無線のネタではなく、ノンジャンルネタが続いています。
作詞作曲:吉田拓郎。 唄:かまやつひろし。
1975 年にヒットした 「 我が良き友よ 」 の歌詞に 「 暑中見舞いが返って来たのは秋だった 」 と言う一節があります。
「 我が良き友よ 」 は ムッシュかまやつ さんのソロ活動の中では、
最大のヒット曲ではないでしょうか ( ザ・スパイダースでは名曲多数 )。
このバンカラな歌詞の内容は、当時の大学生の生態そのものでしたから、
彼らを引き付けるものがあったのでしょう。
しかし、ムッシュは、強烈な拓郎節の A 面に対して 「 これは僕の世界ではない 」 と
個人的にはあまり気に入ってはいなかった様です。
その代わり B 面は俺の好きにやらせてくれと言う契約を勝ち取り、レコーディングとなりました。
そこで、この名曲が生まれました。
私は、その B 面の名曲 「 ゴロワーズを吸った事があるかい 」 が好きです。
曲も歌詞もムッシュらしい傑作だと思います。
最初に聞いた時の感想は 「 なんじゃこれ 」 でした。
まるでお経みたい (笑)。
生前、ムッシュはこの曲に対して 「 ある種のラップじゃん 」 と言ってます。
当時は誰も褒めてくれず、興味をも示してくれなかったそうです。
しかし、サウンドは都会的で洗練されており、聞く度毎にジワジワと良さが分かって来ます。
後日分かった事ですが、Tower of Power がアレンジとバックを務めています。
イントロは洋楽そのものです。
当時の日本のミュージシャンでは、この切れのいいグルーブは表現出来なかったでしょう。
このユニットを採用する事によって、今までの邦楽との差別化に成功していると思います。
この選択はムッシュのプロデューサーとしての才能だったのです。
1990 年代に入ってやっと名曲だと騒がれだすのです。
ムッシュの音楽は 20 年早かったと言う事です。
近年では、これをムッシュの名曲として推すファンは多く、ステージではリクエストが絶えなかったと言います。
2017 年 3月 78 才で亡くなりました。
我ら団塊の世代には、ザ・スパイダースで有名でした。
その後のバンド活動 ( Vodka Collins )、ソロ活動は余り知られていないと思いますが、
ファッションも一歩先を走っていて、テレビドラマで喫茶店のマスター役を演じた時、衣装は全て自前だったと言います。
とても多才なアーティストでした。 こんな人生を送れたら幸せだなぁと思える人でした。