川俣川の谷を隔て八ヶ岳の展望が良く、季節に応じた高原の花々が沢山見られる山であります。 飯盛山(めしもりやま:標高 1643m)はピラミッド型の山で、お茶碗に ご飯を高く盛った様な形をしているので、その名があるようです。 JR 小海線をはさみ八ヶ岳と向かい合い、南面は放牧地の草原で明るく、目の前の八ヶ岳の雄大なパノラマが圧巻です。
午前中の日向山に時間が掛かってしまい、こちらの平沢峠駐車場に 12時 50分到着。 再び登山準備をはじめ、小さなザックに必需品をまとめ 13時 15分、出発。 平沢峠駐車場の標高は 1450mあるのに気温は 28.0℃と、この時期はどこに行っても暑い。
フォッサマグナ発想の地 👀 平沢からの眺め 👀 日本列島は東西に弓なりに地形が形成されています。 そこには大きな溝状の地質構造が走っていますが、それを❝フォッサマグナ❞といいます。
その命名者が エドムント・ナウマン博士(ドイツ人:1854~1927)です。 ナウマン博士は、1875年から3回の旅行を行い、その結果を 1885年の論文『日本群島の構造と起源について』において、『グローセル・グラーベン(大きな溝)』として説明し、翌 1886年に名称を❝フォッサマグナ❞とされたとのことです。
南アルプス南部の甲斐駒や鳳凰三山方面
第一回の旅行は、1875年(明治8年)11月に行われ、その時に平沢を訪れたナウマン博士は、ここから赤石山脈(南アルプス) を眺めた景色をきっかけに、フォッサマグナを考えられたようです。
『ナウマン博士の紀行文より』抜粋 朝になって驚いたことに、あたりの景色は前日歩き回った時とは全く一変していた。 それはまるで別世界に置かれたような感じであった。 私は幅広い低地に面する縁に立っていた。 対岸には、三千mあるいはそれ以上の巨大な山々が重畳して聳え立っていた。 その急な斜面は鋭く、はっきりした直線を成して低地へ落ち込んでいた。 (中略)そのとき私は、自分が著しく奇妙な地形を眼前にしていることを十分意識していた。・・・
平沢峠駐車場で眼前に聳える八ヶ岳連峰 をじっくり眺め、13時 15分、八ヶ岳に背を向け出発。 駐車場の獅子岩よりにある飯盛山登山口。
緩い登りから始まり、稜線に出るまでが一寸きつい。
登り始めて5分もしないうちに、沢山の花々が顔を見せてくれた。 鮮やかなピンクの小さな花や球状のつぼみを沢山つけた 《シモツケソウ(バラ科)》
笹に覆われた中に可憐に咲く、小さな黄色花弁の《ニガナ(キク科)》と右手の白い《ヒメジョオン(キク科)》
黄色い大きな花弁を開いて迎えてくれた 《ニッコウキスゲ (ユリ科)》
13時 33分、宮司の滝分岐を通過。
5枚の花弁をピッタリ貼り合わせたような筒状の花を、昔の糸巻きに見立てた《ヤマオダマキ(キンポウゲ科)》 登山道沿いに群生していました。
試験管ブラシに似たような《イブキトラノオ(タデ科)》
途中の開けた所から、野辺山高原の高原野菜畑や宇宙電波観測所を望む。
13時 57分、飯盛山と平沢山分岐を通過。 平沢山へ向かう直進。
花型が矢を入れる靫(うつぼ)に似ていることから名付けられた《ウツボグサ(シソ科)》
平沢山を目指して最後の登り。 上空に青空が広がっているのは気分良く足取りが軽い。
14時10分、平沢山(標高 1653m)山頂に立つ。 見晴らし最高
平沢山から、これから向かう飯盛山と富士を望む。
白が綺麗なヒメジョオン。 元気な花で、しっかりと上を向いています。
正面に目的の独立峰である「飯盛山」が見えた。
14時 52分、飯盛山の麓に到着。 見事なピラミッド形である。
飯盛山(標高 1643m)山頂着、14時 55分。 山頂は独立峰なので狭いが、その分見晴らしは 360度 最高です。 山頂よりニッコウキスゲの大盛山を望む。
帰りは巻き道を利用して戻る。 登山道は危険な個所はありませんが、平沢峠に下る所は岩がゴロゴロしているので慎重に
飯盛山から 45分で戻り、平沢峠駐車場で待っていてくれた牛さんと記念写真。
この日は午前中に日向山、午後は飯盛山の二座を踏破できてラッキーでした。