3000年の歴史をもつ道後温泉は日本最古の名湯です。 古今の著名な文人、墨客が遊訪しており、この地域に豊かな歴史、文化を育んできました。
道後温泉のシンボルである道後温泉本館は、100年以上前に建築されたが今なお現役の浴場として多くの人々の絶大な人気を集めており、木造三層楼の建物は国の重要文化財に指定されています。
夏目 漱石が、松山中学の英語教師としてこの地を踏んだのは、明治28年4月。 その頃の道後温泉は木の香りも新しい建物であったことから、「道後温泉はよほど立派なる建物にて、八銭出すと三階に上がり、茶を飲み、菓子を食い、湯に入れば頭まで石鹸で洗ってくれるような始末、随分結構に御座候」と手紙で書き送っています。
漱石は、病気静養のため帰省していた正岡 子規と50日余り同居生活し、子規や高浜 虚子としばしば道後に出かけています。
道すがら交わした文学論や、神仙体の俳句は、英語教師:夏目 金之助から文豪:夏目 漱石へ変身する発端になったようです。
松山の田舎ぶりを辛らつにからかった「坊っちゃん」も、当時新築の道後温泉には脱帽です。団子を食べ、湯船で泳ぎ、随分と楽しんでいます。 赤手ぬぐいに因んで、今も道後温泉で貸し出されるのは赤タオル。 3 階の「坊っちゃんの間」では、夏目 漱石が通った頃の面影を今でも味わうことができます。
5月10日(火)道後の宿を8時半に出発し、四国に来たからには、四国でしか見られないという「四国カッコソウ」を見ようと山深い河野山「高縄寺」へ。
中型バスで地元のドライバーさんが、狭い林道を見事なハンドルさばきで連れて行って下さいましたが、到着が遅かったもので、ご住職が心配され、作務衣姿に長靴で山門で待っていて下さいました。9時半到着。
花期は普通5月連休頃までらしいのですが、標高が約千mの高縄寺では2株咲いており、皆さんの歓声と「四国カッコソウ」が恥ずかしいと言うくらい、シャッターの嵐でした。
花弁はピンク色で葉や茎に白の細い繊毛があるのが特徴とのことです。 来た甲斐がありました。
高縄寺を10時20分に出発。 次は今治(いまばり)市へ。 今治と言えば「タオル」、そんなことで「タオル美術館」に向かいました。11時15分到着。
今治タオル産地は、高縄山系を源流とする蒼社川の伏流水や霊峰石鎚山より流れ出た地下水など、晒しや染に適した良質の水が豊富にあり、これにより今治タオルの染色技術が向上し、伝統的な製法技術と最新技術を巧みに融合させながら、使い心地の良いタオルが生産できているとのことです。
その使い心地の良いタオルには、四国タオル工業組合による独自の品質基準が定められています。 その1つに、『タオル片が水中に沈み始めるまでに要する時間が5秒以内(沈降法)』というのがあります。 これは、洗わなくても使い始めから水を吸うタオルということなのです。 今治タオルは汗や水分を素早く吸収し、お風呂上りに体を拭いても、汗をぬぐってもべとつかず、お肌にやさしいのが特徴です。 是非、ご利用ください。 また、製造工程の見学やタオルを使用した様々なアート作品の展示もあり珍しい美術館です。
12時40分出発し、今治ICを12時58分に入り、愛媛県今治市と広島県尾道市の間の瀬戸内海に浮かぶ島々を9つの橋でつなぐ「瀬戸内しまなみ海道」を走りました。 好天であれば沢山の島々と各種の工法で造られた橋を見ることができたのでしょうが、あいにくの雨天で大きな橋が霧の中に消えていました。
しまなみ海道の中間地点にある島「大三島」に降り、日本総鎮守と呼ばれ、全国に一万社余りの分社を持つ神社『大山祇神社』(おおやまづみじんじゃ)を参拝しました。 13時45分到着。
何故、わざわざ高速を降りてまで神社を参拝したのか
それは、私たち山仲間にとって是非とも参拝しなくてはならない神社だったのです。 天照大神の兄である大山積大神を祀る神社で、海上安全の守護神として、日本の国土全体を守護する神として、また、その昔は水軍の武将たちの信仰も集め、「海の神」・「山の神」・「戦の神」として尊称されていました。 そんなことであり、皆さんで今後の安全登山を祈願して来たのです。
伊藤 博文は自らを伊予の河野氏、河野 通春の子孫であると称しており、松山を総理大臣として訪問した際に、自分の先祖の土地であると集まった聴衆に語り、その際に石柱にある神社名を揮毫したものだそうです。
境内の中央には、樹齢約2600年の御神木である大楠が鎮座しています。 息を止めて3周すると願い事が叶うという言い伝えがあるそうです。 昭和26年に国の天然記念物に指定されています。
14時25分、参拝が終了し、しまなみ海道から山陽自動車道にて岡山駅に向かい16時45分に無事到着しました。お疲れ様でした。 ドライバーさん、3日間行動を共にし2日雨にたたられながらも細かい御配慮を頂きまして、誠にありがとうございました。