かぶれの世界(新)

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2015年大胆占い 最終見直し

2015-12-31 18:09:46 | 社会・経済
今年を一言で総括すると米国の金利上昇と中国経済成長の減速に世界が振り回された1年だった。特に中国が為替介入した夏以降の市場は混乱し、以降暫く株式市場は乱高下を繰り返した。だが、減速したといえ成長が続いたのは米国経済が世界を牽引したからだ。

年頭予測
今年の初め「世界経済は米国次第の年」とし、焦点は世界のリスクマネーの流れを一変させる力を持った「FRBがいつ金利上昇を決定するか」であり、私は無難に年央以降になると予測した。だが、日欧の中央銀行は金融緩和がマネー拡大トレンドを続け株価は過熱すると読んだ。

一方、中国経済成長の減速は年頭時点で大方の見方7%より低く6%台になると予想した。だが新興国は98年のアジア危機より準備が出来ていると見た。寧ろEUの緊縮財政と失業率下で右傾化リスク、日本の成長路線の踏み込み不足による行詰まりの方が問題になると予測した。

現実
結論は冒頭に述べた様に今年の世界経済は米国の金利上昇と中国経済に振り回された。FRBは世界経済への影響を配慮し金利上昇を半年遅らせ年末にずれ込んだ。換言するとイエレン議長は市場との会話に成功し、非常に難しい判断を乗り切った。世界市場は金利上昇に備える十分な時間を貰って冷静に受け止めた。中国経済の減速も予想された事と受け止められた。

以上の2点に加え、原油価格の暴落が経済減速を更に悪化させたといえる。これら主要因の為世界経済成長はスローダウンし、来年公表される実績値は年頭予測3.5%から3.0%の成長に低下するものとみられる。特に中国依存度の高い新興国・資源国へのインパクトは大きく、下表のように先進国に輪をかけた経済減速になったと見る。

       IMF14  大胆占  3Q IMF15 最終予測
世界経済   3.8    3.5    3.1   3.1  3.0
米国     3.1    3.3    3.3   2.6   2.5
欧州     1.3    0.6    0.5   1.5   1.2
中国     7.1    6.9    6.8   6.8   6.7
新興国    5.0    4.7    4.3   4.0    3.5
日本     0.8    1.0    0.6   0.6   0.6
(注)IMF14は2014/10、IMF15Oは10月7日時点のデータ

個人的なこと
リーマンショック以降、私はなけなしの退職金を何とか殖やそうと主に新興国に投資して運よく残高を増やした。だが、上記の様に今年の経済減速は新興国により厳しい結果をもたらし、当然のことながら私の金融資産も打撃を受けた。困ったことに来年はもっと難しい年になりそうだ。■
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周回遅れの読書録15(6)

2015-12-30 21:37:07 | 本と雑誌
今回は多くの専門家が高く評価した「自由市場の終焉」(Iブレマー)の読書をお勧めする。私が勧めなくとも既に欧米で広く読まれ評価の定まった書だ。中国の国家資本主義の台頭と米国の相対的停滞で自由市場資本主義が挑戦を受けてどう生き残るか、私が知る限り最も高い目線で論じられている。種々の政治経済書を読む時の座標軸として位置づけられる。

次に「格差社会論はウソである」(松田悦佐)と「バブルは10年に一度やってくる」(藤田勉)を紹介したい。両書のテーマは異なるものの、ともに客観的なデータをベースにしながら前者は楽観的な極論(!?)を展開し、後者は逆に教科書的公平さをもって経済事象を解明する。全く異なるアプローチながら真理を求める姿勢を感じる。

(2.5)2格差社会論はウソである 松田悦佐 2009 PHP 広範なデータを駆使してマスコミや専門家などの知識人が視野狭窄の主張する我が国の問題を否定する。日本人の世界一高い幸福要求水準を満たすために世界一の課題に取り込んでおり悲観論は無用と説く。我が国の知識人と大衆の間の知的能力格差が少なく、若者独自の文化を作る唯一の国、伝統的日本企業が新世界を作ると予測する。

(2.0)L世界経済危機は終わった 竹森俊平 2014 日本経済新聞 本書の題名と著者を期待して読み始めたが、途中から延々と経済学のうんちくを読む羽目になったと気付いた。MIT経済学部が輩出したノーベル賞受賞経済学者のケインズ人脈の紹介、続いてシカゴ大学系のフリードマンのマネタリスト人脈に経済危機を語らせている。技術系の私には理解不能だが、今回の経済危機はケインズ学の貢献で終わりそうだということのようだ。

(3.0-)L自由市場の終焉 Iブレマー 2011 日本経済新聞 自由市場資本主義が中ロに代表される国家資本主義の急成長を受けている状況を解き明かし、国家資本主義は政治目標の達成を最優先にするがために国同志の連携が出来ないと説く。その上で自由市場資本主義が何をすべきか対処法を示した佳作。

(2.0)Lリーマン・ショック5年目の真実 2014 日本経済新聞 リーマンショックが勃発時の金融機関や政府当局の動きと救済劇、日欧や新興国への危機の波及、危機後の政府や企業に刻まれた後遺症等を、その時々の当事者のインタビューを含めて描いたもの。あらゆる側面から追及しているので踏み込み不足なのは否めず物足りないが、ポイントはついている。

(2.0)Lグローバリズムが世界を滅ぼす Eトッド他 2014 文春新書 藤井・柴山・中野・堀の共著者が国際的に著名な学者Eトッド、Hチャンの名前を使って反グローバリズムを説く。グローバリズムが経済危機・格差拡大・社会崩壊の原因というが、読んでいて上記6人の考え方は同じではない(健康的な状態)ことが分かり面白い。根拠のないデータ誤用やこじつけ論が多いように私には感じるが、それを分かった上で読むのも面白い。 

(2.5+)2バブルは10年に一度やって来る 藤田勉 2013 東洋経済 バブルと危機が繰り返し、何故防げないか歴史と理論を、慶応大学の教科書らしく分かり易く経済学的に公平で漏れなく諸説を網羅して解説している。リーマンショックの主因を世界の中央銀行による過度な金融緩和によってバブルが発生し崩壊したと説いたのは私には新鮮だった。

今年最後の読書録だが、実は今月はまだ1冊も読んでいない。読みたいと思って手に入れた本は何冊もあるのだが本棚に眠ったままだ。今年、たったの32冊しか読んでいないことになる。30代に入って年間100冊読破を目標にやって来たが、今年はこの40年弱で最少読の年になってしまった。来年も自宅の建て替えなど落ち着かない時が続くが、先ずは50冊読破を目標にしたい。■ 

凡例:
 (0):読む価値なし (1)読んで益は無い (2):読んで損は無い
 (3):お勧め、得るもの多い  (4):名著です  (5):人生観が変わった 
 0.5:中間の評価、例えば1.5は<暇なら読んだら良い>と<読んで損はない>の中間
 -/+:数値で表した評価より「やや低い」、又は「やや高い」評価です。

2: 古本屋で手に入れた本
L: 図書館で借りた本
新: 「定価」で買った本
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2015年大胆占いスポーツ編(総括)

2015-12-29 21:47:22 | スポーツ
今年のスポーツ占いはMLB帰りの選手が日本に戻ってどれだけ活躍できるか、特にMLBでバリバリの現役が日本に戻りプレーする初めての選手の成績を予測した。広島の黒田投手のことだ。私は日本のプロ野球は甘くない、黒田といえどもMLBと同じレベルの成績と予測した。

私の眼力も大したもので、結果はその通りになった。米国で評価されずどこも雇ってくれなくなった選手は日本でも活躍できないのは結果が出ていた。予想した通り黒田は初のケースで プレッシャーがかかったはずだが 安定した結果を出した。しかし、MLBの実績と同じ結果だった。低い評価をした松坂は怪我で何とも言えないが、来年は怪我が治ってどれだけやれるか疑問だ。

一方、野手の方は明らかに日米リーグの間に実力差がある様に感じる。イチローや松井のような成功例もある。だが、多くのチャレンジャーは活躍できず日本に戻った。だが、日本で水を得た魚のように貴重な戦力になっている例が今年もあった。

しがみついてボロボロになるまでMLBで頑張るのも本人の判断であり決して悪いことではない。だが、水が合わない場合もある。サッカー等他のスポーツでも同様の例が見られる。早めに見限って日本で再挑戦する方が実力を発揮できる選手がいてもいいと思う。上手くいかなくてもチャレンジしたという勲章を外す必要はない、堂々とつけて頑張って欲しい。

その他のスポーツでも世界に飛び出して行って大活躍した選手が沢山いた。若い選手が世界で大活躍する姿を見ると、私みたいな老人でも勇気づけられる。ジャンルは違ってもスポーツから科学の世界までチャレンジする若者を高く評価したい。経済学からジャーナリズムまで世界で活躍する日本の若者を死ぬまでに見てみたいものだ。■
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2015年天邪鬼占い(総括)

2015-12-28 09:57:30 | 国際・政治
今年の年賀状には趣向を変えて「天邪鬼占い」と題して、下記のような私としては「皮肉たっぷりの予想」を紹介した。

1)オバマは経済が高成長なのに支持を下げる初の米国大統領になる。
2)プーチンは経済が滅茶滅茶でも支持を上げる初のロシア大統領になる。
3)欧州停滞の中ドイツ一国栄え、メルケルは最も支持が高い首相になる。
4)習近平は最も巧みに恐怖を利用して内政外交を仕切るリーダーになる。
5)安倍首相のドリルが強力な岩盤に歯が立たず第3の矢が折れる。

これら5つの「懸案事項」のうち3つが問題になると、世界経済は深刻な影響を受けることになると予想した。一つ予測が混乱させたことを謝りたい。メルケル首相以外の予測は当たるとマイナスの影響が出るが、彼女の場合だけプラスの影響が出るものだったのに一緒くたにした。

1年経って思い返すとそれ程ワサビの利いた皮肉ではなかった。その時は起こりそうもないことを皮肉たっぷりに予測した積りだった。だが、私の評価では5つ全て予想通りになった。イエレン議長の金利上昇決定で示された様に米国経済は他国に先駆け回復したが、オバマ大統領の支持率は支持不支持が拮抗している状況だ。しかし、他の4項目はドンピシャリだったと思う。

世界経済はIMF/WTO等が下方修正する事態になったが、上記リーダーの振る舞いが予想したほど深刻な影響をもたらしたとは言えないようだ。振り返ってみると世界はリーダーの行動をある程度予測していた気がする。彼等の影響力が無かった訳ではないと思う。自信満々にリーダーをおちょくったが、世界は建前は脇に置いてリスクとしてはこっそり織り込んでいたということか。

世界経済への実質的な影響という点では、米国連銀の金利上昇決定と中国経済停滞が重要な役割を果たした。多分、来年もそうだろう。しかし、地政学的な問題を含めてトータルで考えると、私が予測したリーダー達の意志決定は世界を動かした。■
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3日遅れのクリスマス

2015-12-27 23:44:04 | 日記
朝食後くつろいでいると娘から電話があり、長男夫婦の孫が風邪をひいてパーティに出られないけどどうしようかと言ってきた。今日は娘の誕生日、夫君も12月生まれで、クリスマスパーティも兼ねて毎年この時期に家族全員が料理を持ちよりポットラックパーティをすることにしている。

孫が二人とも今朝になって元気だが便が緩く、インフルエンザに罹った可能性が高いという。妊娠中の娘を考えて参加を躊躇っているようだ。折り返し長男の嫁さんに電話して、残念だけどそういう事情なら無理してパーティに出るのは止めた方が良い、お正月に孫の顔を見せてくれと伝えた。孫が元気に走り回る姿を見たかったがしょうがない。

娘のお腹は目立って膨らんでいた。私の娘らしく小憎らしい減らず口をたたき、元気そうで安心した。今年は大人6人だけでちょっと寂しかった。が、息子と後から家内も加わって主に夫君と私で、娘の美味しい料理をおともにシャンペン3本と小瓶のお酒を2本空けた。私には多過ぎる量で久しぶりに酔ってしまった。孫がいなくて寂しいなんてすっかり忘れた。ハッピーホリデーズ!■
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