かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

地方復活はまだら模様

2005-12-29 11:25:28 | 社会・経済

先日松山市に行き古本屋を回ってみて驚いた。かつてあった従来型の古本屋が全て姿を消していた。本の中身の評価より一定期間に捌けるか否か、即ち棚卸の回転がどうかキャッシュフローを基本に経営しているBook Off型の古本屋に取って代わられたようだ。

大街道から湊町に続く銀天街を昨年歩いたときシャッターの下りた店が何軒か見かけられ、ここも郊外大型店にやられ空洞化が起こっていると寂しい気持ちになった。しかし、今年は古本屋等の跡地に新たらしいお店ができ全ての軒の明かりが点き、平日の昼間だけどショッピングしている人の数も心なしか多かった。

数字の面では倒産件数減少、雇用環境改善から地場企業の業績改善まで四国の経済が緩やかに回復していることが報じられているが、松山の町を歩いてみると景気回復を肌で実感した。三越や高島屋などのデパートは買い物客で一杯だった。

しかし、実家のある大洲市に戻ると状況はそれほど楽観できない。旧市街は完全に疲弊し回復不可能なところまで来たように見える。市役所など公共施設が分散し、折角再建した大洲城の周りがゴーストタウン化してしまった。松山等の地方中核都市や上場企業のある町と、大洲市の様ないわば農村都市との間には景気回復の濃淡の差はかなりあるようだ。

これらの地域の嘗ての繁栄はもともと公共事業で下駄を履いた架空のものだった。公共事業が益々尻すぼみになり地方の自立を求められると、今後この地域間格差は更に広がる恐れがある。隣の内子町は白壁の町や田舎歌舞伎など独自の文化を育てユニークな町作りをしてきた。知恵を働かせば大洲にも生き残るチャンスはあるはずである。

それでは大洲市にどの程度立ち直る活力が残っているだろうか。昨年「大洲市将来構想」批判の中で言及した財務情報が最近配布された広報にあるのを見かけた。残念なのは今年度上半期の実績のみで、過去の推移が分からないので改善しているのかどうか分からないが、悲惨ということだけは分かる。

簡単に紹介すると、上半期に年間予算259億円に対して約半額の歳入があり、そのうち95億使った。多分下期偏重の執行なのでそう計画とずれてはいないのだろう。歳入のうち大洲市自身の集めた税金はたったの22%しかなく、その6割が固定資産税である。逆算すると市民の日頃の活動から生じる税収入は歳入の7-8%なのである。他は国からの交付金と借金である。

大洲市の借金は市債が415億、年間予算の2倍弱、所帯あたり200万円ある。政府ほど酷くないと思うかもしれないが、大洲市の実力である税金収入を考えると事態は真に厳しい。このままでは借金の金利返済に追われ福祉などの支出を削り、それでも足りなくなり破産の道を歩む恐れがないとはいえない。勿論、民間企業ならとっくに破産している。

お金を使わなくとも昔のように身の丈にあった生活に戻らなければならない。その中で市民が知恵を絞り誇りうる大洲市独自の文化を育てて、魅力的な町にすることができるはずだ。資産を眠らせたお年よりは大洲市にも沢山いる。お年寄が年金を貰ってパチンコにつぎ込むより、ボランティアで一体となって大洲市の再建に取り組むような活動を作れないものか。■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブログの権力:耐震偽装問題

2005-12-27 09:42:08 | ブログ

耐震偽装問題の初期の立役者の一人ヒューザーの小島社長が突然テレビに出なくなった。何か理由があるはずだと思っていたら、立花隆氏のインターネット記事(日経BP)がその理由らしきものを説明しているのを見つけた。

「きっこの日記」というブログが耐震偽装問題について次から次へと内部情報を暴露しているらしい。テレビで自分に都合の良い発言をすると直ぐに事実と反すると暴露記事が公表され立場を悪くするばかりと認識したかららしい。

立花氏によるとブログの主は姉歯氏に近いインサイダーらしい。筆者の「とことんやってやろう」という強い意志を感じるという。何とヒューザーのホームページも「きっこの日記」にリンクを張ったという。

米国大統領選時の誤報がキャスターの首を取ったブログの影響力を思い起こさせる。事態を変えたのは新聞でもテレビでもない、インターネットだった。国会での民主党議員の的をついた質問の種明かしはこのブログから材料を得て質問を考えたということらしい。

内部告発者は常に身分保障の危険を感じながらやむにやまれず立ち上がる。インターネットはその点匿名性が確保されており、同時に一瞬にして情報を公と共有する強力な伝達特性を備えている。ブログは今後一層内部告発の有力な手段になりそうである。

その人しか知りえない情報を発信するのは、ある種の報道かもしれない。勿論、今後影響力を逆用する悪い例も出てくる恐れも十分考えられる。

米国で大統領戦後パーソナル・ジャーナリズムとしてのブログのあり方について、確かサンフランシスコで議論が交わされ、報道と同じ規律を求められたと聞いている。これは多くのプロのジャーナリストが質の高いブログを運営しているからである。

中国政府はこの危険性を十分察知して、自国内インターネットを管理する検閲システムをマイクロソフトの手を借りて構築したというのもうなずける。

日本の場合、ブログの活用がやや矮小化されている気がする。個人報道であれば報道人としての規律を守る必要がある。しかし、ブログのジャンルは報道の範囲にとどまらないのも事実、今回の暴露記事のような場合に同じルールは当てはまらないだろう。■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

再びJabet Seidel

2005-12-26 00:12:39 | 音楽

久しぶりにゆったりした気持ちで彼女の「ドリス・アンド・ミー」を聞いている。シンプルだけど洒落たピアノをバックに酔った僕の耳に彼女の透明な声がしみわたってくる。今丁度「10センツアデイ」をやってるところだ。

疑うなら、Amazonかもしくは検索マシーンで調べてさわりだけでも聞いてみるがいい。一瞬にして世界が変わる。何故日本で人気がないのだろう。美人じゃないから?そこそこだと思うが。アメリカで売れてないから?私の独りよがりか。日本版はどうかわからないけど輸入版があるとすれば24曲入っていてお買い得です。■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

田舎暮らし雑感05冬(2)

2005-12-25 17:56:11 | 日記・エッセイ・コラム

念仏講

先週の日曜日に念仏講があった。母が年番だったので1時間前の11時に早出して準備を手伝った。手伝いをすると受身で参加するよりいろんな事が分かる。昔とは生活が変わったので、どうやって若い人に参加してもらうか苦心しているようだ。

今年から何十年も昔やったようしっかり念仏をあげる本格的なものにしたそうで、前回までのナンマイダーの連呼とはまるで念仏の様子が違った。まるでお経そのものだった。12月と2月の年2回念仏講をやりその間に亡くなった葬式では念仏を挙げないのだそうだ。

参加者は約40人、昨年より若い人が多かった気がする。私に乾杯の音頭をとるよう指名されたので、その場を借りて自己紹介、母が退院した報告とお礼をした。私のメール・アドレスを教えるというと後から2人申し出があった。少し知名度が上がったかも。

本を読む気がしない

依然として本を読む気が全く湧かない。本当に読みたい本はどれかと思って探しても、気になるテーマは一杯あるのに手元のどの本も読みたいと思わない。東京に届いたタイムなどの雑誌もまとめて宅急便で送ってきたが同じ。体の中の何かが化学変化してケミストリーが変化したのか?

肱川嵐

今朝起きると窓越しに見える風景がガスでかき消されていた。大洲盆地は20km下流の海と標高差が殆どなく肱川が蛇行しており、天気がいいと朝気温が下がり大量の朝霧が発生する。霧は盆地全体を覆い下流に向かって凄い速度で下っていき、河口の長浜町では肱川嵐という強風が吹き、その日はフグがよく取れるという。

墓掃除

予想通り昼頃には素晴らしい日本晴れ、帰省して初めてのことだ。子供の頃の冬は毎日こんな日が続いた気がする。帰省以来の好天で気温が上がったので、食事が終わるとすぐ近くのお寺に出かけた。この季節ではもう落葉がなく雑草も伸びておらずいつもよりずっと楽だった。

ジョギング再開

マウンテンバイクはもうフルにやれるようになったが、ランは依然正常時の50%にも戻っていない。先々週から徐々に距離を伸ばし、今日は墓参りの後堤防沿いに約10km走ったが、どうもしっくりこない。痛めた内転筋が気になる。

古本屋

明日は松山の古本屋に行って掘り出し物を探すつもりである。古本屋にどういう本が並んでいるかで、その土地に住んでいる人達がどういう本を読んでいるかある程度分かる。特にBook Offが全国にチェーン店を展開し、本の価値でなく棚に並んでいる期間で値付けを変える、いわばキャッシュフロー重視の運営をする為、その土地の人達の読書傾向がよく出る。

私は多摩地区の古本屋を定期的に回って本を探している。息子は桜ヶ丘のレベルが高いというが、私は国分寺駅前でもいい本を沢山見つけた。近くにある大学と関係がありそうだ。もちろんどのジャンルの本を探すかによる。松山は文芸物がやや多いような気がするが、私の求める政治経済、自叙伝などのNF物はあっても値段が高く期待はしてない。万が一いい本を見つけると読書欲が刺激されるかも。

瀬戸内海

田舎の家から松山に行く時、時間があれば遠回りだけど長浜町経由の各駅停車にのる。天気のいい日の美しい瀬戸内海を横目で見ながら本を読むのは悪くない。10時少し前に大洲駅で汽車に乗ると、11時頃に松山に着く。特急だと30分しかかからない。今日のように天気がよければ九州が見えるかもしれない、楽しみだ。■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブッシュ・ド・ノエル

2005-12-24 23:44:49 | 食・レシピ

私のクリスマス・イブの午前中は年賀状作りに費やした。例によって来年の予測を整理して葉書にまとめプリンターに打ち出し郵便局に持ってくとお休みだった。気合入れて作って窓口の人にしっかり頼もうと持ったのに、何となく気が抜けた。

ついでにといって、母が日ごろのお付き合いの方にお歳暮の注文して来いとか、年末売り出しの目玉商品を買って来いとか頼まれ雑用で忙しかった。普通の夕食をして書斎に戻りメールやインターネット検索し、お決まりのウィスキー。クリスマス・イブなんて関係ない。

インターネットを見ていてふと気が付くと、クリスマスにはブッシュ・ド・ノエルらしい。何のことか最初は分からなかった。薪の形をしたケーキで、貧しい青年が薪の一束をクリスマスに恋人に贈ったことが名前の由来らしい。そんなロマンチックな気持ちなどとっくに無くした私は、コレステロールを気にしてきっと生クリームを避けて食べると思う。

どんなものか辻製菓専門学校のHPでレシピを調べた。滅茶苦茶手間隙がかかる。こういうものを作る人はいったいどういう人か、商売じゃなくて一生懸命作る人はいったい何を考えて作るんだろうと。またもや実利で考える。食べる人にはどうせ分からないかもと思う。

もうすっかりこういう世界とは縁がなくなった。と言うか、そういう感性を失ったかと思うと、少しばかり寂しい。しかし、年に一度くらいは感傷的になるのもいいだろう、特に今年は。ケーキのこと考えていたら、「年越しそばを買ってこい」という母の声が居間から聞こえて目が覚めた。■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする