一昨日、3ヶ月ぶりに田舎から帰ってきて例によってパソコン環境を最新状態に移植をしていると、マイクロソフト社のWebブラウザーである「インターネット・エクスプロアーラー8(IE8)」のベータ版が一般公開されたというニュースが目に留まった。
豪雨のため八王子近く電車が普通になったというニュースを横目で眺めながらパソコンに向い、昨日早速ダウンロードして新機能を試してみた。うたい文句ほど性能が上がったとは思わなかったが、Webページの文字情報から派生する情報の直接取り出しなど便利な機能を確かめた。悪くない。
ところが今朝パソコンを使っていると突然、「恐怖の青い画面」に切り替わった。通常はOSがありえない番地をアクセスしでメモリー・プロテクションがかかったというようなフェータルなエラーだ。言い換えるとパソコンの気が狂ったので影響を最小限にするため緊急停止した、ということだ。
メッセージを見ると数ヶ月前ウィルスにかかりダウンしたときと同じようなメッセージだった。電源を一旦強制切断するしかなかった。電源を再投入するとウィンドウズが立ち上がる前の「黒い画面」で止まり、ディスクが見つからないというメッセージが出た。
こういう時頼りにする息子も、メッセージを見てこれではどうしようもないだろうという。私はデータ・ファイルが使えなくなると思うとパニックになりそうになった。いまや田舎の母の介護も含め生活全般にわたりパソコン経由しないと何も出来ない、まさに原始生活に戻るほど大変なことになる。
息子に午後から助けてくれと頼み、午前中は久しぶりにバドミントンクラブに行き汗を流した。練習が終わりシャワー室でIT関連の研究所勤めの某氏に聞くと、会社の基幹システムとの互換性問題で彼の職場では未だにIE6を使っているという。IE8の情報などまだ何もなさそうだ。
昼食が終わり本体を分解してハードディスクを取り出す前に、念のため恐る恐る電源を入れると、何と幸運にもウィンドウズが立ち上がったではないか。色々動作確認する前にハードディスクがクラッシュする恐れがあるので、この幸運を生かして先ずは最優先でデータバックアップをすることにした。
最近買った2GBのUSBメモリーなら足りるだろうと思い、データのバックアップを開始した。ところがメーラー(Outlook)のデータをエクスポートし始めたが10年間に蓄積されたデータが予想以上に巨大で、何時までたっても終らない。
4時間位たった頃2GBでは容量不足だと分かりバックアップに失敗した。良いニュースはまだパソコンは動いている。今度はデータを分けて少しずつバックアップし、やっと重要なデータの写しを取った。
次に原因不明だがとりあえずIE8をアンインストールし、IE7に戻した。念の為ディスクの断片化をチェックしたが最適化の必要は無かった。IE7に戻すと今までのところ何事も無かったように快調に動いている。だからといってベータ版のIE8に不具合があったとはいえない。しかし調べる気にはなれない。
ということで私のパソコン上ではIE8は数時間の命、訳も無く理由もはっきりしないまま安全第一というだけで取り除かれた。だが私にとっては「世界を震撼させた10時間」だった。リスクを冒すわけにはいかないと未だにIE6を使い続ける大会社を笑えない。■