前回は、経営のスピードを重視したジャック・ウェルチが、性格的にもおよそ待つことができないライフ・スタイルの人間だ、と指摘しました。
心理学的には、このようなパーソナリティーの人間は、「タイプA」と言われます。
ところで、「タイプA」とはどんなパーソナリティーなのでしょうか?
「タイプA」というのは、米国の心臓血管財団のフリードマンとローゼンマンという2人の研究者が言い出した概念で、このタイプは、成功したいという成就欲求が非常に強く、仕事熱心で自己主張も強く、声も大きい、というようにすべてに徹底している。さらに、「ハリー・ハリー・アップ症(急げ急げ病)」と言われるくらい、およそ待つことができず、こういう人は、心筋梗塞や冠不全の有病率が、「タイプB」のようなゆったりしたマイペースに比べて、有意をもって大きいという形でその代償を払っている。
*以上は『職場ストレスとメンタル・ヘルス』(小田 晋、生産性出版)を参考にしました。
「タイプA」は、よくAggressive(攻撃的)の“A”から来たものだ、とよく言われますが、それは一断片でしかありません。
性格面、行動面で“A”で始まる次のような単語の資質があるのです。
性格面
Accountable 責任感が強い
Ascending attack 上昇志向が強い
Ambitious 野心的
Acute 時間に追われる
Adhesive こだわりが強い
Alert 警戒心が強い
行動面
Awful せき立てられるような
Active 行動的
Acute 反応が早い
Almighty 一度に多くのことをやろうとする
Annoying いらだちやすい
Aggressive 攻撃的
Artificial ウケ狙いをする
なんとジャック・ウェルチは、病理性を帯びたライフ・スタイルの人間であったのです。