今回は北アルプス「雲ノ平」の東側に位置する水晶岳(2986m)のご紹介です。 2013(平成25)年8月に撮影
この水晶岳は北アルプスの最奥部にある雲上の楽園❝雲ノ平❞に行くと大変良く見えます。
北アルプスのほぼ中央部に広がる溶岩台地が雲ノ平。 池塘が点在し、高山植物が咲きほこる大平原から水晶岳や黒部五郎岳(2840m)、薬師岳(2926m)を望む情景は「雲上の楽園」とも称され、多くの登山者にとって憧れであります。
ただ、憧れの雲ノ平を目指す、その道のりは遥か遠く最短ルートの富山県有峰湖に近い折立登山口からでも、行きだけで2日は掛かるロングコースになります。
別ルートには長野県大町市の高瀬ダムからと岐阜県高山市の新穂高温泉からなどが主なルートですが、こちらのコースもやはり2日は掛かります。
それだけ大変な思いをしないと「雲上の楽園」に入ることが出来ません。
私達は富山の折立登山口から太郎平を越え薬師沢に下り、薬師沢小屋前の吊り橋を渡ってから樹林帯の急登に汗を流す。頑張って登ると眼前に雲ノ平の台地が広がり、木道を歩きながら高山植物を眺めたり、周りの、山岳風景の雄大なパノラマに大興奮します。
赤岳直下には、天水が頼りの収容人数の少ない水晶小屋が有ります。
ここに荷を置いて、水晶岳まで往復1時間のハイキング。
水晶岳は北アルプス最奥部のほぼ中央に位置し、長い道のりを経なければならない正に秘境の山なのです。
また、2986mと標高が高く晴れた日には北に立山・白馬岳、西に薬師岳・黒部五郎岳、南に槍ヶ岳・穂高連峰、遠くは富士山が見渡せるという絶景には誰しも驚嘆せずにはいられません。
別名「黒岳」と呼ばれ、遠くから見た山容には厳しさが漂いますが、実はその懐に入ると花の種類の多さ、植生の豊かさに目を見張るものがあります。 特にこの山域では珍しいチョウノスケソウ・ミヤマオダマキ・ミネウスユキソウなどが季節を彩ります。
以前はザクロ石や水晶を産出していた水晶岳も鉱山開発時代から時は流れ、今では私達登山者を静かに迎えてくれます。