かぶれの世界(新)

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コロナ下の北海道旅行(1)

2020-11-30 18:40:36 | 旅行
帰京後落ち着く暇もなく3日間の北海道旅行に行って来た。旅行会社(JTB)が主催する北海道東部を巡る「グルメツアー」だ。コロナ感染が急増する札幌ではなく釧路周辺の観光地が行先だったので、若干の不安はあったが家族が計画してくれた機会に乗ることにした。

初日(金)は5時前に起きて8時過ぎの釧路行き飛行機に乗り、3日目の夜10時前に羽田着、自宅に戻ったのが11時過ぎという、年寄りには過酷なスケジュールだった。だが、北海道特有の雄大で美しい自然を実体験し、美味しい海産物の食事を頂き十分楽しめた。

実は55年前に同級生と二人で夏休みに当時流行のカニ族スタイルで北海道一周をやった。だが正直言うと一番記憶に残っているのは列車で同席した旭川美人。その20-30年後後訪問した札幌小樽や函館の記憶は残っているが、それ以外の観光地の記憶は余り残っていない。

今回、阿寒湖や摩周湖といった「点」を取り巻く雄大な風景が印象に残った。また、初めて行く東部海岸の自然が作った野付半島や風蓮湖(ふうれんこ)は、日本各地にみられるリアス式海岸とは全く異なる繊細さを感じた。都市部から離れた不便さが美しい自然を残したかもと思った。

食事はホテルの何でもありのバイキング形式も悪くはないが、標津(しべつ)の「鮭三代漬丼」や厚岸(あつけし)のカキ・サンマ・ウニなどの炙り焼きを家族は気に入った。私は食べ物にはこだわらないが、丸々と太り脂の乗ったサンマは経験のない旨さを感じた。

釧路は人口17万人の大きな町で、明治以降に海底炭田とパルプ生産で成長したという。私が駅前から繁華街(夜の街)まで市の北部を歩いた限りでは、人通りが少なくややさびれた印象を受けた。メインの二つの産業は温暖化対応やディジタル化で一層厳しい事業環境になる。

飛行機は往復ともほぼ満席だった。我々のような団体旅行の乗客が多かったと想像する。GoToトラベルのキャンペーンのお蔭で我々は安価な旅行を楽しめたが、来月から札幌が対象から除外されると釧路周辺への観光も影響を受ける可能性があると推測する。

今回もパック旅行の良さを十分経験した。プロが選び計画したホテル、食事、景勝地を安価に楽しめた。特に土地の隅々まで知り尽くしたガイドの役割は大きく、ただ単に美味しいものを頂き美しい景色を見た以上に深い知識を得たと思う。個人的には可能なら阿寒岳近辺の山歩きをしたい。

旅行会社の添乗員に聞くと最近はガイドが不足しており、優秀なガイドを選ぶなんて贅沢なことは出来ないという。一方で、コロナで仕事がなくなり困ったと今回のガイド嬢(お婆さん)は言ってたが、トレンドは優秀なガイド不足は続くということだと感じた。■
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コロナ震源地に近づく

2020-11-25 20:58:24 | 日記・エッセイ・コラム
昨日の午後東京に戻った。松山空港行きのリムジンに乗った時は、数人の乗客だった。だが、空港で搭乗手続きして出発ロビーに入ると人が増え、機内はほぼ満員だった。7月に松山東京間を往復した時は往路は10人前後、復路は20人余りだったのとは大違い。

機内の乗客は笑顔が多く子連れや老人も結構いた。羽田空港内は一時の7-8割程度の人出だったと思う。品川新宿経由を避けて京急を乗り継ぎ川崎から南武線で自宅のある府中に戻った。意外だったのは、空港から離れて行くにつれ乗客が増えたことだ。

川崎を過ぎ台風の被害で浸水したタワマンがある武蔵小杉辺りで乗客が増え、武蔵溝口や登戸当たりで満員になった。分倍河原駅で降りると乗り換え客と併せてホーム一杯に乗客が溢れていた。密だ。これがコロナ感染が急増している東京郊外の駅かと驚いた。

通勤客の帰宅時間と重なっていたせいもあるが、それだけではない。家内によると休日の高尾山のハイキング客が500%、駅横の風呂のお客が1.8倍にも増えているのだそうだ。皮肉っぽく言うと高尾山の頂上は密になっているそうだ。

コロナ感染の第3の波の今、人々は都心から郊外に向かっているという感じだ。これも家内からの情報によれば、先週までの市内の感染者は300人を超えたという。すれ違う人は必ずマスクをしている。だが、お店でマスクを忘れた私が謝ると笑って対応してくれた。

実は、午前中に市が主催したフレイル予防講習会に参加した時も私だけマスクを忘れた。市の職員らしき若い女性がマスクを調達してくれた。コロナ感染の震源地の人達は意外に優しかった。明後日はもう一つの感染エピセンターである北海道に行く。札幌は含まないので大丈夫と家族は言う。■
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三島由紀夫没後50年の生々しい記憶

2020-11-23 21:26:33 | 日記・エッセイ・コラム
明日GoTo除外対象になりそうな東京に戻る。だが、私の頭の中にはコロナ感染より50年前の事件の不吉なイメージが付きまとって離れない。最近寝つきが悪い。

三島由紀夫が市ヶ谷の自衛隊駐屯地で自決したニュースが流れた時、社会人になったばかりの私に飛び込んできた全く違う世界からのニュースだった。長い人生の中で一瞬の衝撃の光が走ったが、日々の多忙なサラリーマン生活の中で余りに異なる別世界の出来事として忘れ去った。

実は未だに記憶しているのは事件そのものや彼の主張ではなく、新聞か週刊誌に報じられた割腹後介錯され死体の横に転がった彼の首だ。後にも先にも生首が転がったシーンを見たのはこの時だけで、二十歳過ぎの若造には余りにも生々し過ぎた。まるで江戸時代の侍の世界の出来事と感じた。

だが、事件は直ぐに忘れ去られた。事件以前の三島由紀夫の印象は、日本を代表する純文学の旗手で、ボディビルで鍛えた筋肉だらけの上半身の印象だった。振り返ると世界大戦が終わって25年の戦争の傷跡が残っている時代で、全学連の赤軍派とは真逆の極右の行為に共感は得られなかった。

最近フランスパリで生首事件が起こった。表現の自由の具体的な例として、偶像を禁じるイスラム教の教義に反する漫画教育をした先生が殺された。現代でもイスラム教徒の過激派は教義に反したとみなせば首をはねることがある。決して遠い昔の事ではないと思って。■
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米大統領選が露わにした深い溝

2020-11-21 21:23:58 | ニュース
3日に実施された米国大統領選はマスコミの当確は出たものの、いまだに次期大統領が正式に決まらない事態になっている。その間に、世論調査とそれに基づく予測が大きく外れた原因の分析、トランプ大統領より共和党議員の方が得票数が多い、民主党内左派と中道の対立、など私には想定外の展開が続く。

米国大統領選は簡単には説明できない複雑な状況にある。日本人専門家の色々な解説を聞き、米主要メディアの多様な視点からの評価、方向性がなく混乱が続いていると感じる。従来なら終わった勝負なのにトランプ氏のあり得ない法廷闘争というか、言いがかりで選挙結果が確定せず困惑している。

トランプ氏は常識では通用しないロジックで米国を混乱させている。だが米国の制度ではこの非常識な言いがかりでも止めさせられないようだ。トランプ氏は決して裏で妨害しているわけではない。従来はマスコミの当確報道で自主的に負けましたと言って選挙結果が決まっていたのを悪用しているように見える。

トランプ陣営の一部はこのトランプ流戦法を止めさせようとしているが、一方で7100万人の国民が支持したのは驚きだ。7100万人という数字は凄い威力を持っている。この数字を前にして殆どの共和党議員は2年後の中間選挙を狙いトランプ氏のやり方に黙って見逃している。共和党はトランプ党に変質したと言われている。つまり、恐ろしいことに一連の混乱は国民の半分の支持によって実行されている。

方や勝利したバイデン候補は史上最多の7500万票を得た。前回も民主党はヒラリー候補で絶対多数の得票を得て選挙に敗れた。落ち着いたところでこの米国独特の選挙制度を見直す時期に来たと思う。米国の歴史的な制度を簡単に変えられないが、選挙の後でこんなに無駄なエネルギーを使うなんて馬鹿々々しい。

今回の「国民の変質」をファイナンシャルタイムズ(FT)コラムニストのラナ・フォルーハーは記事「米に巣くう社会階層の溝」(日本経済新聞11/20)で的確に指摘している。私は以前「南北戦争」と揶揄したが、彼女は人種や階層ではなく、両海岸か中西部かでもなく、「経済発展地域かどうかが鍵」と下記のように指摘している。

雇用増の2/3を生み出した25の都市(スーパースター・シティ)に冨や人材が集中しバイデンを支持した。一方、農村地帯を含め低成長した地域に7700万人が暮らし雇用は横ばいか減少基調にある。この取り残された人々は怒りデマゴーグに煽られた。州ではなくこの地域でトランプ氏は票を増やして勝った。

この分析が今回の米国大統領選結果を正しく説明していると思う。残念ながら米国建国の理念である自由と民主主義でも平等(反人種差別)の戦いでもなかった。自由と民主主義を求めて世界各国の強権国から移民してきた人達も、一旦米国市民になり生活するようになるとトランプ支持者になる現実が待っていた。

それでもトータルではバイデン元副大統領が過去最高の票数を得た。トランプ氏の悪あがきがあっても最後に米国大統領になるのはバイデン氏だろう。米国の強い復元力の歴史は、今回も繰り返されると予測する。ラナ氏はバイデン氏にとって大事なのは「何が正しいかより、何が賢明か」だと指摘したのは正しい。■
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人通りが戻って来た

2020-11-20 22:28:46 | 日記・エッセイ・コラム
介護施設の母親と空き家になった実家を見守る為に定期的に帰郷する義弟と、内子町の馴染みの喫茶店に行った。久し振りにマスターや女店員と世間話をして気分転換になった。最近ローカルテレビのインタビューを受け80過ぎて運転免許を取る答えるマスターをからかったりして話は尽きなかった。

窓越しに路地を通る人の数が明らかに増えた。服装は明らかに観光客っぽく、ガイドに誘導される団体客も通った。通りを歩く人が増えればそれに比例してお金を落としていく、コロナ感染とGoToキャンペンのバランスに苦心する政府や自治体の苦労を現場で実感した気持ちだった。

外に出て通りを眺めていると外国人カップルが見えた。この数カ月間この地で外国人の姿を全く見ておらず新鮮に感じた。義弟がクールに言ったように彼らはこの地に住んでいる人かもしれないのだが。マスターもお客が戻って来た、日によって異なるが慣らすと7割程度だという。

帰る積りで店を出ると和服姿の二人の女性が見えた。これは見捨てられないと、駐車場に向かう義弟と反対方向の女性を追っかけて行った。長袖とはかま姿の二人が昔の街並みを背景に写真を撮っていた。脚立を持った男性カメラマンと助手らしき女性がいたので町の観光宣伝用かもと思った。こんな時に和服姿の女性は珍しく、頼むと快く写真を撮らせてもらった。

帰りは五十崎駅で車を降りて北に向かって丘を越え喜多山を経由して実家に戻った。初めての道を通ると必ず何かの発見がある。今回は山頂付近でまさかの「観光ふじブドウ園&内子ワイナリー」があった。家内が田舎に顔を見せたら連れて行く選択肢が一つ増えた、と思った。

喜多山から先は何度も通った道だった。実家に近づき堤防沿いの散歩道を歩いていると近所のオバサンに会った。いつも数人が集い散歩したり日向ぼっこしたりする80-90代のオバサン達だ。彼女は若い方で他のオバサンの足では一緒に歩けないという。年齢だけではない。一番の若手が認知症になり別居の長男が施設に入れたという。後何年かで全く姿が違う集落になりそうだと話し合って別れた。■
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