私たちが安心して飲める水は、どの様にしてそれぞれの家庭に届いているのでしょうか ❓
豊かな生活を守るために、森林は大切な働きをしています。 特に私たちが毎日使う水を安定的に確保するためには、水源地域の森林が元気で活力あることが大切です。
渓流散策と丹沢の成り立ちを、かながわトラストみどり財団『かながわインストラクターの会』の皆さんよるミニ講座を受け、各班に分かれて水源林散策をしてきました。
今回歩いた水源林散策は、丹沢山地の鍋割山(標高 1272.5m)付近の源流より山地の雨水を集めて流れる中津川の上流部「寄沢」であります。
松田町寄地区を流れる中津川の上流に赤く塗られた「寄(やどりき)大橋」があります。
その更に上流に管理棟、集会棟 、休憩棟が建ち、林間広場のある集会棟前にてミニ講義を受講しました。
❝丹沢の成り立ち❞を勉強してから、各班に分かれて寄沢を上流へと進みます。
歩き始めの礫は小さいのですが、上流に向かって進んで行くと礫が段々大きくなっていきます。 水に洗われ露出した岩は海底の堆積物が隆起したもので、この地域では凝灰岩がが多く見られます。
上流に向かうと川幅が狭くなり、何度か渡渉箇所が現れるのですが、森の案内人さんがアルミの橋を渡して下さり水に入らずに済みました。
小さな石を「礫」と言います。 岩石の風化岩片や河床などの堆積物を扱う地質学上の呼び名で、礫を直径2mm以上の岩片と定められています。
2~4mm未満が細礫、4~64mm未満が中礫、64~256mm未満が大礫、256mm以上が巨礫と言うように区分されています。
礫の種類には、石英閃緑岩、玄武岩、細粒凝灰岩、火山礫凝灰岩などがあります。
上流に進むと川幅は狭くなり、礫は次第に大きくなってきます。 この辺りで見られる礫のほとんどが巨礫に区分されます。
寄沢の右岸左岸を交互に蛇行しながら上り詰め、川幅が狭くなり河川の上流を見ると枕状溶岩の巨礫が目に飛び込んできます。 巨礫の大きさは約3mあり、溶岩の色彩は青白く 20~50cm程の岩石が固結したように見えます。
枕状溶岩とは、長い枕の様な塊りの集合でできている溶岩。 玄武岩質の溶岩が海底など水中に流出して急に冷やされた時にできるようです。
この枕状溶岩は 1700万年前ころ南の海の海底火山から噴出した溶岩が枕状の様な形に固まったもので、こちらの「やどりき水源の森」で見ることができます。
寄沢を枕状溶岩まで遡上し、帰りは林道を歩いて集合棟まで戻りました。
林道脇には森林再生パートナーとして寄付された沢山の企業・団体等の看板が見られ、また赤ちゃんの誕生したご家族から苗木を寄付して頂き、お子様の健やかな成長と苗木を重ね合わせた 「成長の森」が平成19年(2007)から始まり新たな森を育んでおります。
🍄 林道歩きで見つけたキノコ 🍄
『カワラタケ』 枯れた幹や切り株から瓦の様に重なって発生する。 傘は触ると革質で固く、形は半円形で重なり合って生えています。
『カラカサタケ』 各種森林のほか、草地・竹林などに生える大型のキノコ。 傘は直径 15cm以上で、これは低かったのですが 30cmほどになるようで、柄にリング状のツバが目立ちます。
次は木ですが、面白い名前の『アブラチャン』 落葉広葉樹林に自生する落葉小高木で、樹木全体に油分が多いことを指した名前です。 果実は液果で触ると脂っぽい感触があります。
『タマアジサイ』 日本固有種で山地の林縁や沢沿いに生える落葉低木です。 つぼみが総苞で包まれて玉のようになることから、こう呼ばれています。
それほど好天でも無かったが今年は蒸し暑く、最後に同班の人と集合棟近くにある『滝郷の滝』へ行きマイナスイオンを浴びてきました。
滝の高さは約 30m、幅は2m、上流部は左に曲がり薄暗いですが3段の滝とのことです。
滝つぼ近くの地層は良く洗われていて、河原でよく見られる火山角礫岩であることがわかりました。