奥飛騨に聳える孤高の名峰へ
2017(H29)年9月23~25日に撮影したものです。
笠ヶ岳は北アルプスの主稜線から岐阜県側に外れた孤高の山で、槍穂高連峰に対峙した岐阜県の最高峰であります。
名山の名に恥じない高さと風格ある山姿は、どこから見ても、その名の通り笠の形をしている。
天明年間に南裔(なんえい)上人が開山し、その後 槍ヶ岳の開山で知られる播隆上人が再興した、両上人ゆかりの山と言われています。
弓折乗越に出ると双六小屋へは右に進路を取るが、目指す『笠ヶ岳』(標高 2898m)へは南西方向の左へ進む。中央の窪地に見えるのが双六小屋。
槍穂高連峰の西側に並行するように稜線が延びており、縦走中は常に槍穂高連峰の大パノラマが楽しめます。
稜線上には お花畑が点在し、途中には圏谷(カール)が見られ変化に富んだ、気持ちの良い山歩きができます。 弓折乗越から、緩やかに登ると指導標の立つ標高 2588mの弓折岳に出る。広く平坦な山頂部である。奥の稜線、左のピークが黒部五郎岳(2840m)。
弓折岳からは大ノマ岳との鞍部の大ノマ乗越を目指して、急な傾斜をジグザグに下り、下り着いた所が大ノマ乗越。
乗越より大ノマ岳(標高 2662m)へ登り返すと、稜線の左側は草付きの急傾斜で沢山の花々が目を楽しませてくれる。
大ノマ岳に向け急斜面に取り付くが、山頂まで登り切らず山頂直下の南側を巻いて進む。槍穂高連峰や黒部五郎岳、三俣蓮華岳の方から笠ヶ岳を望むと緩やかな稜線歩きで笠ヶ岳に行けそうに見えるが、イザ歩いてみるとアップダウンが沢山あり、またスラブ状の滑り易い岩場が有ったり、左足下が切れ落ちたりと、気の抜けない稜線歩きである。
秩父平周辺ではカールや、お花畑、池塘が見られるらしいが、この時は仲間のザックを背負って歩くので精一杯で気付かなかった。
また、抜戸岳(標高 2813m)も山頂が縦走路から外れ、山頂の西側を巻いて登山路があり山頂を踏まずに進んだ。
縦走路の笠新道分岐を過ぎ、割れたような巨石の抜戸岩の間を通って稜線を進むと、笠ヶ岳のピラミッド型山姿が一段と高く大きく見えた。
小ピークを2つ越えると笠ヶ岳山荘に向けての最後の登りである。これがまたきつかった。
急登をジグザグに登りテント場に出て、更に石畳の登路を詰め山荘前のテラスに登り切れた時はホッとし座り込んだ。
休憩後、宿泊手続きを済ませ部屋に荷を置き、全員で石で覆われた笠ヶ岳への登山路に取り付き山頂を目指した。
独立峰の笠ヶ岳なのに登頂時は雲に覆われ、何も見えなかったことが非常に残念であった。 夕方になってからは雲が消え、槍穂高の稜線が見えた。
翌日は往路を笠新道分岐まで戻り、展望最高の稜線より南東の飛騨側へ笠新道を下った。
一気に標高差1600m強を下るので、皆さんの膝への負担を考慮しながら無事下山した。