八十路徒然なるままに

のどかなる日影に、垣根の草もえ出づるころより、やや春ふかく霞わたりてーーー。徒然草より

昔世話になった、お医者さん

2011年11月03日 17時23分01秒 | Weblog
画像とは別の話。いつも定期に診察をしていただいている医院に行った。受付を終え、秋の夕暮れの陽射しが、長く影をおとして、待合室の椅子を照らしていた。ぼんやりと、待合室のテレビを、眺めていた。後からきた人が先に呼ばれ、また、次の人が診察室に入っていつた。やっと呼ばれて、診察室に入ったら、医院を子息が引き継ぎ、引退したと思っていた、先生がにこにこ顔で、「やあぁ、しばらく、元気だったがあぁ」って。「俺も、七十七になったぁ」って、言うので、「先生は若返ってください」って答えた。一通りの診察が終わり、インフルエンザの予防接種になり、「痛くねぇのは、ここだったっけぇがぁ」って、チクリともしないうちに終わった。この先生には、三十年も前に、大変お世話になった。義父が、年の暮れが押し詰まった、二十九日に、具合が悪くなった。掛かり付けのお医者さんが、留守になって、往診をしてもらえなくなり、どうしたものかと、思案をしていた。近所の人に尋ねたら、「もしかして、往診を引き受けてくれるかも」と。電話をしてみたら、快く往診をしてもらった。「脱水症状があり、尿も出ていない」。病院は、ご用納めをしてしまっている。点滴の器材と、道尿の器具を、持ってくるよう、指示した。その器具類を、持ってきたのが、当時中学生だった子息だったと思う。かいがいしく手伝い、一段落をしてから、店やものを用意した夕飯を、「ご馳走になって、帰りなさい」と。年の暮れ、それも夜の七時をまわり、暗闇のなか、自転車で戻った。今の時代は、救急医療が、整っているので、こんなことはありえない。

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