今年を一言で総括すると米国の金利上昇と中国経済成長の減速に世界が振り回された1年だった。特に中国が為替介入した夏以降の市場は混乱し、以降暫く株式市場は乱高下を繰り返した。だが、減速したといえ成長が続いたのは米国経済が世界を牽引したからだ。
年頭予測
今年の初め「世界経済は米国次第の年」とし、焦点は世界のリスクマネーの流れを一変させる力を持った「FRBがいつ金利上昇を決定するか」であり、私は無難に年央以降になると予測した。だが、日欧の中央銀行は金融緩和がマネー拡大トレンドを続け株価は過熱すると読んだ。
一方、中国経済成長の減速は年頭時点で大方の見方7%より低く6%台になると予想した。だが新興国は98年のアジア危機より準備が出来ていると見た。寧ろEUの緊縮財政と失業率下で右傾化リスク、日本の成長路線の踏み込み不足による行詰まりの方が問題になると予測した。
現実
結論は冒頭に述べた様に今年の世界経済は米国の金利上昇と中国経済に振り回された。FRBは世界経済への影響を配慮し金利上昇を半年遅らせ年末にずれ込んだ。換言するとイエレン議長は市場との会話に成功し、非常に難しい判断を乗り切った。世界市場は金利上昇に備える十分な時間を貰って冷静に受け止めた。中国経済の減速も予想された事と受け止められた。
以上の2点に加え、原油価格の暴落が経済減速を更に悪化させたといえる。これら主要因の為世界経済成長はスローダウンし、来年公表される実績値は年頭予測3.5%から3.0%の成長に低下するものとみられる。特に中国依存度の高い新興国・資源国へのインパクトは大きく、下表のように先進国に輪をかけた経済減速になったと見る。
IMF14 大胆占 3Q IMF15 最終予測
世界経済 3.8 3.5 3.1 3.1 3.0
米国 3.1 3.3 3.3 2.6 2.5
欧州 1.3 0.6 0.5 1.5 1.2
中国 7.1 6.9 6.8 6.8 6.7
新興国 5.0 4.7 4.3 4.0 3.5
日本 0.8 1.0 0.6 0.6 0.6
(注)IMF14は2014/10、IMF15Oは10月7日時点のデータ
個人的なこと
リーマンショック以降、私はなけなしの退職金を何とか殖やそうと主に新興国に投資して運よく残高を増やした。だが、上記の様に今年の経済減速は新興国により厳しい結果をもたらし、当然のことながら私の金融資産も打撃を受けた。困ったことに来年はもっと難しい年になりそうだ。■
年頭予測
今年の初め「世界経済は米国次第の年」とし、焦点は世界のリスクマネーの流れを一変させる力を持った「FRBがいつ金利上昇を決定するか」であり、私は無難に年央以降になると予測した。だが、日欧の中央銀行は金融緩和がマネー拡大トレンドを続け株価は過熱すると読んだ。
一方、中国経済成長の減速は年頭時点で大方の見方7%より低く6%台になると予想した。だが新興国は98年のアジア危機より準備が出来ていると見た。寧ろEUの緊縮財政と失業率下で右傾化リスク、日本の成長路線の踏み込み不足による行詰まりの方が問題になると予測した。
現実
結論は冒頭に述べた様に今年の世界経済は米国の金利上昇と中国経済に振り回された。FRBは世界経済への影響を配慮し金利上昇を半年遅らせ年末にずれ込んだ。換言するとイエレン議長は市場との会話に成功し、非常に難しい判断を乗り切った。世界市場は金利上昇に備える十分な時間を貰って冷静に受け止めた。中国経済の減速も予想された事と受け止められた。
以上の2点に加え、原油価格の暴落が経済減速を更に悪化させたといえる。これら主要因の為世界経済成長はスローダウンし、来年公表される実績値は年頭予測3.5%から3.0%の成長に低下するものとみられる。特に中国依存度の高い新興国・資源国へのインパクトは大きく、下表のように先進国に輪をかけた経済減速になったと見る。
IMF14 大胆占 3Q IMF15 最終予測
世界経済 3.8 3.5 3.1 3.1 3.0
米国 3.1 3.3 3.3 2.6 2.5
欧州 1.3 0.6 0.5 1.5 1.2
中国 7.1 6.9 6.8 6.8 6.7
新興国 5.0 4.7 4.3 4.0 3.5
日本 0.8 1.0 0.6 0.6 0.6
(注)IMF14は2014/10、IMF15Oは10月7日時点のデータ
個人的なこと
リーマンショック以降、私はなけなしの退職金を何とか殖やそうと主に新興国に投資して運よく残高を増やした。だが、上記の様に今年の経済減速は新興国により厳しい結果をもたらし、当然のことながら私の金融資産も打撃を受けた。困ったことに来年はもっと難しい年になりそうだ。■