前回、昔し、こどもたちに飲ませて、腹痛しなかったのは、弘法様が岩を打ち砕いて、湧き出させた水なので、そんな心配は無用だったのだと、今頃気がついた。このような高いところに、水がなくては困るだろうと、独鈷で岩を打ち、湧き出させたとか。この清水を「みたらし」といい、「この清水は、目が病む人が、汲んで目を洗うと治るといわれている」とある。別の話し。いわき市平に「胡摩沢」という地名がある。大昔、この地に悪獣が暴れまわり、住人が困っていたとか。弘法大師が、護摩木をたいて、祈祷をしたら、悪獣は消えうせたとか。護摩を焚いて祈念をした沢なので、胡摩沢になったとか。弘法大師が寄られたのは、809年と伝られている、とある。鴨志田著、「いわきの伝説五十選」より。胡摩沢に、今は使われてない、井戸がある。一昨年の大震災の水道の断水の時は、くみ上げて使った。この井戸の水を欲しいと、30年前になるかなぁ、はるか千葉の方から、もらいに数人が来たことがあった。なにかの「お告げ」だったのか、この方角の水とか言っていたようだった。なにか意味があったのだろう。この井戸は、たぶん120年ほど前に、掘って使い始めたようだ。水は、日頃何気なく使っている。水に感謝は、年に一回の幣束祭りしかしていない。
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