かぶれの世界(新)

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2012年大胆占い4Q見直し

2012-12-31 14:31:46 | 社会・経済

今年のお正月に投稿した2012年大胆占いを振り返ると、小見出しには「世界経済は欧州次第」と決め付け、その欧州は「崩壊せずともジリ貧」と予測、更に「春が近い米国」「成長優先の新興国」と続け、「消去法で浮上する日本、その進路」と結んだ。今年の占いは日本を除き大筋的中していたと思う。その背景を考察してみたい。

つい1ヶ月前まで世界景気と円高・エネルギー高と政治の混乱の逆風を受けて、復興需要の後押しが期待通りに行かず日本経済の先行きは不透明だった。IMF東京総会で世界経済は去年の3.8%成長から今年3.3%、来年3.6%に下方修正した。その頃から私は何とも暗い気分になっていた。だが、市場には新政権誕生直後の期待で楽観的な見方が広がっている。

グローバル経済と国民国家経済の相克

世界経済という大枠で観ると繰り返し起こる世界経済危機は、密接に結びついたグローバル経済と国家の枠内で国益を追求する国民国家経済の相克で機能していなかった、と言う風に解釈される。欧州危機も単独の出来事と考えるべきではなく、世界の重心がアジアに移る過程のアンビバレンスという文脈で理解すべきだ。

グローバル化された世界で経済の相互依存が増し経済的には密接に繋がっているのに、先進国・新興国の異なる利害・価値観を共有できず、あちこちに対立が生じそれが高じて地球規模の経済停滞に発展している。深刻な対立を避ける為の既存の制度が機能しなくなり、新たな有志連携の枠組み(例えばTPP)の様なものが求められたのが2012年と解釈する。

新しいトップに事態改善の兆しを見た

その間に日中韓のトップが交代し、欧州危機が新たな段階を迎え、米国では財政の危機を巡り瀬戸際の攻防が続いている。総合すると中国の景気が戻り始めた兆候を示し、米国の住宅市場や消費が回復の気配を示し、まだ景気は下向きなのだが先行き見通しに明るさがでてきた。

ギリシャ救済が決まりS&Pはギリシャの長期債務格付けを一気に6段階引き上げし、3年間続いた欧州危機の応急処置は一息ついた。来年からは銀行監督の一元化などいよいよ本格治療が始まる(具体的に「欧州の五段活用」を克服し機能するかは依然課題)ところまで辿り着いた。

消去法で浮上しなかった日本経済

年末の世界経済を俯瞰すると、米国は潜在成長率を保ち、欧州はドイツに牽引されやや持ち直し、中国も成長鈍化に歯止めがかかり、その他の新興国は急成長が一服した。年頭に世界経済が停滞する中、消去法で日本が浮上すると予測した。だが、その期待は外れたようだ。

まだ具体的なデータが公表されてないが、日本経済は4Qに大きく後退し年間の実質GDP成長率は1%を切ったと思われる。その理由は円高と欧州及び中国への輸出環境の悪化、大震災復興の進捗遅れ、政治の混乱と補助金切れ(自動車・家電など)による国内消費の低迷だった。

中国を除くアジア新興国経済の存在感が急速に高まっているが、世界2位の経済大国中国の報復の影響は大きかった。安倍政権の誕生は期待感を高め円安・株高を引き起こしたが、実体経済が変った訳ではない。総てはこれからだ。今年は「日本経済浮上せず」で終り、予想は外れた。 

        US    EURO  Japan   China   India   Brazil
2012   
 2.0     0.2      2.0      8.5      7.2    3.2
EU fail 
 ▲1.8   2.0   0.2    7.4   
占い2Q  2.0-   0.3     2.0+    9.0-
占い3Q  1.5+   1.5     1.8     7.5     5.5     3.0-
占い4Q  2.0+ ▲1.0+ 1.0-  8.0-  5.0-   2.0-

日本の右傾化について

関連して、中韓との領土紛争がこれほど悪化するとは全く予想できなかった。3カ国とも全く異なる政権交代プロセスだが、その最中に起こったのが紛争をこじらせ深刻化した原因だろう。中国の政権交代の舞台裏は全く見えなかったが、見えないところでの権力闘争は凄まじかったようだ。こういう国が急成長して世界に影響を与えていくことの怖さを実感した年だった。

その不安が日本の右傾化を推し進め、多分戦後最も右よりの安倍政権を誕生させることになったとの欧米の評論は半分正しい。だが、彼等は中国の非民主主義な不透明で強引なやり方を観て平気なのだろうか。何だか高みの見物的な評論のように感じるのは私だけだろうか。中国の脅威を直接受けるアジア諸国の一部と米国を除き、日本は世界から積極的な支持を受けてない。

中国は気に入らなければ総ては政治的報復の対象となる。対日本だけではない。反体制主義者にノーベル賞を贈ったノルウェーに、中国が力ずくで嫌がらせする異様さに欧州は何とも感じないのだろうか。欧州にはヒットラーのご機嫌を取ったご都合主義の歴史がある。日本が中国に対抗するには仲間を作るのが最も効果的だが、それ程容易ではない。次期政権の課題だ。

スポーツ占いと、パソコンの心配

最後に、今年のスポーツ占い(グローバルに活躍する)もまたドンピシャリだった。MLBで活躍する選手として、ダルビッシュと青木、イチローの復活を予想(期待)した通りになった。期待が大きかったのはサッカー界で、香川がプレミアに移籍し飛躍の可能性を示し、ドイツでの清武の活躍も予想通りだった。外れたのはワールドクラスの点取り屋の出現で、今年は無いものねだりだった。

蛇足だが、この記事を書くまでに2回パソコンがダウンした。2度とも息子の助けでハードディスク(HD)を復活させた。一度はウィルスが検出され削除と、ウィンドウズのHDチェックプログラムを通してエラートラック修復した。二度目は同じチェックプログラムをかけて修復した。

HDがヘタって来た可能性が高く又ダウンする恐れがある。早めに代替機の購入を助言された。かつてのIT専門家も形無しだ。新製品のWindows-8か、アプリの互換性を重視して中古のW-7か、若しくはMac、或いはタブレットとの組合せにするか迷っている。そこに日本メーカーの名前が全く出てこなくなったのは寂しい。■

コメント (1)
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衆院選エピローグ2

2012-12-28 14:16:04 | 国際・政治
iPadの入力効率がメチャクチャ悪いと酷評したが、放っておくとすぐ忘れそうなので投稿することにした。入力が苦痛なので自然短文になる。ツイッターほどではなくとも、短い文章でポイントを伝える訓練になる。とは言っても私の理屈っぽい性格がしっかり残ったが。

1)先送り政治は健在
安倍内閣の最初の政策決定は70ー75歳の医療費負担を1割に据え置くことにしたと報じられた。あれ程批判した戸別補償も高校無償化、子ども手当も同じことになりそうだ。痛みを先送りする決定ほど易しい事はない。金融緩和も痛みの先送りも同質のバラマキ政治、心してやって欲しい。参院選迄の作戦だというが、それを当然と報じるマスコミも釈然としない。

2)小沢流三種の神器
日本未来の党がたった1ヶ月で嘉田代表と小沢氏の対立で分裂することになったという。はじめから分かって いた事だが選挙のための合流だったことが改めて証明された。そして今回、又もや政局になると小沢流三種の神器が活用された。①小沢氏の雲隠れ、②決めても決まらない、③小沢側近の暗躍。但し、今回の舞台は政局といっても小党の内輪喧嘩程度だったが。

3)NHKの海外とは
安倍内閣に対する海外の反応として、中国と韓国の評価をNHKが報じたことにネットで批判が流れている。私もたまたまその番組を見て違和感を覚えた記憶がある。私にとって海外といえば先ず欧米をイメージし、それに我が国と関係が深いアジア、オセアニア、ロシア等を思い浮かべる。NHKの世界観も随分狭くなったものだ。

番外編)解散から今日までに円安と株高が進行し、私のなけなしの金融資産もその恩恵を得て元本を超えてそこそこ運用益が出るまでになった。安倍氏の大胆な金融政策に極めて危険だと指摘する一方、そのお陰で自分の懐が少しでも潤うと批判が弱くなる自分が情けない。もしかしたら国民全体が買収されるかもしれない。■

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パソコン・ダウン

2012-12-27 23:31:28 | 日記・エッセイ・コラム
今朝パソコンを立ち上げようとすると、黒画面になりドライブ0がないとメッセージが表示された。仕事から帰って来た末の息子にハードディスクを調べてもらうと、ウィルスが1つ見つかったが症状はかわらなかった。この記事はiPadから投稿しているがデータ入力の効率がメチャメチャ悪い。このままでは年賀状も出せない。この際、XPをバージョンアップするか、思い切ってMacにするか悩んでいる。それまでブログは暫くお休みさせて頂きます。■

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崩壊の予感

2012-12-24 22:38:32 | 国際・政治

夫婦の家に昨日家族が集まって恒例のクリスマスパーティをやった。子供達が独立して夫々に家庭を持つようになって以来、出来るだけ皆が集まる機会を作るのが父親の務めと心がけている。その工夫の一つとして年に一度は夫々が料理を持ち寄るポトラック・パーティ形式にして、参加者の負担を減らし長続きするようにしている。

今年は娘夫婦の結婚10周年になる区切りの年でもあり皆でお祝いし楽しく過せた。ちょっと物足りなかったのはパーティに子供が一人しかいないことだ。参加者構成は私たち夫婦2人が60代、子供たちと配偶者計5人が30代、そして2歳の子供1人だ。彼らにとって経済的な制約はないのだが、欲しくても子供に恵まれない。

このまま行ってこの子が20年後大学を卒業する時、全員生き延びていれば後期高齢者2人と高齢者予備軍5人を家族に持つことになると、元気に走り回る子供を見ながら思った。今は周りの大人に大事にして育てられる。だが、20年後の彼は全員の面倒を見るわけではないとしても、7人の老人を考えただけで負担に感じるだろう。これでは家族として成立しえないと思った。

私も人一倍パーティを楽しんだが、ふとこのシナリオを頭に浮かべて秘かに暗い気持ちになった。多分、20年後の日本も大なり小なりこんな家族が一杯いるんだろうと思った。こんな国は成り立たないだろうと、不吉な崩壊の予感がした。だが、今回の総選挙でもこの問題が危機感を持って語られることはなかった。

代間格差が先の衆院選で全く争点にならなかったのを思い出した。毎年給付が急増する現行制度の社会保障(年金・医療・子育て)の維持は困難だ。社会保障をどうすべきか国民の関心は高いが十分に議論されたとはいえない。報道を見る限り数日後に発足する安倍政権もこの問題の優先順位は低いように感じる。だが、この国は困っている全ての人に欲しいだけお金をばら撒く力は最早無くなった。

今日の日本経済新聞を引用して安倍政権の最初の政治課題を要約すると、自公民の歴代政権が特例で1割に据え置いたままの70‐74歳の医療費自己負担を、本来の2割に引き上げられるかが試金石となる。金融緩和を求めて日銀に強い圧力をかける安倍氏だが、国民に苦い薬を飲ませるとなると歴代首相と同じで歯切れの良さが突然無くなる。維新の実行力が欲しいところだ。

記事によれば来年の参院選を前に先送り気運が広がっているという。社会保障の負担増や抑制策は3党が合意した社会保障制度改革国民会議で話し合われることになっている。だが、年少扶養控除の復活や幼児教育の無償化など財源の手当てが不明と見透かされている。それでは政権交代しても財政赤字は益々悪化の道を辿り、孫の世代には踏んだり蹴ったりだ。

給付に見合う税収の確保、若しくは医療費を含む生活保護費をどこまで切り込めるか不透明だ。既得権益層やマスコミの支援を受けた小数派からの強い反発が出るのは間違いない。安倍政権にそれを乗り越える力があるだろうか。マスコミと全国に広がる反対の声に屈せず、国の為と日米安保締結を断行した祖父岸元首相を尊敬する安倍氏に、孫の未来を託せるだろうか。■

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衆院選エピローグ

2012-12-19 23:53:05 | 国際・政治

選挙翌日に投稿した「衆院選の勝者と敗者」の仮説、特に若者が敗者だったという推測、はまだ検証できていない。ネットや新聞を見た限り、誰もそんなこと言ってないから私の勝手な考えかもしれない。もう少し時間をかけて調べてみるが、もしかしたら言いっ放しで終りかも。その時はごめんなさい。以下にもっと確かな私の観察を紹介する。

1)小選挙区制度の副産物1: オバマと自民党の圧勝は同じ構造的なもの
どちらも総得票数ではやっと過半数を取った程度だが、獲得した選挙人数と議席数を見ると圧勝だった。どちらも一票でも多ければ総取りする仕組、小選挙区は当選か落選で大統領選は州ごとに勝者総取り、つまり勝者のみ報酬を得る仕組のために起こった結果であった。死票が多くなる仕組では避けられない結末だ。

2)小選挙区制度の副産物2: 懲罰的選挙の結果を出す為に最適の仕組である
前回は自民党そして今回は民主党が大敗・下野することになった。1)の構造的な選挙制度の特徴が前回は追い風を吹かせ、今回は逆風を吹かせた。しかし、次回逆風が吹かないよう自民党はよくよく考えて政権運営をすべきと言う圧力を感じているはずだ。もしかするとこれが国民が認識した選挙制度の最大のメリットかもしれない。ダメなら直ぐに罰を与えられる。

3)去り際の美学: 民主党には現役大臣が大量に落選するという異例の結果になった。昨日は最後の閣議が開かれその後前大臣のコメントがテレビニュースで流れた。「敗軍の将兵を語らず」と言うが随分多弁な大臣もいた。それが落選の言い訳どころか堂々と責任転嫁をする姿は見苦しさを越えて醜いとさえ思った。まるで晒し者で、こういう姿をテレビで流す見識を疑う。武士の情けは死語か。このような情けない発言を諌める岡田氏のコメントには逆に風格を感じた。

4)多党乱立と報道のあり方: 「公平な報道」は争点を曖昧にした
今回の衆院選が盛り上がらなかった理由の一つは小党乱立し、その一つ一つに同じ時間を割いた報道のため何が争点か、真の対立は何か分らなくした、特にテレビしか見ない人達には。この混乱を整理して伝える力量の無いキャスター・スタッフも原因の一つだと思う。その点、池上彰氏を起用したテレビ東京は選挙報道のあり方をよく理解していたと感じる(一部しか見てないが)。

5)原発ゼロも消費税反対もぶっ飛んだ?: 選挙前にも指摘したが、原発ゼロや消費税反対を声高に主張していた人達は軒並み落選した。選挙前にはテレビの露出度は極めて高かったから、必ずしも準備不足とか時間が無かったとも思えない。単に世論が支持しなかった。私は4)と同様な理由でマスコミ報道とポピュリズムに走った政治は考え直すべきと感じる。

6)まだ生き残っているバズワード: 「その(増税の)前にやることがある」とかいう主張はもっともらしく聞こえるが、辛いことは何もしないで先送りする常套文句になったと感じる。そんな理屈より、我国にとって最も重要なことをやりきる政治を求めたい。壊滅的敗北の象徴となった野田首相はやはり歴史に残る仕事をしたと評価する。だが、この流行言葉は生き残っている気がする。

最後に加藤紘一氏が落選し、中央政界やマスコミからも注目されることなく静かに去っていく様子がベタ記事で報じられた。才能に溢れた老政治家が活躍の舞台与えられないまま去っていく姿にある種の哀しさを感じた。■

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