日曜日になると家内はドライブに行こうという。元々外に出かけるのが好きなだけでなく、近年あまり車に乗らなくなったので、たまに動かすとバッテリーが上がってしまう経験をしたからだ。前日は箱根とか富士山周辺が候補だったが、当日になると何も準備してない状況に気づいて妥協する気分になってくれた。もっと近場の奥多摩に行こうという提案がすんなり通った。<o:p></o:p>
というのは数日前に見た旅のテレビ番組で、奥多摩の渓谷沿いに洒落た作りのレストランがあり、地元の食材を使ったヘルシー志向の料理を食べさせてくれるのを見たからだ。ネットで調べるとお店はアースガーデンといい鳩ノ巣の一駅先の白丸にあった。奥多摩駅に近い。ハイキングなら早朝に出かけるが、食事だけなら10時に出かければお昼には到着する。10時に出かけようと家族に言って少し散歩することにした。<o:p></o:p>
9時過ぎにいつものように自宅近くの遊歩道を通り競馬場の周りを散歩すると、道の片側につくられた広いスペースは自転車や自動車で一杯になっていた。先週のオークスも多かったが日本ダービーとなれなもっと多い。いつもより目立つ警備の一人に出足はどうかと聞くと、やはり去年に比べ多いと返事が返ってきた。これもアベノミクスの効果だろうか。<o:p></o:p>
散歩から戻り家内と息子を車に乗せ予定通り自宅を出た。何故か運転は総て私ということになっている。甲州街道から立川を経由して奥多摩街道を走った。若い頃毎週のように奥多摩の山を歩き、その後中年ライダーとなって何度も奥多摩街道から峠を越えて山梨をドライブした経験から土地勘があると思っていた。だが、走ってみると随分様子が変わっていた。昔とは風景が違った。<o:p></o:p>
息子がGPS付きタブレットで現在地をチェックしながらルート確認してくれたので何とかなったが、青梅を抜けるまではルートが複雑で細い路地に迷い込んだりして大変だった。それでも青梅を抜けると一気に山が迫り多摩川の渓谷沿いの道は奥多摩に来たと実感させてくれた。窓から感じる風が心地よかった。交通量は意外に少なく気持ちよく走れ、1時間半程度で目指すJR青梅線の白丸駅の近くに着いた。<o:p></o:p>
すぐ近くのレストランの駐車場は一杯だったが何とかスペースを見つけ、橋を渡り渓谷の対岸にあるレストランに入るとお客で一杯だった。入り口の予約リストを見ると我々の前に4パーティの待ち行列があった。待ってる間に2組の予約団体客が入り待ち時間が長くなると覚悟したが、意外に早く席に案内された。お店はこういう混雑に慣れている感じで手際よく処理していた。<o:p></o:p>
食事が出てくるのも早かった。私は手打ち麦切り(大麦をソバ風の麺にしたもの)、家内が玄米サラダピザ(玄米シートの生地にごぼう等地元野菜をトッピング)、息子はコロッケプレート(ワサビを練りこんだ定食)を頂いた。多摩名産のワサビをもっと押し出した料理を期待したが意外に普通の味だった。合わせて3500円の料理と考えると少し物足りなかった。<o:p></o:p>
だが、美しい数馬渓谷沿いの緑に囲まれた絶好の環境で、地元の野菜を使ったルシーな料理を、テレビ等で紹介され有名なレストランで食べたという経験もこのお店の価格のうちと思った。店内は広く個室もありテラスのテーブルで頂く食事は心地よさそうで、接客態度も良く、感じのいい店のつくりだった。オーナーが芸能人(石田えり)の妹だというのも話題作りとしては人気なのかも。<o:p></o:p>
独立して別居している長男や娘を残念がらせようと写真付きでメールを送ったが、息子は上海出張で娘は長野だと返事が来て我々だけが楽しんでいる訳じゃないと分かり少しほっとした。混雑が予想される日原鍾乳洞に行きたいという家内を押し切って、食後すぐに自宅に帰った。終末夕方の上りの甲州街道は半端なく混雑むからだ。<o:p></o:p>
何度か帰り道を間違えそのたびに息子に舌打ちされた。それでも往路の半分の時間で自宅に戻った。テレビを見るとまだ日本ダービーは出走前で、パドックの映像が流れていた。昨日は11万人余の大観衆だったそうで、キズナが差し切って武豊が5度目のチャンピオン・ジョッキーになった時は自宅まで届きそうな大声援だった。勿論、聞こえて来たのはテレビからだったが。■