減塩中にもかかわらず連続ラーメンネタ。米沢では一挙にお店を紹介した感があるが、話は福島・喜多方に飛んで「喜一」という店をぜひ紹介しておきたい。なぜか会津地方のラーメン店は一店ずつ紹介しているんですよね。
喜多方ラーメンを提供するの店は、米沢と同じ100店ほどあるそうだが、人口比にすると日本一の密度を誇るラーメンの町だ。特徴は前回触れたとおり、多加水平打ち熟成麺、太くて縮れを特徴とする。シコシコ、モチモチの食感が楽しめるため、全国からラーメン好きが訪れる町になっている。
そんな喜多方の人気ラーメン店として、以前「坂内食堂」を紹介したことがあるが、今回紹介する「喜一」は2005年開業と比較的新しい店でもある。これが今や「食べログ」をはじめ、グルメや観光の紹介サイトでも人気が沸騰している店となっているのだ。
実はこの店の店主は、喜一の開店前までは洋食屋だった。ホテルなどでの修行経験もあって今でも「マスター」と呼ばれている。この洋食の要素を取り込んだラーメンが一代・20年弱で喜多方の代表格ともなったのである。
ホームページによると、スープだけでなく、麺とチャーシューにもこだわって、絶妙なバランスを保っているようだ。スープは鶏と焼きあごの出汁、醤油はほのかに香る程度にというが、ベースは中華よりも洋食に近いくらいという。店構えもフレンチか?イタリアンか?みたいな。
もちろん麺は平打ち太麺を手揉みしているが、塩・味噌などのメニューもある。実は組合で「会津山塩(裏磐梯の山塩)」を使ってラーメンスープを作ろうと公募したところ、喜一の味が満票を得て、この話題により店名も全国にも広まったのである。店の入り口には「福島県民ラーメン総選挙・二年連続第一位・殿堂入り」のエンブレムが掲げられている。
その塩は現在「日本海藻塩ラーメン」というメニューがある。新潟・村上市の笹川流れで昔ながらの手法で作られている塩を使用している。ラーメンに「淡麗Sio」との表記が…あれっ?その表記、どこかの店にもありましたよね!
そう、前回紹介した山形・高畠町の「山喜」である。山喜のラーメンを食べたときには会津若松の「うえんで」系かと思っていたが、「喜一」との「喜」繋がりはうっかりしていました。山喜の店主は、喜一で修行をした方だそうで、双方姉妹店として紹介している。どちらも朝9時から営業する喜多方スタイル。
そんな繋がりをたどっていくとまた面白い。ラーメン求めて新潟から会津へ、会津から米沢へ。俺は上杉家か!病気が判明する前とはいえ、ラーメンを追いかけることが体を張った取材になっているのかもしれない。