やわらかな 草原
の起伏の中に、季節に応じた花々が織りなす自然の風景。
高原の 爽やかな風を受けて、ノンビリ
歩いてみましょう。
遠くに聞こえる小鳥の さえずりや風の音
に耳を澄ませ聞き入る。
夏の高原を彩る花の一つにニッコウキスゲがあります。 予定もしていなかった所で、広い範囲に群生する花を見られて感激しました。
気持ちの良い草原に立ち、思いっきり深呼吸をしてみる。
イブキトラノオとニッコウキスゲのコラボ。
風にそよぐニッコウキスゲ。
山を彩る高山植物のお出迎え。
野辺山高原の高原野菜畑や宇宙電波観測所方面。
金峰山方面を望む。右手のピークが金峰山。
中央に薄っすら富士を望む。
今回は主に『ニッコウキスゲ』と『イブキトラノオ』、そして『ノアザミ』も、8月が過ぎると秋の訪れを告げる『マツムシソウ』が目を楽しませてくれます。
廻りを遮るものが無く、大展望のパノラマが素晴らしい。
花に囲まれた飯盛山、羨ましいですね。
なだらかな起伏の草原一面に広がって咲き、まさに山上の楽園
と感じました。
草原の風を 受け
花いっぱい
の中をノンビリ
歩くのも、山歩きの贅沢の一つです。
川俣川の谷を隔て八ヶ岳の展望が良く、季節に応じた高原の花々が沢山見られる山であります。 飯盛山(めしもりやま:標高 1643m)はピラミッド型の山で、お茶碗に
ご飯を高く盛った様な形をしているので、その名があるようです。
JR
小海線をはさみ八ヶ岳と向かい合い、南面は放牧地の草原で明るく、目の前の八ヶ岳の雄大なパノラマが圧巻です。
午前中の日向山に時間が掛かってしまい、こちらの平沢峠駐車場に 12時 50分到着。 再び登山準備をはじめ、小さなザックに必需品をまとめ 13時 15分、
出発。 平沢峠
駐車場の標高は 1450mあるのに気温は 28.0℃と、この時期はどこに行っても暑い。
フォッサマグナ発想の地
👀 平沢からの眺め 👀 日本列島は東西に弓なりに地形が形成されています。 そこには大きな溝状の地質構造が走っていますが、それを
❝フォッサマグナ❞
といいます。
その命名者が エドムント・ナウマン博士
(ドイツ人:1854~1927)です。
ナウマン博士は、1875年から3回の旅行を行い、その結果を 1885年の論文『日本群島の構造と起源について』において、『グローセル・グラーベン(大きな溝)』として説明し、翌 1886年に名称を❝フォッサマグナ❞とされたとのことです。
南アルプス南部の甲斐駒や鳳凰三山方面
第一回の旅行は、1875年(明治8年)11月に行われ、その時に平沢を訪れたナウマン博士は、ここから赤石山脈(南アルプス) を眺めた景色をきっかけに、フォッサマグナを考えられたようです。
『ナウマン博士の紀行文より』抜粋
朝になって驚いたことに、あたりの景色は前日歩き回った時とは全く一変していた。 それはまるで別世界に置かれたような感じであった。 私は幅広い低地に面する縁に立っていた。 対岸には、三千mあるいはそれ以上の巨大な山々が重畳して聳え立っていた。 その急な斜面は鋭く、はっきりした直線を成して低地へ落ち込んでいた。 (中略)そのとき私は、自分が著しく奇妙な地形を眼前にしていることを十分意識していた。・・・
平沢峠駐車場で眼前に聳える八ヶ岳連峰
をじっくり眺め、13時 15分、八ヶ岳に背を向け
出発。 駐車場の獅子岩よりにある飯盛山登山口。
緩い登りから始まり、稜線に出るまでが一寸きつい。
登り始めて5分もしないうちに、沢山の花々が顔を見せてくれた。 鮮やかなピンクの小さな花や球状のつぼみを沢山つけた
《シモツケソウ(バラ科)》
笹に覆われた中に可憐に咲く、小さな黄色花弁の《ニガナ(キク科)》と右手の白い《ヒメジョオン(キク科)》
黄色い大きな花弁を開いて迎えてくれた 《ニッコウキスゲ
(ユリ科)》
13時 33分、宮司の滝分岐を通過。
5枚の花弁をピッタリ貼り合わせたような筒状の花を、昔の糸巻きに見立てた《ヤマオダマキ(キンポウゲ科)》 登山道沿いに群生していました。
試験管ブラシに似たような《イブキトラノオ(タデ科)》
途中の開けた所から、野辺山高原の高原野菜畑
や宇宙電波観測所を望む。
13時 57分、飯盛山と平沢山分岐を通過。 平沢山へ向かう
直進。
花型が矢を入れる靫(うつぼ)に似ていることから名付けられた《ウツボグサ(シソ科)》
平沢山を目指して最後の登り。 上空に青空が広がっているのは気分良く足取りが軽い。
14時10分、平沢山(標高 1653m)山頂に立つ。 見晴らし最高
平沢山から、これから向かう飯盛山と富士を望む。
白が綺麗なヒメジョオン。 元気な花で、しっかりと上を向いています。
正面に目的の独立峰である「飯盛山」が見えた。
14時 52分、飯盛山の麓に到着。 見事なピラミッド形である。
飯盛山(標高 1643m)山頂着、14時 55分。 山頂は独立峰なので狭いが、その分見晴らしは 360度 最高です。 山頂よりニッコウキスゲの大盛山を望む。
帰りは巻き道を利用して戻る。 登山道は危険な個所はありませんが、平沢峠に下る所は岩がゴロゴロしているので慎重に
飯盛山から 45分で戻り、平沢峠駐車場で待っていてくれた牛さんと記念写真。
この日は午前中に日向山、午後は飯盛山の二座を踏破できてラッキーでした。
梅雨に入り局地的に大雨
の所もありますが、全般的に暑い日が続いております。
私の住居地も日中はうだるような暑さが続き、こんな日は爽快な
ビーチ歩き
が最高だろうと出かけてみました。
私は小さい頃 家族で湘南のビーチに出掛け、浮き輪で遊んでいたら浜辺が見えないことに気付き、波が高くなった時に浜辺の方向を確認し、小さな手で波を必死にかき分けて戻った怖い思い出があり、あまり海や川は好きではないのです。
そんなことで今回向かった所は、南アルプスのエリアに存在し、大きな白いザレが特徴の日向山(標高 1660m)を歩いて来ました。
日向山は、甲斐駒ヶ岳の北東部に位置し、山頂には花崗岩が風化した白い砂浜が広がっています。奥のピークが甲斐駒ヶ岳 (標高 2967m)です。
この独特の景観は、通称
《天空のビーチ》
とも呼ばれ、山頂からの眺望とも相まって、ファミリー層から登山愛好家まで幅広く親しまれています。
矢立石登山口に6時 50分到着。既に3台の車が停まっていました。 直ぐ登山準備を進め7時10分出発。
登り始めは赤松林の中を登る。 随分昔からの古い道のはずだが、極端に掘れたり崩れたりしておらず歩き易い。
7時 17分、幾星霜を経てなお、原形をとどめている炭焼窯跡の脇を通過。
雑木林から白樺の混成林と変わり、やがてコースの右側はカラマツ林になって、それが続いた。 林の中であり直射日光には直接晒されなかったが、汗かきなので大量の
汗が顎から
滴り落ちた。
登りが厳しくて必死に歩いていても、花を見かけると心が癒されます。 バックが木陰であったので、コアジサイの白い多数の小さな花が、ひときわ綺麗に見えました。
登りの登山道の脇では、石仏様が「頑張れ 」と見守っていて下さいました。
地表が一面クマザサに覆われた窪地の一角に無人の 雨量計が設置された前を通過。
雨量計の辺りは尾根沿いの道で、軽快に歩けます。 尾根の左手には、樹木の梢越しに甲斐駒ヶ岳(標高 2967m)や右手には八ヶ岳を垣間見ることが出来ます。
9時 53分、日向山三角点に到着。 登山道から僅かに外れた展望のない林の中に、1659.6mの三角点標石がポツンと設置されていました。
三角点を過ぎれば、もう直ぐ山頂なので疲れが消え足の動きが早くなる。
矢立石登山口から、ずっと樹林帯の中を歩き続けてきたので、突然海岸線の様な白砂の上に飛び出し、眩しくて目を細めた。 北側の正面に裾野を大きく広げた八ヶ岳。
南側には白砂の上にチョコンとピークを見せる甲斐駒ヶ岳 (標高 2967m)。
2022年の夏に登った時は曇り空で、周りの景色や、このように輝くような白砂の雰囲気は感じられませんでした。正面の堂々とした山塊は雨乞岳
(標高 2037m)。
日向山(標高 1660m)山頂の西側に広がる 「雁ヶ原」
は、原と言っても平坦な部分は殆んどなく、全域が北の神宮川に向かって傾いている。
雪かと見まがうばかりの風化花崗岩には、心が洗われる思いがしました。
近年、この素晴らしい景観を見るために多くの人が訪れた結果、踏圧の影響が随所にみられるようになりました。 また、気候変動に伴う集中豪雨による大量の水の流れなど、負の影響を受け続けてきた登山道は、いま加速度的に崩壊が進行しています。
美しくも脆い花崗岩でできたこの山の未来を引き継ぐために
北杜市南アルプスユネスコエコパーク地域連絡会
の方々が、植生を保護し、回復させるための取り組みを続けて下さっています。
天気に恵まれ私自身
心ウキウキで、足元に気を付けながら
『天空のビーチ』
を行ったり来たり、もったいないほどの展望を楽しませて頂きました。
あまり白砂の先端へ行くと、深く落ち込んだ神宮川へ引きずり込まれそうな恐怖感 もあり、併せて海辺に居る
清涼感も味わえました。
のんびりと 北アルプス
の燕岳を思い浮かべながら、八ヶ岳を眺めました。
今日の様な日向山を見たいという思いが叶えられ、帰りの足取りは快調でした。
雁ヶ原の白い砂の斜面は雪かと見まがうばかりの圧巻の景色でした。