古い本ついでに、これも古本市で見つけたもの。昭和49年に、毎日新聞社から発行された、「能」という本。285ぺ-ジもあり、かなり、ぶ厚い紙に、写真が印刷されている。表紙も、ちりめん織りの布張り、外箱も黒の布で装丁されている。そのうえ、ダンボ-ル紙で作った箱に入っている。ぺ-ジの中の写真と写真との間には、半透明の紙が、挟んであるところもある。現代のカラ-写真は、色鮮やかで、繊細で、目をみはる。知り合いの、印刷所では、写真が、立体的に印刷できる技術を,持っているという。古墳などから、発掘された出土品を、写真にすると、専門家から、学術的に、高い評価をうけるという。この「能」の本は、今風のものとは、違った感じの、懐古的に思える本なのかも。能に興味がある人、能面を木彫をしている人には、垂涎的な本なのかもしれない。この「能」の本の、発行当時の価格は、35000円とある。「能」の本も持っているだけ、読み出す気力もないし、門外漢なので難しい。積読して、枕にすれば、「ばちあたっぺぇ」って、自分をあきれている。
画像は、今から約250年前、明和七年に、刊行された「春信 秘画絵本 今様妻鑑」の、一ぺ-ジだ。当地方で、ちょつと前まであった、古本市で見つけたもの。ぶらりぶらりと、覗いていたら、外箱が打ち壊れ、汚れていた。中の上中下の三巻と解説本は、無傷。書店にあったそのままのようで、補充カ-ドが付いたままだった。添えられていた解説書を読むと、この本が出るまでは、浮世絵も、秘画まくら絵も、黒摺一色だった。この春信が創始した錦絵によって、歌麿も、広重も北斎も、後世に残る作品になったとある。秘画といっても、今の時代からみると、たわいない絵にみえる。絵に書かれている文字は、和漢朗詠集の中の、一首とある。小生、浮世絵の研究なんかしていないので、有ってもしょうがないのになあぁって思っている。複刻本そのものよりも、解説書のほうが、描かれている絵の、その場面の状景、春夏秋冬の季節の解説とか、登場人物の様子とかが、解説されているので、興味深い。暇を持て余すことがあったら、読んでみたいと思っている。