先週火曜日25日の未明1時前にトイレに立ちベッドに戻った後ラジオを聞くと、ニューヨーク市場のダウ平均が一時1100円も暴落とのニュースにたまげた。聞き耳を立てるとウクライナ情勢が悪化して米軍8500人が派遣されるニュースに市場が反応したという。だが、朝になって改めてニュースを聞くとダウが99ドル上昇、ナスダックも86ドル上昇していた。
何で? 投資家は安値買い(!)に動いたという。その翌日はダウ平均は66ドル安と聞き落ち着いたと安堵したが、ナスダックは316ドル大幅下落していた。投資家は長い目で見てハイテック株の成長を期待したが、世界が不安定化すると見て短期志向の判断をするようになったようだ。
世界を混乱させる二つの要素
2022年は米中対立関係と米国連銀の金融引締めの二つの変数が関わりあって、世界を混乱させることになると予測する。先週の市場混乱はこの二つの要素の変化の前触れであり、更なる混乱が待ち受けているとみる。現在は世界の政治経済が密接に絡み合う中でのせめぎあいであり、かつて経験したことのない戦いである。冷戦時代の軍事的な優劣が戦いを左右する時代より複雑だ。
この複雑な戦いを米対中と見るか、米欧vs中ロなのか、民主主義国vs強権国なのか、軍事力の優劣かサイバーの戦いか、夫々の専門家が異なった視点と立場で予想する。聞くと夫々が尤もらしく感じるところがあるが、総合すると一体何が起こるのか分からない。夫々の得意な分野での戦いに持ち込みたいのだろうが、トータルで見て誰が勝つか負けるか混沌としている。
2022年は20年代の兆候を示す年
どうも2022年が戦いの結論を出す様な時期ではない、というのが私の予測だ。その中で私が注目したのは仏歴史学者エマニュエル・トッド氏が指摘する中国の人口増減が国力と連動して戦いを左右するという説だ。中国は30年代に米国経済を追い越すが、国民一人当たりの豊かさは先進国に届かないまま短期間に峠を越える。その後再び米国が世界経済のトップに立つとの予測に同感する。
一方で、ロシア経済は苦境が続いておりウクライナ侵攻など軍事力頼りの強権外交を続け存在感を示している。だが、私はロシアが長期にわたって広範囲に強力な軍事力を保つことは難しい、あくまでも短期的かつ局地的な戦いが狙いと予測する。長期的な視野に立てば中ロ両国は優勢な地位を保てず、連携して米欧に対応する道しか残されてないだろう。
米国も世界の警察官を続ける力は無くなったと宣言して久しい。どの国にも絶対的な力はないというGゼロの世界と以前から指摘されているが、いざという時に欧州も日本も米国に頼るのが現実だ。その米国は今年は前哨戦となる中間選挙で共和党が多数派を取れば、2024年の大統領選を決定づけることになりバイデン政権は強い立場を取れなくなるだろう。
バイデン温泉
オバマ大統領時代に人々の心に響くあるべき姿を説いたが実行は出来ず、言うだけ(湯だけ)の「オバマ温泉」と私は揶揄した。だが、この世界情勢においてはバイデン大統領のベストの政策は皮肉にも先例に倣って「バイデン温泉」になることだと考える。しかし、それは容易ではないだろう。
「バイデン温泉」は現状維持を続ける、といっても何もしないということではない。中ロのような強権国相手には現状維持することも容易ではない。オバマ時代にロシアにウクライナ侵攻を許したことが今日を招いた。更に世界は香港の民主化を守れず崩壊させた。日欧等は米国頼りから自ら立ち上がって民主主義を守らなければならない。その先に世界の繁栄があり‛私の投資’もある。
再び経済について、特に個人的な投資
実際、今年に入ってNY市場は乱高下しながら大きく値を下げ、特にここに来てナスダックの下げが目立つ。私は米国ハイテック株中心の投資を続けて来たので、年初から下げが続き特に先週1週間で4%以上の下落となりがっかりだ。米株以外にも新興国や通貨でバランスを取った積りだが、今回は全般に下落傾向が続き歯止めが掛かってない。
単純に言えばハイテック株はそれ程儲かっていないのに株高だった。つまり、長期的な利益を反映した株価の恩恵を受けていた。だが、コロナや地球温暖化に米中対立やウクライナ情勢などで混乱して先が見えなくなると、投資家は短期的志向になり足元の経営状況を反映して株価が下がった。
私の素人投資戦略は機能していない。私的には何を買っても下がる、現金しか頼れなかったリーマンショックと同じ恐怖を感じる。そこで、久方ぶりに今年世界がどう動くか占ってみようという気になった。70歳までお正月になると「天邪鬼占い」と称して主に世界の政治情勢の占いを投稿した。目的は自分の投資資産がどうなるかという、かなり自己中心的な占いだ。
今年の初めから占いをもう一度やってみようと思い、新聞やネットを見て情報を整理してきたが中々考えが纏まらなかった。多分、私の高齢化と記憶力や考える力が劣化したせいだろう。しかし、気が付けば今日は1月30日、2月なって今年の占いはあり得ない。最早、占いの中身よりタイミングだと考えた。今年もどうぞよろしく。■
何で? 投資家は安値買い(!)に動いたという。その翌日はダウ平均は66ドル安と聞き落ち着いたと安堵したが、ナスダックは316ドル大幅下落していた。投資家は長い目で見てハイテック株の成長を期待したが、世界が不安定化すると見て短期志向の判断をするようになったようだ。
世界を混乱させる二つの要素
2022年は米中対立関係と米国連銀の金融引締めの二つの変数が関わりあって、世界を混乱させることになると予測する。先週の市場混乱はこの二つの要素の変化の前触れであり、更なる混乱が待ち受けているとみる。現在は世界の政治経済が密接に絡み合う中でのせめぎあいであり、かつて経験したことのない戦いである。冷戦時代の軍事的な優劣が戦いを左右する時代より複雑だ。
この複雑な戦いを米対中と見るか、米欧vs中ロなのか、民主主義国vs強権国なのか、軍事力の優劣かサイバーの戦いか、夫々の専門家が異なった視点と立場で予想する。聞くと夫々が尤もらしく感じるところがあるが、総合すると一体何が起こるのか分からない。夫々の得意な分野での戦いに持ち込みたいのだろうが、トータルで見て誰が勝つか負けるか混沌としている。
2022年は20年代の兆候を示す年
どうも2022年が戦いの結論を出す様な時期ではない、というのが私の予測だ。その中で私が注目したのは仏歴史学者エマニュエル・トッド氏が指摘する中国の人口増減が国力と連動して戦いを左右するという説だ。中国は30年代に米国経済を追い越すが、国民一人当たりの豊かさは先進国に届かないまま短期間に峠を越える。その後再び米国が世界経済のトップに立つとの予測に同感する。
一方で、ロシア経済は苦境が続いておりウクライナ侵攻など軍事力頼りの強権外交を続け存在感を示している。だが、私はロシアが長期にわたって広範囲に強力な軍事力を保つことは難しい、あくまでも短期的かつ局地的な戦いが狙いと予測する。長期的な視野に立てば中ロ両国は優勢な地位を保てず、連携して米欧に対応する道しか残されてないだろう。
米国も世界の警察官を続ける力は無くなったと宣言して久しい。どの国にも絶対的な力はないというGゼロの世界と以前から指摘されているが、いざという時に欧州も日本も米国に頼るのが現実だ。その米国は今年は前哨戦となる中間選挙で共和党が多数派を取れば、2024年の大統領選を決定づけることになりバイデン政権は強い立場を取れなくなるだろう。
バイデン温泉
オバマ大統領時代に人々の心に響くあるべき姿を説いたが実行は出来ず、言うだけ(湯だけ)の「オバマ温泉」と私は揶揄した。だが、この世界情勢においてはバイデン大統領のベストの政策は皮肉にも先例に倣って「バイデン温泉」になることだと考える。しかし、それは容易ではないだろう。
「バイデン温泉」は現状維持を続ける、といっても何もしないということではない。中ロのような強権国相手には現状維持することも容易ではない。オバマ時代にロシアにウクライナ侵攻を許したことが今日を招いた。更に世界は香港の民主化を守れず崩壊させた。日欧等は米国頼りから自ら立ち上がって民主主義を守らなければならない。その先に世界の繁栄があり‛私の投資’もある。
再び経済について、特に個人的な投資
実際、今年に入ってNY市場は乱高下しながら大きく値を下げ、特にここに来てナスダックの下げが目立つ。私は米国ハイテック株中心の投資を続けて来たので、年初から下げが続き特に先週1週間で4%以上の下落となりがっかりだ。米株以外にも新興国や通貨でバランスを取った積りだが、今回は全般に下落傾向が続き歯止めが掛かってない。
単純に言えばハイテック株はそれ程儲かっていないのに株高だった。つまり、長期的な利益を反映した株価の恩恵を受けていた。だが、コロナや地球温暖化に米中対立やウクライナ情勢などで混乱して先が見えなくなると、投資家は短期的志向になり足元の経営状況を反映して株価が下がった。
私の素人投資戦略は機能していない。私的には何を買っても下がる、現金しか頼れなかったリーマンショックと同じ恐怖を感じる。そこで、久方ぶりに今年世界がどう動くか占ってみようという気になった。70歳までお正月になると「天邪鬼占い」と称して主に世界の政治情勢の占いを投稿した。目的は自分の投資資産がどうなるかという、かなり自己中心的な占いだ。
今年の初めから占いをもう一度やってみようと思い、新聞やネットを見て情報を整理してきたが中々考えが纏まらなかった。多分、私の高齢化と記憶力や考える力が劣化したせいだろう。しかし、気が付けば今日は1月30日、2月なって今年の占いはあり得ない。最早、占いの中身よりタイミングだと考えた。今年もどうぞよろしく。■