲者が続出するというショッキングなニュースが報じられた。既に8万人の死者と330万人が住居を失ったが、依然山岳地帯の道路網が広範囲にわたって寸断され、残された被災者の死活は降雪が始まる前にシェルターと医薬品の確保出来るかにかかっている。人類が直面した歴史上最も困難な兵站作戦との関係者の言葉が報じられている。

気になるのは国連が試算した312百万ドル(約360億円)の援助に対したったの90百万ドルしか支援が集まってないことである。民間レベルの援助は予定通りに集まっているが、国レベルではGDP比割り当て満額の支援を出すところは北欧等の4カ国、日米独伊は20%程度、豪・仏・スペイン・ポルトガル・ベルギー・フィンランド・ギリシャにいたってはゼロという有様である。

背景にはインドネシア津波支援のため1300百万ドルの80%が10日以内に集まったが、各国とも支援疲れしたと見られている。米国はイラク戦争とハリケーン被害、我国は慣れっこになったとはいえ非常識に巨額の財政赤字が続いている。しかもパキスタンに恩を売っても見返りは殆ど無い。財政状況はどうあろうと世界は日本の財布を期待しているし、事態は緊急だ。

そこで提案は、中国向けの支援を一部でも振り向けたらどうだろうか。中国の経済は順調だし中国国民にとって支援額は相対的に大した額ではなくなった。しかし、中国にとって大した額でなくてもパキスタンにとっては巨額の支援で、それにより100万人の命が救われ日本の支援は長く記憶されるであろう。中国も理解してくれるであろう。日本が世界にとって重要で、常任理事国にふさわしい貢献をしていると考えてくれる国が少しは増えるかもしれない。■


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CIA漏洩事件大詰めへ

2005-10-25 12:11:35 | ニュース
いよいよ大詰に来てこのところの報道を見ると、例によって私の勘ではCIA漏洩事件は衝撃的な結果に急展開する可能性が高まったように思われる。正副大統領の補佐官だけがターゲットではなさそうである。イラク戦争開戦の是非についてホワイトハウス内の暗闘を背景に事件が起こったという当時の噂が白日にさらされるかもしれない。スキャンダルになるかもしれない。現在、カード首席補佐官を含めホワイトハウスは最低レベルにある大統領支持率の対応に忙殺され、本件については手の出しようも無く推移を見守っているようだ。■

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メディアの堕落(続)

2005-10-23 10:36:33 | ニュース
国会議員年金の廃止のドタバタについての報道は、夫々の党や議員の意見を紹介するに留まり概してクールだった。以前にその不公平さを散々指摘した人達がいざその議論が具体的に進むと急に大人しくなった気がする。ニュース価値がやや減少したかのように見える。特にテレビ報道はその落差が目立つ。今日、反対派の非難が激烈で敵意に満ちていればいるほど何度も引用されテレビ画面に出てくる。今回の控えめな扱いの理由は表立って大反対を唱える議員がいなかったためのようだ。これが報道の基準でよいのか。

いつの頃からか争点に対する政治家の立場を詳しく分析せず、替わりに反対派のコメントを繰り返し流すようになった。重要な問題に関するトークショウで緻密な議論がなくなり罵倒と人身攻撃の場になり、有無を言わせぬ高圧的な態度でやり込めるスタイルの有名評論家が人気を得て、まるで弱い者いじめの番組のようになった。反対派の声高な声ばかり繰り返して引用する姿勢と一致する。

私の感じていることが的を射ているか検証されているわけではないので、正直に言うと同じ指摘をする人の記事を読むと勇気付けられる。同じ意見の持ち主は主としてビジネスの世界の人達である。最近読んだ本がたまたま明確で論理的に答えていることを見つけた。それはThe Winner-Take-All Society(邦題「一人勝ち社会」の到来Rフランク、Pクック1998新潮社)である。性急な成功を望む「一人勝ち社会」はジャーナリズムの変化をもたらしたという。

それによると米国のジャーナリズムは、ベトナム戦争およびウォーターゲート事件以前までは殆どのジャーナリストは政治リーダーに対して論証可能な非難だけを取り上げたが、それ以降反対派政治家の立場を論じるより単にコメントを聞くだけに徐々に変わっていった。トークショーでは罵倒と論敵に対する人物攻撃が生み出す興奮が重要視され、ロバートノバク氏のような人物が重宝されている。(彼は攻撃的な右派の論客・評論家で現在進行中のCIA漏洩事件にも一枚かんでいる。)

昨今の日本のニュースショウは正に米国の状況を追っかけている。その点では色々な批判はあるもののNHKのコメント抜きで事実を忠実に報道する姿勢がかろうじて我国の報道のバランスを取っている。その意味ではNHKの中立な立場への信頼は守るべき重要な資産である。冒頭の議員年金廃止については、あるべき姿と各議員の意見をその背景まで分析し報じるべきで、それがこの後に続く年金改革の考え方のベースに繋がるようにすべきである。

テレビが報道機関という定義は既に適切でなく、実質エンターテインメント・メディアなのだから結果として私の議論は筋違いの議論になったかもしれない。しかし依然として日米ともテレビを見て投票を決めた人が最も多くその責任は思い。日本のネットワーク・テレビは報道の社会的責任を果たしながら、新興IT企業からの買収に脅かされビジネスとして市場の評価を得る利益を継続して上げて行くのは容易ではない。この一人勝ち社会でどう実現するかその役割と影響力をよく認識しビジョンの再構築が求められる。■


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