客人を案内して、次の日の朝訪れたのが「奥胎内ヒュッテ」。奥胎内ダムの建設中には、何度か足を運んだし、このブログでも紹介してきたのだが、あまりヒュッテには触れていなかったようだ。
磐梯朝日国立公園・飯豊連峰への登山口の一つとして、ベースキャンプとして位置するヒュッテだが、奥胎内ダムの建設中は現場で働く人の宿舎としても利用されていた?でも、どう見ても高原のホテルだよなー。
胎内スキー場から30分もあれば到着。ダム建設のおかげで、狭く曲がりくねっているものの、県道としてしっかり整備されているので、近年ドライブコースや自転車のヒルクライムコースとしても人気の高く、アクセスも良好。
さすがにここまで来ると川の水は澄み切っているし、うっそうとした木々に囲われていて、鳥やカエルの鳴き声しか聞こえない。携帯電話やテレビも映らない場所。
それでも館内は上の写真のようにホテルのロビーのようだし、玄関脇に据えられたパラソル群は外国の高級リゾート地のようにも見える。地元にこんなところがあった?改めて驚かされる。
よく聞かれるのだが、山に入って数日間を過ごす登山者は、泥まみれ汗だらけでヒュッテン前にたどり着くと、「果たして中に入れてもらえるか?」と心配になるのだそうである。
お風呂は、沢の水を沸かしたものだとか。以前、古しい山小屋時代には、屋外の「五右衛門風呂」だったそうで、それからも進化を感じる。
また、山小屋と言えば「雑魚寝」が主流だが、ここは完全個室。コロナ時代の感染予防対策を考えた時にも、時代にマッチした形態なのだ(まあ、雑魚寝を否定するものではありません。)
風呂からもレストランのテラスからも清流を眺めることができ、新緑・紅葉と季節の移ろいと共に、観光客をも和ませてくれる。紅葉の時期、最高ですよ!
ただ、客人が驚いていたのはヒュッテ自体ではなく、ヒュッテすぐ脇のキャンプ場?以前のヒュッテ(山小屋)があったところにあるブナの原生林でした。
確かに山奥には手つかずの場所は探せばあるのだろうが、こんな簡単に来ることのできる場所で、このブナ林が見れることはことのほか貴重なことであるとのこと。
しかも、かなり年代的にも古く、時間を遡る。確か「パワースポット」などと呼ぶ人もいた。新しく、設備が整っているのがいいのではなく、古いものにも人を引き寄せる価値があるのだと思う。