立山の小屋は大体10月中旬位で閉鎖となり、室堂平でも早い所は同じように閉鎖となります。 この頃になると静かな立山が味わえます。
今回は他より1ヶ月ほど遅くまで営業している『雷鳥荘』さんにお世話になりました。
1日目は余分な荷物を雷鳥荘さんに預かってもらい、別山の西に位置する奥大日岳(2,605 m)まで5時間の散歩をして来ました。 翌日の立山縦走の丁度良い足慣らしになりました。下が宿と遠くのピークが奥大日岳です。
6時の夕飯前にお風呂に行き、大きなガラス窓のある展望風呂に入っていた時、周りの山々をシルエットとした深紅の夕焼けにビックリしました。 ここ何年も見た事の無い様な素晴らしい夕焼けでした。
お風呂に入りながら贅沢に、大自然の出来事を15分位だろうか?眺める事ができました。いつでも見られるものでは無いだけに、感激しました。
《2日目》
昨日の素晴らしい夕焼けがあり、今朝は快晴。 7時からの朝食はバイキングで好きな物を自由に食べ、8時半に立山に向け出発した。
雷鳥荘は高台にあり、テント場のある雷鳥平に下り浄土沢を渡り、昨日歩いた新室堂乗越への道を進み、途中より右に分かれ雷鳥坂に取り付いた。 この道を別山乗越まで標高差500mをハイマツ帯のつづら折りが続く急登を行く。 厳しかったが1回の休憩のみで尾根に出た。
別山乗越には剣御前小舎があったが、既に閉鎖されていた。 ここからの剣岳(2,998m)の山姿は雄大で凄い迫力だった。
遠くには去年登った白馬岳が望めた。宿泊した白馬山荘と生ビールで乾杯したアルペンプラザもハッキリ見えた。
こんな素晴らしい山岳風景が望めると、不思議とまた力がよみがえって来る。 別山乗越から立山へは春山を感じさせるような雪景色に変身した。 稜線に出てウッスラと5センチほどの積雪があったが、風は無く日の照り返しで暖かく感じ、雪もやわらかく普通に歩けた。富士ノ折立、手前までは同じ感じで進んだ。
富士ノ折立を目前に急登の尾根道が見え、取り付く前に「おでん」でお昼にした。 風が無いので広い稜線で充分に火が使え助かった。 でも空は曇りだし、後立山連峰の稜線は全て雲隠れ、初めての方と同行したのでジックリ見て頂けなかったのが残念だった。 来た道を振り返ってみた。
富士ノ折立への急登を進み、雪も深く絞まって来たので、私のアイゼンを同行者に装着、スパッツにアイゼンを引っ掛けないように外股で歩くようお願いし、慎重に歩を進めた。
富士ノ折立(2,999m)から大汝山(3,015m)まで800mの標示が有り、20分で通過、
また雄山神社のある雄山(3,003m)までは400mの標示で有ったが、室堂側の巻き道で、切れ落ちた個所の通過が幾つか有り、気を引き締め動作をゆっくり30分掛けた。
疲れも重なり自分も仲間の姿が確認できる距離で進んだ。 踏み跡を外すと膝が埋まる程、雪に足を取られた。
14時20分無事、雄山に到着。 山頂の雄山神社に無事縦走できた御礼をし、一の越から室堂バスターミナルへ戻った。