見もの・読みもの日記

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珠玉のコレクション再び/少女たち(三鷹市美術ギャラリー)

2025-02-06 22:46:04 | 行ったもの(美術館・見仏)

三鷹市美術ギャラリー 『発掘された珠玉の名品 少女たち-夢と希望・そのはざまで- 星野画廊コレクションより』(2024年 12月14日~2025年 3月2日)

 京都・岡崎の神宮道の「星野画廊」は、画家の名前にとらわれず、埋もれていた優品を数多く発掘してきた老舗画廊。本展は、そのコレクションから、さまざまな年代や境遇の女性を描いた作品を紹介する。2023年夏に京都文化博物館で見た展覧会と同じタイトルを冠しているが、規模はややコンパクトで、完全な巡回展というわけではないらしい。

 京都文化博物館の展覧会は、正直、人も多く出展数も多くて疲れてしまった記憶があり、今回のほうが気持ちよく参観することができた。私が好きなのは笠木治郎吉の作品。『下校の子供たち』は、歴博の企画展示『学びの歴史像』で出会ったことが忘れられない。2019年の歴博の展示では作者名も明示されていなかったように思うが、近年、画家について、ずいぶんいろいろなことが分かってきたようだ。同じく明治後期に活躍した「作者不詳(Tani)」氏のことも、いつか分かるようにならないかな。『客を迎える少女』『覗き見する少女』など、ひめやかな好奇心の覗く眼差しが魅力的である。

 北野恒富、島成園などの有名画家の作品も実は混じっている。岡本神草の『拳の舞妓』(両手を広げ、正面を向いた舞妓のアップ)も出ていた。神草の『拳を打てる三人の舞妓の習作』の原状を復元したのも星野画廊さんなのだな。甲斐荘楠音は『畜生塚の女』もいいが、着物姿の女性がグラスのストローをもてあそんでいる『サイダーを飲む女』も好き。玉村方久斗は日本画における前衛を追求した画家だそうで、素朴絵みたいな『貴人虫追い図』『竹取物語』がおもしろかった。

 星野画廊、いつか京都で時間のあるときに立ち寄ってみたい。笠木治郎吉のゆかりだという、かさぎ画廊(鎌倉と横須賀)も行ってみたいな。

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