『真鶴貴船まつり』は、毎年7月27日~28日の2日間にわたり、神奈川県足柄下郡真鶴町の真鶴港を中心に執り行われております。
17世紀中頃に、その起源を発する歴史あるまつりで、宮城県塩竃神社の「塩竃みなと祭り」、広島県厳島神社の「管絃祭」と共に、『日本三大船まつり』に並び称され また、国の重要無形民俗文化財にも指定されるなど古くからの伝統を重んじた格式ある御祭りであります。
祭りのシンボルともいえる極彩色の彫刻が見事な「小早船」(こばやぶね)、祭りを賑やかに盛り上げる「真鶴ばやし」、更には修験者にも通ずる真摯な姿勢で踊り続ける「鹿島踊り」、古来より漁業・石材業が盛んな土地柄から、男たちの力強さが色濃く表現される「花山車」(はなだし)や「櫂伝馬」(かいでんま)など
見所多彩なお祭りで、真鶴の夏は暑く熱く盛り上がっていました。
貴船まつりは、神輿が神社から海を渡って村里にお出ましになる船まつりであるということで有名ですが、
中でも東西の華を競う小早船の存在は、まつりの花形です。 舳先(へさき)には「舳乗り」、船尾には船頭、櫂使い、水夫を乗せ、運航等に万全を期します。
この小早船の海上渡御の神事では、観客の前面で船体を左右に大きく揺さぶりながら方向を変える場面は見所の一つです。
これが可能であるのも船の安全性の保持、あるいは操船の方法等、古くからの伝統が守られている証とのことです。
真鶴港を見下ろす貴船神社の鳥居を入った階段参道中段広場で、鹿島踊りが舞われていました。
鹿島踊りは、相模湾西岸、小田原西部から伊豆北川までの石材産出にかかわった地域の22社で行われる神事で、悪疫退散と共に大漁や海上安全を祈願しての踊りと言われています。
貴船まつりの鹿島踊りは、他市町が白装束で烏帽子をかぶるのに対して、浴衣に3色の色帯、揃いの手甲で飾り、無帽です。 これは昔から“小江戸”と呼ばれたほど華やかさを誇っていた地域性を反映したものだそうです。
両日、海に陸に貴船まつりを賑やかに盛り上げるのが、この「真鶴ばやし」です。 かつて“小江戸”と呼ばれた江戸っ子気質の真鶴人にはなくてはならない存在とのことです。
“小江戸”って、真鶴も漁業や石材産出で栄華を極めた時代があった名残のようですね。
漁業や海運業、石材業界における大漁や安全の祈願と共に、また、それ以上に日常の安泰な活動の営みへの大いなる加護に深い感謝の心を込めて、夏の真鶴の熱気をさらに高めつつ、勇壮・華麗に、明日もまた繰り広げられます。
是非、足をお運びください。