かぶれの世界(新)

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旧交を温める

2005-06-30 18:42:12 | 日記・エッセイ・コラム
2年前まで勤めていた会社の悪友が誘ってくれ久しぶりに飯を食った。IT関係だが夫々職場は異なる。未だに忘れずに呼んでくれるのは嬉しい。2年前は私だけ早めに退職するので送別会をしてくれた。今回は別の会社に移り新たな道を歩き出したもの、その準備をしているもの、そのつもりだが引き止められ暫らくの間は今のまま勤めるもの等かなり事情が変っていた。我々は全員団塊の世代であり、当然の事ながらいよいよ定年退職モードに入りつつあるということを実感した。

会社業績とかトップ人事とか相も変わらずサラリーマンらしい話題が多かった。たった2年間で懇意にしていた人達の消息を聞いたがかなり異動されたようだ。個人投資のまねをしているので業界の状況認識に差はなかった。女子バレーボールの美人選手の話で思わず場が盛り上がった。やっぱりオヤジの話題だ。昔みたいに居酒屋じゃなくて量が少なくても美味しい酒や料理を食べようと近場の気に入っているレストランを紹介したがみな気に入ってくれたようでほっとした。嘗て銀座のマキシムで大声で品のない話をして盛り上がり周りの顰蹙を買った頃に比べれば全員大人しくなったが、どうせ気にしなければならないような店ではない。明らかに食べる量が減っているが、少なくとも見かけは皆健康そうで元気だった。

みんなの話を聞いて、私はもう時間が拘束される宮仕えはしたくないと自由に時間の使えるやり方を選んだのが再就職の機会が殆どなくなった理由かもしれないと気がついた。しかし、退職した時の目的「健康を取り戻し、母親の最後(ずっと先だと思うが)を見届ける、残された時間を自分がやりたい事のために使う」を変えるつもりはない。退職後の歩む道は夫々かなり違ったものになりそうだ。時々あって飯を食い馬鹿なことを言い合おうということになった。でもゴルフはやりたくない、バトミントンともいえないし、どうして皆ゴルフが好きなんだろうか。■


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中国価格(続)

2005-06-26 23:39:25 | 国際・政治
ブッシュ政権は中国石油会社CNOOCのUnocal買収についてどう判断を下すかかなり悩んでいるようである。いつもなら高官から何らかの意見や方向性が発せられるのだが、今のところ全くの音なしのようだ。緘口令がしかれている可能性がある。かなり深刻に悩んでいるのは間違いない。正副大統領や国務長官などホワイトハウス内には石油事業に関わってきたスタッフが多数おり、買収の意味するところはしっかり把握しているはずである。

中国の国策会社との競争では公正でない、国家安全にかかわるという意見から不公平な為替レートによる貿易赤字、失業に対する不安まで国内の反対派が挙げる理由は多いが、一方で北朝鮮との核不拡散交渉での中国への期待や、中国が大量の国債を買い財政赤字を支えている。今をどう考えるかというより今後10年ないし20年の米中関係の方向性をどうするかという視点で決定がなされるはずだが、あわてて決定をせず時間を稼ぐ可能性も十分ある。結果は日中関係にも直接間接に影響するはずである。どういう決定がなされるにしても見逃すわけにはいかない。■


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コンフェデ杯の教訓

2005-06-26 11:27:21 | スポーツ
日本はブラジル戦に引き分け残念ながら予選リーグを勝ち抜けなかった。しかし世界ナンバー1のブラジルに善戦したことでジーコや選手、マスコミまで結果を前向きに捉えているのは結構なことである。しかしこの大会で多くの課題が改めて突きつけられ、それを克服しなければ来年のW杯で予選突破はないだろう。

一番気になるのは精神的なひ弱さである。メキシコ戦では先行したのに弱気になって引き気味になりプレッシャーを受けて横パスとバックパスが多くなりゲームを支配されてしまった。結局試合中に立て直すことが出来ず負けてしまった。第2戦では切り替えて攻める気持ちを取り戻したのは実は大きな進歩である。しかし、短期決戦では1試合も取りこぼせない。劣勢になったときにでも何とか持ちこたえるようにしなければ、圧倒的な力を持たない日本が勝ち抜くのは難しい。特に守備陣の精神的強さを望みたい。そのためには結局のところまだ実現していないディフェンスの海外移籍が必要ではないかと強く思う。

次に個々のプレイヤーの強さと技術を更にレベルアップして欲しい。その中でも球際の強さとパス速度を指摘したい。競り合いになった時多分中田以外の選手は殆ど球際の強さが負けていた。又、全体に日本選手は比較的緩い球のパスが多く時々狙われてピンチになった。今朝方のブラジル・ドイツ戦と比較すると明らかにパスの質も速度も違った。多分日頃のJリーグ全体を改善しないとよくならないだろうと思う。オフシーズンで海外チームと親善試合したチームは実感しているはずだ。

システムについては好んで議論されるが、そもそもシステムは固定するより相手を見て選手の特徴を全体の強さに生かせるよう変幻自在に変える能力を持つべきと思う。固定したシステムは必ずその弱点を突かれる。戦術的にはセットプレイと同時にワンタッチ、多くともツータッチでパスを繋ぎ攻めるパターンをより磨いていって欲しい。オフサイドになったがブラジル戦立ち上がりの速攻は見事だった。このためには精度のよいダイレクトパス技術もさることながら判断のスピードアップが必須である。

最後は決定力である。未だにチャンスにシュートせず、打つと枠に飛ばないシュートが余りにも多すぎる。これだけ言われているのだから選手は十分認識して練習もしているはずなのだが。大黒のシュートが枠に行く確率はかなり高いと思うが、その理由は何だろう。フォワードだけでなく全選手が、枠が見えたら先ずシュートするという意識改革が必要だろう。海外からの助っ人はこの意識がかなり高いと思うが本当はどうだろうか。何故日本選手と違うのか。この意識は実は才能で、Jリーグでプレイする時にはもう確立されているのかもしれない。若い時に何を教えられ、何をしたかが重要なような気がする。

以上全てが良くなったら一足飛びに世界チャンピオンを狙える。しかしブラジルやアルゼンチン、欧州のトップを除くとW杯に出場する国は実力が拮抗しており、上記のどれか一つでも秀でると予選リーグを勝ち抜けるチャンスが出てくると思う。頑張れ日本!■


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中国価格

2005-06-23 20:33:02 | 国際・政治
今まで格好良く自称中国ウォッチャーを続けてきたつもりだが、所詮は手元に来る限られた情報を私なりに解釈してほんの少し私見を書き加えてきたに過ぎない。しかも基本的には日本の立場から見た中国である。違う角度から見た中国はどう見えるだろうか。米国経済から見た中国について21日付のSlate Magazineの面白い記事を見つけた。昨年ビジネスウィークが「中国価格」と題して中国から輸入される激安商品が米国労働者の職を奪い、米国企業に破壊的な影響を与えているという特集を組んだ。丹念に調べよく出来た記事である。それをSlateがパクって新しい状況を追加解釈したもので米中関係が新しい段階に入ったことを示している。それを見て私が更にもう一回パクって解釈してみる。

ビジネスウィークは昨年12月の特集で、「中国価格」(The China Price)とは米国事業家・労働者・株主にとって最も恐ろしい言葉(the three scariest words in U.S. industry)であると報じた。中国では米国の常識さえも上回る巨大な生産設備を使って、米国企業にとって材料費さえ下回る価格で、あっという間に家具から繊維商品、ハイテック機器まで米国市場を席巻した。価格は半値なのに品質は米国製を上回るほど改善し、5‐10%の原価低減では全く競争にない。嘗て日本や欧州と経済摩擦が起こったときは4,5年かけて市場に浸透して行きやがて問題になった。80年代の日本に比べ今の中国のほうが市場開放度は高いと認めているが、今回は準備するまもなく気がつくと既に抜き差しできない事態になっている。多くの場合工場を閉めるしか選択が残されてない状況を全産業にわたって説明している。

しかし、別の角度から見ると中国から米国への輸出の70%は欧米や日本・台湾などの多国籍企業が中国で生産し欧米の市場に供給するサプライチェーン構造から作り出されたもので中国の不公正な貿易慣行から生まれたものではない。このフードチェーンは米国が中心となり作り込みそれによって物価が下がり企業の競争力を高めた構造的なもので最早抜け出すことは出来ない。中国の輸入のおかげでインフレを押さえ消費ブームが続いているのである。米国で最も影響を受けているのは製造業の37%を占める中小企業である。プリント基板から金型開発まで嘗て付加価値があると思われたセクターまで中国製に切り替わり、更に付加価値の高い分野に広がっている。中国の挑戦の真の意味は史上初めて貧しい巨大な国家が最先端技術の世界で低賃金と高品質を同時に実現したことである。真の影響はGDPの6%に及ぶ貿易赤字と最終的にグローバル金融システムへのインパクトである。

21日のSlate Magazineはこの記事を引用しながら今や「新しい中国価格」が出現した、しかしこれは事業家や株主にとって悪い話じゃないと報じている。嘗ては米国を代表した企業が競争力を失い倒産か買収されるかの選択を迫られている時、中国が大金を持って現れ相場より高く買い始めた。具体的にはIBMPC事業とLenovo(パソコン), Maytagとハイアール(家電)、UnocalとCNOOC(石油)などの例を挙げている。どうせ買収される側は死んだも同然の会社である、と。相場より高い買収金額を「新中国価格」と呼び、議会の懸念に対して歓迎すべきだと説いている。

この特別価格は欧米や日本企業にとっては経済的な損得計算で取引が成り立たないが、中国企業にとってはブランドの確立と欧米でビジネスをやるためのノウハウを持った経営スタッフが確保できるという意味がある。そのために必要な時間を節約できる価値がある戦略的な買い物である。買収の対象になっている米国企業は既に退場間際にあるものであり、買われる側のメリットも大きい。しかし筆者は80年代に日本がアメリカを買いまくった時の反発を引用して、いづれ反発があるかもしれないと見ている。既に一部共和党議員がブッシュ政権にUnocal買収の調査を求めたと報じている。

「中国価格」という見方(言い方)は嘗ての日本に対すると同じで米国式とは異質のものを見る目である。貿易赤字が更に増えると「中国価格」の政治問題化は避けられない。為替レートのような経済的な議論だけでなく文化の侵略と見なせば不必要な摩擦が生じる。中国企業のグローバル化が進むにつれ米国への投資は益々増えて行くのは自然な動きであるが、中国企業は嘗ての日本より柔軟な対応をしていくと思われる。気がついたら米中は日本を含む多国籍企業を経由して一体化された経済システムの中にあり両国ともに他に選択がないのである。■


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原油高騰の行方

2005-06-21 23:07:07 | 社会・経済
週末のNHK特別番組で、このところの原油高騰を取り上げOPECの影響力の低下をその背景として説明していた。一旦落ち着いたように見られた原油が再度騰勢を強めNYMEX Light Sweet Crudeが17日に$59.37をつけた。60ドルになるのも時間の問題である。番組では世界の原油総産出量に占めるOPECの比率が50%を切ったと報じていた。OPECが臨時総会で増産決議したが市場は反応せず高値が続いている。OPEC諸国は既に能力を目一杯使って生産を続けておりこれ以上の増産など出来るはずがないと市場は判断したのである。

それには理由がある。90年代の供給過剰による大幅値下がトラウマになって、産油国や石油資本はこの10年間油田探査や開発をしなかった。残っている油田は投資効果が低いと見られているのも原因のようだ。長谷川慶太郎氏によると鉱山業界など他の資源産業も新規投資に対し同じ消極的な姿勢をとっているという。例外は旧ソ連諸国で結果としてロシアは最大の石油輸出国になったと言われている。実はそれ以上に米国での製油所の建設が長らく滞った結果大幅に石油精製能力が不足し、日本の製油所から輸入する構造的な問題が投機的な動きを助長しているのである。

こう考えると現在の高価格原油は長期化し、1バレル100ドルの時代が来るのもそう先ではないかと思われる。グローバル経済の成長にはかなり影響がでるだろう。しかし私は余り悲観してはいない。原油価格高騰は決して日本には逆風ではないと思う。日本は恐らく世界で有数のGDPあたりの石油依存度が少ない国であると思われる。昨年見た報告書によれば記憶は定かでないが同じGDPをあげるのに米国の1/2、中国の1/6の石油しか使わない。今後更に技術力を高め産業構造の転換を図り石油依存度を下げ、車だけでなくその他の領域でも化石燃料依存度の少ない商品を作れば、嘗てのように原油高が日本の競争力の後押しをしてくれるであろう。

脱化石燃料のための技術開発は加速がかかり世界的な競争が行われ、10年後世界の石油依存度は劇的に変わるであろう。1バレル100ドルにもなれば環境汚染を撒き散らしていた中国やインドの経済成長にブレーキがかかり、結果的に環境汚染の抑制に時間を与えてくれそうである。私は人民元の切り上げでドルの値打ちが下る年末以降に変化が来る可能性が高いと思うがどうだろう。■


コメント (3)
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