かぶれの世界(新)

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懐かしき「アメリカの恋人」

2023-05-18 20:58:18 | 映画
昨日昼食後にパソコンを開くと、Pen Online Mail Magazineのメールが届いていた。折角届いたメールだが暇がない時はそのままゴミ箱行きか、写真だけ見て無視する。ところが、昨日は中頃に昔好きだった女の白黒写真があった。メグ・ライアンだった。

95年に米国シアトルに赴任し暫らくして、ボストン本社に挨拶に行った時のことだ。先輩に連れられて奥さんも参加して郊外で食事した。その時奥さんに映画「めぐり逢えたら」を見る様勧められた。これからシアトルに住むんだから、舞台がシアトルの大ヒット映画を絶対見るべきだと。

シアトルに戻ると「めぐり逢えたら」は結構何度もテレビで放映していた。そこでメグ・ライアンの可愛い演技を見て直ぐにファンになった。その頃の彼女は大人気で出る映画、出る映画(主にロマンチックコメディ)、次々と大ヒットし当時「アメリアの恋人」と言われたらしい。

だが、帰任後いつの間にか彼女の出演する映画が減った気がする。彼女の私生活の方が話題になるようになり、いつの間にか銀幕から消えて行った。ある時久し振りに彼女の凄い顔がニュースになった、整形手術に失敗したという写真を見てショックを受けた。

それ以来、メグ・ライアンのニュースも写真も見たくなかった。だが、冒頭のメールにあった写真はモノクロで多分初期の頃に撮影されたものだと思う。懐かしくなり記事を読んだ。「アメリカの恋人」でなくなったのは、私が帰任した翌年に世間を騒がした不倫騒動がきっかけだったらしい。

記事を読むと、それから後のメグの半生(まだ終わってないが)は悲惨だったようだ。「アメリカの恋人」と言われただけマスコミの叩き方は半端なかったという。それでも現在のSNSより酷くはないと思うが。最後に「メグ・ライアンを放っておいてやってほしい。老化は誰にだって起こる・・・」というファンの声には救われた。まるで私の事のように。■
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私が東京人になったと感じた時

2020-07-26 18:24:03 | 映画
田舎から東京の大企業に勤めて暫くたった頃、1970年頃だった、映画化されて世界的な評判になったウッドストック・フェスティバルの映画を友達と連れ立って日比谷のみゆき座に行った。四国から東京に出てきたばかりの田舎者が、有名な映画館でウッドストックを見たのだ。

何故こんな話題を突然切り出したかというと、昨夜NHKのバラエティ番組「たけしのその時カメラは回っていた」で紹介したウッドストックをたまたま見たからだ。ウッドストックは音楽というより自由に振る舞うロックファンの姿を鮮明に思い出した。私には特別な映画だった。

私は当時ベトナム戦争の反対運動を掲げたフォークシンガーのジョーン・バエズとかサイモンとガーファンクルやPPMのファンだった。だが映画で印象に残ったのは50万人(私はずっと100万人だと思っていた)の会場を震わせたエレキギターだった記憶がある。

数秒の録画だけで50年前に見た映画のシーンの記憶を思い出した。この頃はつい最近見た映画でも忘れてしまうというのに、音楽よりも大渋滞の中ファンが車を降りて会場に向かって歩いて行くシーンとか、雨で濡れた裸のカップルの姿とか、変な場面がいまだに忘れられない。

銀座で世界最先端のロックフェス「ウッドストック」を見た、田舎者が東京の有名な映画館でロック映画を見たという高揚感が暫く残っていた。会社勤めも板につかない新人が、田舎者から東京人になったという気持ちだったと思う。何を見ても昔を思い出す懐古趣味のジーサンになった。■
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ロング・トレイル

2020-02-14 10:47:24 | 映画
昨日午後から天候が回復して4月の暖かさなのに、自宅にこもりアマゾン提供の映画「ロング・トレイル」を見た。年末に50インチのテレビを買って以来、自宅でよく映画を見るようになった。家内と一緒に見るので評価が4つ星以上で暴力シーンのないラブコメディのような無難な物をよく見る。

「ロング・トレイル」の紹介を見て私の趣味バックパッキングを扱ったものなので、一人の時に見ようと思っていた。だが、昨日はネタ切れで家内が付き合って見てくれた。80前後の老人2人(RレッドフォードとNノルティ)が3200kmのアパラチア山脈縦走に挑戦するドタバタ映画だった。

映画が始まるまでロング・トレイルとはアパラチア山脈縦走路のことだと気付かなかった。まさかと思ってネット検索すると原題はA Walk In the Woodsで、20年近く前に私が読んだ小説と同じ題名だった。その頃は私もまだ若く出来たら一度は歩いてみたいと思ったもので、俄然集中して見始めた。

小説では中年男性が主人公だったが、映画は監督兼任のレッドフォードに合わせた年令設定でコミカルな内容に変わっていた。だが、初めて動画で見たアパラチア縦走路と緩やかな山並みは美しかった。規模は2ケタくらい違うが、高尾山から陣馬山を縦走する山道の様な感じがした。

西海岸には険しく高くそびえるロッキーの山々が繋がり、90年代に私は山裾に入り3日以内の週末バックパッキングを楽しむ経験をした。その時リュックの重さは応えた。なので映画の様な高齢者が重いリュックを背負って3000kmも歩くのはとても無理だと思った。チョット現実離れしていると。

米国には登山口にホテルがあるが、一旦山に入ると山小屋はなく自前のテントと食料が頼りだ。当然トイレが無いのでスコップで穴を掘って処理するシーンも出て来た。数日おきに里に下りて食料を仕入れ洗濯をしてまた山に戻り歩き続ける。後期高齢者二人歩きには大変な負荷だ。

私には主人公のドタバタより、アパラチアの山道の具合とか、その道を整備をする緑色の制服を着たボランティア(多分)とか、登山口のホテルなどサービスを提供するお店などの様子を興味深く見た。主人公の二人はさておき、映画の舞台になったこれ等の仕掛けは殆ど総て本物だろう。

本格的な登山でなくとも例えば高尾山とか丹沢など近場の山をハイキングするのが好きな人が、それを何か月もかけて歩き長い縦走路を踏破する、昔風に言うと男のロマン(実際には女性のバックパッカーも沢山いた)を感じさせる映画だった。面白かった。■
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メグライアンを探して

2019-03-31 20:57:03 | 映画
朝一7時半から映画「めぐり逢えたら」を見ると宣言した私に、家内は怪訝な顔をした。私は「昔のシアトルの懐かしい景色を見たい、当時メグライアンが大好きだった。あの頃の彼女は輝くように美しかった。君だってもう一度米国に行くならLAやシスコじゃなくシアトルだと言ったろう」と言い訳をした。

家内は「メグライアンが年を取って酷い顔になっているの知ってるの!」と言い返した。「エーッ、そうなの?」急いでネットで調べると確かに彼女の老け顔が可哀想な状態になっていた。家内が言うには多分整形を失敗したのではという。最近はやけにネット情報に詳しい。

私には予感があった。彼女の若い頃の輝くような美しい顔立ちを見て、このまま美しく年老いて行くのは難しいかも知れないと思ったことがある。普通の老け顔になっても落差が大きい。この十数年全く映画に出てこなくなったのは、多分そう言うことなのだろうと思っていた。

「めぐり逢えたら」は私が95年にシアトルに赴任した時に、以前からボストンに赴任していた先輩の奥さんに勧められた。原題はSleepless in Seattleでシアトルに住むんだったらこの映画を見るべき言われた。もう一つ勧められた本が後に映画になったベストセラー「マジソン郡の橋」だった。

「めぐり逢えたら」の舞台になった海辺の現実のBoat House(水上住宅)は、当時価格が1億円以上に急騰したと話題になった。映画を見て他に思い出したのは遠景のビル群とスペースニードル、パイクマーケットという魚市場くらいだった。その近くにスタバ1号店があったはずだ。

結局、家内の‘心無い言葉’でメグライアンはインターネットで簡単に探し当て、彼女の相貌の変化に驚き失望した。色々な逸話もあったようだが興味なかった。当然のことだが映画は昔見た通りで彼女は美しかった。コメディなのに同じ映画を見て涙を流し改めて私が老人になったと自覚した。それにしてもハリウッドで美しい女優さんが美しく老けることは容易ではないようだ。■
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「めぐり逢い」を見て涙するジーサン

2018-10-26 20:55:04 | 映画
いつものようにバドミントン練習に参加後、昼食を済ませ書斎に行きテレビを見ると、見覚えのあるカップルの映画をやっていた。私が子供の頃大ヒットした映画「めぐり逢い」だ。逆算すると60年くらい前に封切られ、私が初めて見たのは成人してテレビの再放送だったと思う。

典型的な美男美女が主演するラブロマンスだが、今見てもデボラ・カーの美しさは特別だった。昔から好きだった西部劇とか戦争物、最近のアクション映画とは違い、ストーリーはシンプルでゆっくり進んでいく。だが、この手のラブロマンス映画もバックに流れる音楽とマッチして好きだった。

この映画は戦前に作られた映画のリメイクで見たことがある(「邂逅」という)。これも悪くはなかった。だが何といってもこのリメーク版が人気があったと思う。余りの人気でその後もリメイク版が作られた。トム・ハンクスとメグ・ライアン主演の「めぐり逢えたら」とウォーレン・ビーティとアネット・ベニング主演の「めぐり逢い」で、実は米国滞在中に2つともビデオを買った。

久し振りにこの映画を見て特に最後のクライマックスの場面で、恥ずかしながら私は大泣きに泣いてメガネが曇ってしまった。以前は何回も繰り返し見たが泣いたりしなかった。近年ちょっとしたテレビドラマでも涙を流すことが多くなった。

娘は目ざとく見つけて憎たらしくも家族の前で私をからかう。更には、この場面できっと泣くよとかいって私が泣くのを予測したりする。だが、それでもどうしようもなく泣いてしまう。恥ずかしながら今日みたいに西日本豪雨で肱川氾濫したみたいに大泣きしたのは初めてだ。

原因は、よく言われるようにジーサンになって涙腺がゆるくなった為か、それとも感受性が豊かになったのか、或いは体のあちこちが劣化したように単純に馬鹿になったのか。それにしても、ダムが欠壊したような大泣きは我ながら驚き恥ずかしかった。■
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