かぶれの世界(新)

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孤独の慰め

2018-09-30 17:55:03 | 日記・エッセイ・コラム
台風24号の嵐の中、書斎のインターフォンが鳴った。こんな時どんなお客かとビデオを覗くと書留めだという。1階に降りて玄関のドアを開けるとずぶ濡れの中年男性が郵便物を持って立っていた。もう局員かどうかもはっきりしないが、取り敢えずサインをして封筒を受け取った。

2か月前にNTT系列からKDDIに光回線を変更し支払った解約金を間接的に補完する為替証書だった。そういえばこれがあったと思い出しメッチャ嬉しくなった。なるべく早く郵便局でお金を受け取る積りで必要事項を記入した。説明書を読まないで記入し、後からチェックして間違いに気付いた。

余り考えもせず直ぐにコールセンターに電話して指示を仰いだ。郵便局に行き事情を話せ、念の為に印鑑を持って行け、という予想通りの答え。白状するとあまり考えもせず電話したのは誰かと話したかったからでもある。彼女は東京にいた。こちらの天候が如何に酷いか説明し、東京は覚悟した方が良いとか何とか言って軽口をたたいて電話を終えた。今日初めて女性と口を利いた。

20年前米国に単身赴任した時がそうだった。当時はまだネット社会前の時代で、多くの活動は電話で済ませていた。シアトルにいた時は小切手を郵送していたが、カリフォルニアに転居してからは家賃から電気・ガス・電話・CATVまで全て電話で済ませ小切手を切るより便利になった。

異国で孤独な私には滅多にない誰かと喋る機会だった。相手を笑わせようと事前に考えた冗談を片言の英語で言って相手を笑わせ、直ぐに電話を切られないよう工夫したものだ。例えば、当時は国際線フライトに乗る時は搭乗数日前に、リコンファームといって確認の電話を入れる決まりだった。

受付のコールセンターはデンバー等の内陸部が多く、普段は話すことがない女性と話す機会だと思っていた。事務所はどこか、雪が降るのか、寒いのか、などと関係ないけど難しくない英語で喋りかけた。それで英語が上手くなったなんてことはない、第一忘れてしまった。

だが他にそんな客はいなかったはず。一度も電話を切られたことはない。理由は常に相手にプラス思考で何とか喜ばせようとアプローチしたからだと思う。その性癖は田舎の孤独な生活をするようになった今、結構役に立っている(たまに嫌がられるけど)。今日も彼女は気持ちよく電話を切ったはずだ。だが、これはやむを得ず身に着けた後天的性格、場合によっては嫌な性格も出てしまう。■
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秋虫生殖の頃

2018-09-29 21:59:05 | 日記・エッセイ・コラム
昨日午前中にベンダー変更して古い光モデムの返却の為、郵便局と実家の間の堤防沿いの道を往復した。往路では気付かなかったのだが、復路を辿ると堤防の周りをバッタが飛びかい、道の上にも何百匹もいた。不思議なのは近づいて行っても私を無視して動かないバッタが沢山いたことだ。何で?

私にとって理由は簡単だった。馬乗りになったバッタのペアを堤防の道1kmの間に3つ見つけた。彼等にとって昨日は生殖の頃だったのだ。その時期になると彼等は生殖に集中して私に気付かないか、私の存在に鈍感になったようだ。彼等は日照時間とか気温とかの条件で一斉に体が反応したのだろうか。これが人間なら大変なことになると思った。

視線をあげるとトンボのペアが飛んでいた。トンボのペアは言葉では説明が難しいアクロバチックな体位で器用に飛んでいた。同じ1kmの間に2ペア見つけた。昨日は秋の虫にとって一斉「生殖の日」だったようだ。今迄そういう風景は見なかった。昨日だけピンポイントで起こったのか。■
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彼岸花の頃

2018-09-28 19:11:09 | 日記
先週末頃から道端に見慣れた赤い花が見えるようになった、彼岸花だ。別名「曼殊沙華」というのは大人になってから知った。この花を見るともうすぐお彼岸で、自動的にお墓掃除をしなければと思う。今年は猛暑疲れ(夏バテ)のせいかやる気が起こらなかった。ただ気が重かった。

今週初めに地区班長より今週末(つまり今日)神社掃除をやるので宜しくと参加を打診され、二つ返事で了解した。だが、我が家のお墓掃除をまだやっておらず、神社掃除の前に済ませないとまずいと内心思っていた。そして、昨日遂にお寺に出掛け墓掃除をした。

予想通り他家のお墓は綺麗に手入れされていたが、我家のお墓は雑木林状態だった。掃除というより「山刈」状態に近い。多少の言訳はある。近年隣と奥側のお墓の持ち主が引っ越しされ、お墓の引っ越しがあり放置された状態だったからだ。オーバーに言うと三つの墓地が雑木林を形成していた。

それなりに普通のお墓掃除と違うと覚悟して鎌やノコギリまで準備して出かけたが、Tシャツで出かけたのが最悪の失敗だった。格好の獲物だと思ったのだろう、蚊の大群が襲ってきて気が付くと両腕に夫々水膨れが10か所以上出来ていた。

例の散歩のママさん同盟情報によると、ちょっと小さめの山蚊だという。山蚊に食われて痛みを感じるまでに少し時間差があるのでそうなるのだそうだ。我慢出来ず早々に墓掃除は切り上げた。ちょっと雑になってしまった。帰京するまでにもう一度掃除に来ますと心に誓った。

実家に戻り直ぐにシャワーを浴び、効き目のありそうな塗り薬「モビラートゲル」を塗った。筋肉痛か何かで処方してもらった薬だが、他に適当なものが無かった。しかし、その後痒みが気になくなり今朝起きて腕を見ると腫れが退いていた。いい加減だけど、薬の成分を見ると効果が期待できた。

今朝の神社掃除はしっかり長袖の作業服で参加した。若くて50代から80代まで約10人が参加した。土佐の長宗我部氏家臣がこの地に移住した時の神社で、同じ集落でもこの家臣を先祖に持つ人達に限られている。

子供の頃は毎日のように遊びに行った記憶があるが、参道のとりつき部分が急で普通の山登りよりきつかった。今や誰も来ないので境内は苔だらけ。誰かが冗談で「年に二回掃除に来るよ、それだけ」と言って笑わせた。今回は約一時間で参道と神社の掃除だけ、お供えの饅頭とお餅を頂いて太鼓をたたきお神酒を頂いて終了した。私は途中で失礼してバドミントン練習に参加した。■
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メッチャ生臭い話

2018-09-27 14:03:38 | ニュース
今我が国にとって極めて重要と思われる安倍・トランプの日米首脳会談を本日未明に実施したと報じられた。北朝鮮の非核化と日米貿易交渉の基本方針或いは落としどころを確認したようだ。特に中間選挙を11月に控えトランプ大統領が益々強硬姿勢に傾いている今、日本政府は自己主張するより2国間貿易協定を認める方向で対立を避けて対話を続ける方針に転換すると見られていた。

報道によると会談の結果は安倍首相が目指した方向で基本合意した、私風に言えば「最悪な選択肢での最良な結果」になった、基本時間稼ぎだがそれはそれで満点の首脳会談だったと思う。トランプ大統領は国連総会で自己主張を繰り返し失笑を買った直後の首脳会議で、気が合うとされる安倍首相とこのタイミングで衝突しない道を選んだと私は感じる。

忘れてならないのはトランプ大統領が中国に対して仕掛けた貿易戦争は米国内では与野党が支持している。彼の政策の全てが悪い訳ではない。一方、同盟国のドイツを公然と批判、グローバリゼーションを否定、次々とスキャンダルを巻き起こし、大統領の支持率は再び下がり始めた。中間選挙の見通しは厳しい。安倍首相との一対一会議では状況を改善する秘密の手立てが話されたと私は疑う。

逆に言うと安倍首相はその位信頼されている(逆に言うと甘く見られているのかも)と思う。今日のメルマガ(THEPO!NT)でChris Cillizzaは最高裁判事候補の女性問題と女性の支持率低下に対しトランプらしい反論を論じた後、「純粋すぎる安倍」だけは例外だとの発言を引用した。気持ち悪いコメントだが天邪鬼な私は首脳会談の裏に何だかメッチャ生臭さを感じてしまった。

トランプに自由平等とか民主主義という価値観はない、全ての発言や政策は彼に都合の良い政治的なものだ。今回の安倍首相との合意が例外だなんてことはあり得ない、もう一回、「メッチャ生臭い話」がされたに違いない。それが我が国の為にも自由貿易を守る為にも役に立つ場合もあるということだ。巨額な金の臭いがする中国に妥協を続けて来た欧米諸国の目を覚まさせたのもトランプだ。それはそれで私も高く評価し成り行きを注目する。一方、日中は微妙に距離を詰め、米国は知っている。

それにしてもこんな時にも貴乃花引退騒動ばかり熱心に報じるニュースバラエティ番組は何なんだろうか。こんなバカ番組に目くじらを立てるのは、それを見たおばちゃん達が沢山いて世論調査が反映され、その結果を利用する人達が沢山いるからだ。たった一社で良いからもう少しバランスの取れた報道に努め、それを心あるスポンサーは評価して広告を出したらどうだろうか。■
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チョット生臭い話

2018-09-26 16:13:16 | ニュース
昨日いつもの散歩の途中で長老に出会い、西日本豪雨で肱川氾濫時の面白い話を聞いた。実家の表を流れる矢落川(肱川の支流)に周囲の山から流れ込む小川の水門が締まったままで、集落の3軒が浸水した。高知県から応援のポンプ車が堤防上で準備していたが、住民の必死の願いに反しポンプの起動指示が遅れて小川の水が溢れて浸水に至ったという。住民は判断ミスだと怒っている(高知県の職員には責任がない)。

本流の肱川の氾濫は死者が9人も出る大惨事に至り、住民からダム放流が適切になされたか不満の声が湧きあがり、市と国が主催して今週地区ごとにやっと説明会が行われた。長老によるとダムの管理部隊は一貫して役人特有の責任逃れ姿勢を保っている。市長は教育長上がりで最近就任したばかりで存在感が無く、県知事は今回リーダーシップに欠け他人事のような物言いであったという。

だが、長老は被災者に対して前例なく素早く支援金が支払われのは高く評価していた。彼は10年位前まで県の土建協会の役員をしており、その辺の事情を知っている口ぶりだった。知事も公明党国会議員も機能せず、素早く動いてくれ対応してくれたのは自民党議員塩崎氏だったという。彼は元々有力者で普段から土建協会に顔を出し、いざという時情報が集まり適切な対応をしてくれたという。

私は聞いていて多分本当の話だろうと思った。中村知事は加計学園に絡んで部下の報告を裏を取らず公表した一方で、部下が障害者雇用比率のルールを守らなかった時は知らん顔をした(と思う)。こういう人はいざという時に信頼できない。大洲市長は就任したばかりで元々期待できなかった。東日本大震災時に迷走した民主党首相(同情するが)より、その方がマシだ。

平素から業界団体に顔を出しいざという時必要な情報が入り適切な対応をする、或いは後押しをするのが自治体の長とか議員の重要な役割の一つだと思う。勿論、注意しないと利益誘導など利害関係を疑われる恐れがある。しかし、それを恐れて市民の為に必要なアクションが取れない様では責任を果たしたことにはならない。チョット生臭いが、今回は又聞きながら身近に出来事なので論じた。■
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