かぶれの世界(新)

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ピケティ読まずのピケティ論

2015-01-31 18:10:18 | 社会・経済
ピケティ読まずの為の本

昨年後半からピケティの「21世紀の資本」が話題になっていた。日本経済新聞はお正月に1面を使ってピケティの特集をやり、本屋に行くと地味な澄ました感じの表紙の「21世紀の資本」が平積みになっていた。世界的なバストセラーと言われているが、歴史を検証し格差が拡大しているという経済書程度に思っていた。何より古本しか読まない私には値段が高い。

手に取るとやたら分厚くとっつきにくい文章で、とても全部読みたいとは思わなかった。多分そのせいだろう、ピケティ本の倍くらいの面積を使って半分くらいの厚さの解説書と、更にその半分くらいの厚さの’ピケティ早わかり’みたいな感じの本があった。読まない(読めない)けど評判だから内容は知りたいという需要があるのだろう。

私は皆が騒ぎ出すと「読みたくなくなる」天邪鬼だが、最近ピケティ氏の有名な発見(r>g)の一部だけを抜き出して自説を主張し相手を攻撃しようとする人達を見かけるのが鼻についていた。こういう人達のどれだけがピケティを読んだのか大いに怪しい。遂にNHKが今朝の主婦向け番組で全く知識のない人達の為にピケティを紹介していた。

ピケティは都合のいい道具

こうなると私としては天邪鬼的ピケティ論を展開せずにはいられなくなる。どうにも悪い性格だ。先ず「格差」という言葉に引っかかる。日本は今でも珍しいくらい格差の少ない国のはずであり、そののことを一言も言わないで格差を云々するのは議論をミスリードする。この機会に何故日本は格差が少ないのか、寧ろその原因を深堀すべきではないかとさえ思う。

親の収入と東大入試合格者の相関関係をよく目にする。だが、親が馬鹿でも金を持っていたら東大に合格したなんて話は聞いたことが無い。収入と東大合格の相関関係は他のパラメーターを無視した乱暴な議論だ。知的能力と収入に相関関係があり、収入のある親の遺伝子を引き継いだ子供が東大入試に合格する確率が高まるのではと私は推測する。

ピケティの発見の格差論だけを都合よく利用する人達を見ると、90年代頃から始まった反グローバリゼーションを声高に主張した学者達のことを思い出す。絶対に避けられない世界の潮流に対し意味のない反対をし、グローバリゼーションにしっかり対応し利益を得る備えを邪魔した人達のことだ。その為に我が国は随分損をし他の国に出し抜かれることも多々あった。この時期にアジア危機で酷い目にあった韓国が導入した政策をどうするか、まだ日本は揉めている。

先人に学ぶ

ここで幕末に活躍した下級武士の若者達について論じたい。活躍したのは下級武士であり大名の上級幹部でも当時もっとも金持ちだった豪商の子弟でもなかった。数百年に亘り「極貧」の中で子供をきちんと躾て教育してその精神を子孫に伝えていった。数百年後に出番が来た時、彼等の才能は花開き縦横の活躍をした。彼等の凄さは富ではまだ甘い、命が懸かっていたのだ。彼等は貧しても鈍しなかった。我々は退化したのか。

私が心配するのはこの精神が日本に残されているかだ。今の小学校の運動会は駆けっこで順位を付けないのだそうだ。私の中学生時代、ロビーに張り出された期末試験の成績順位は公表されなくなった。才能や努力で頑張った結果優れた成績を残すと正しく評価される社会の中で子供を育てる必要がある。寧ろ勉強・運動だけでなく奉仕等あらゆる活動に広げるべきだろう。

所得の再配分は必要

我国の格差は比較的少ないとはいえ収入の再配分の仕組みは必要と私も思う。だが、それは最低限のセーフティーネットであるべきで、多くのマスコミや政治家のポピュリズムとは違う。再配分の優先順位は世代間格差を少なくする方に向かうべきだ。再び幕末に戻ると、当時訪日した野蛮人(外国人)は彼等から見て日本の子供が異様に大事に育てられるのを見て驚いたと伝えている。これまた昔の精神に戻れと言いたい。

格差社会への反論として「頑張った人が報われるとか自己責任の社会」が言われる。ピケティは頑張った人(g)より資産(r)を持つ人が益々富めることを発見した。我々が昔から気づいていたことだ。雇われるサラリーマンより、会社を経営・投資する方が遥かに収入を得る。だが、彼等はサラリーマンの何倍ものリスクを冒している、収入の差はリスクの差であることを認めないと我が国は衰退に向かう。ピケティも経済成長は必須だと言っている。■
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米北東部に歴史的な嵐

2015-01-27 18:45:54 | ニュース
中東テロでもギリシャ政変でもないのに、CNNが朝から生中継をやっているのに気が付いた。ニューヨークやボストンなど東海岸北部に歴史的なブリザードが襲い大変なことになっているようだ。7州で緊急事態が宣言され公共機関や交通機関が総てキャンセルされ、5000万人以上の人が影響を受けているという。主な飛行場は全て閉鎖され4000便以上がキャンセルされたという。

時々テレビをチェックすると、朝方はstay homeとか stay off the road、 travel bansなどと言う言葉が飛び交っていたが、夕方買い物から帰ってテレビを見ると北東部7州でstate emergencyが発動されたと報じられていた。除雪車が総動員され除雪しなければならない道路の総延長は、西海岸のロスアンゼルスまで往復する距離になるそうだ。面白いことにNYの地下鉄は除雪を兼ねて無人の電車を走らせているという。

これを聞いて私が毎月のようにボストンに出張していた90年代初めに、ブリザードでstate emergencyが発せられ圏央道みたいにボストンを囲んで走る128号線の外にあるウースターという小さな町のホテルに48時間閉じ込められたことを思い出した。ホテル内の店の食料は全て売り切れ、無料サービスになったビデオ映画も全て借り出された。

今回もテレビではstay homeを繰り返していた。現地を良く知る同僚が車がスタックしたら生きて戻れない、絶対に出かけるなと私に念押しした。当時はまだ携帯電話はなくレンタカーによっては車載電話(cellar phone)が取り付けられていた程度で、助けを求める連絡手段がなかった。state emergencyは2日続き、1週間後の帰国時まだ飛行場が開け閉めして困った。

CNNは降雪量が25-30インチ(60-70cm程度)だと大騒ぎしているが、先に東北北海道に降った大雪は3m以上と報じられたから米国の雪は大したことはない。90年代に何度も経験したボストンの降雪量も同じだった。だが、気温は零下15-25度まで普通に低下し凍える思いをした。フロントガラスを水で洗うと凍り付いて運転できなくなると警告された。

今現地時間は朝4時頃で嵐はニューヨーク郊外のロングアイランドからボストン沖のケープコッドに近づいているという。町角に人影はないらしい。今はもう連絡を取り合う知人はいないが、当時一緒に働いた知人が当地に住んでいるはずだ。何事もないことを祈る。■
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2015年大胆占いスポーツ編

2015-01-25 11:40:19 | スポーツ
今年から大胆占いは紙数節約の為、海外に挑戦するスポーツ選手の予測を割愛させて貰った。だが、海外で活躍した選手が力を残して日本に戻りどれだけやれるか、新たな挑戦が見られる状況が生じた。ヤンキースの黒田投手は、数倍の年俸オファーを蹴って日本に戻りプレーする初のバリバリの現役メジャーリーガーとなる。

焦点は現役メジャーリーガーがどこまで日本で通用(?)するのかだ。日本人投手はMLBで通用する、日本で残した数字と同じレベルの結果を出すピッチャーは枚挙に暇がない。だが、MLBが見限った(契約しない)選手が日本に戻り活躍した例はいないと思う。それではMLBがまだ使えると思っている選手が日本に戻ったらどうだろうか。それが私の注目するテーマだ。

私は黒田と言えども楽観できないと予測する。アメリカかぶれのMLBファンの私が言うのも変だが、日本のプロ野球はそれほど甘くないと思う。ルールは同じだが、野球場やシーズンとチーム運営、戦い方等が異なる。異なった野球をやっている。MLBは世界標準であり、それに挑戦する日本人選手を応援するが、必ずしも強い弱いという決めつけは出来ない部分がある。

ただ、MLBが見限った選手は日本に戻っても往年の活躍を見せた選手はいなかった。そういう意味ではMLB球団の判断力は正しかったといえる。それでは見限られていない黒田投手がどういう活躍をするか凄く興味がある。逆の意味で、見限られた松坂投手が活躍すればこれまた私が何となく当たり前と思っていた定説が破られることになり注目したい。

振り返ると経済に比べ予測が当たる確率の高いスポーツだが、今回のテーマについては正直なところ自信が無い。黒田はヤンキース時代と同じレベルで2ケタ勝利、松坂は5、6勝がいいところと言うのが今日現在の私の大胆占いだ。■
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朝日新聞体質の人質事件報道

2015-01-24 15:08:26 | ニュース
昨夜のニュースステーションが伝えたイスラム国の人質事件は聞いてて酷かった。「人質事件」から強引に「日本は戦争する国になってはいけない」という結論に誘導し、次のニュースに切り替わった。どういうロジックを使ったのか、頭が良いのか馬鹿なのか。

コメンテーター古賀氏とキャスター古館氏の合作だったが、彼等の個人的意見だとしてもテレ朝がこんないい加減なニュース報道をしても良いのかと耳を疑った。先に朝日新聞の結論ありきの誤報が問題になったが、私にはこの「誘導」が同じ体質のようなものを感じる。

個人の主義主張を明らかにするのは理解できても、断りもなくメジャーな全国放送でニュースとして流すのは強い違和感がある。テレ朝と朝日新聞の報道姿勢は一心同体であるということか。今朝の新聞ではそんな乱暴な論理は展開されてなかった。どっち?■
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手段を選ばず後藤さんを救え

2015-01-23 23:07:57 | ニュース
イスラム国が要求した身代金期限を過ぎた。政府は水面下であらゆるルートを通じて人質解放に努めているようだが、菅官房長官は状況は厳しいと表明したという。

このニュースを見た時、私は最初からイスラム国の体質を考えると二人の生命は絶望的だと思ったが、その後の報道によると英米以外の国は内々で身代金を払って人質を解放させているという。欧州諸国は建前は崩さないが本音は自国民を救うた何でもやるという印象だ。今回政日本政府はそれを狙っている、もしそうでなければ是非そうして欲しいと思う。

事件発覚後の報道を見ると後藤さんは大したジャーナリストだ。テレビに出てきて尤もらしいことを言うコメンテーターとは格の違いを感じる。彼がインタビューで「これから起こることは自己責任」だと発言した。彼は起こるかも知れない最悪ケースを覚悟してシリアに入り、何が起こっても自分の責任と言った。

私は何事も結果に対して自己責任をとるべきと普段言う。だが、今回は特別に後藤さんを救出するために日本政府は建前と本音を使い分けてでも出来るだけのことをやって欲しいと思う。彼はそれだけ価値ある日本では珍しいジャーナリストと感じる。普段テレビに出てニュースを報じるエセジャーナリストとは全く違う貴重で特別な人材である。

しかし、国の信頼を守る為建前は守らなければならない。日本が中東諸国に拠出する2億ドルは人道支援だ。逆に同額の身代金はイスラム国の武器購入やテロの資金になる、つまり人道支援する人達の敵に資金提供する二律背反行為になる。絶対的な秘密交渉が出来るのかどうか分からない。だが、分かっていても公式には目を瞑ってくれるやり方で断行して欲しい。■
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