福島へ行ってきた。最近、新潟はぐずついた天気というよりも、「ほら、冬が来ますよ!」といった雨風、雷、あられなどが急にたたきつけるなどの荒天続き。ただ、古碑は全国的にいい天気になったようだ。
福島というと、私がお手伝いをしている地元建設会社と、福島市にある建設会社が姉妹提携していることもあり、これまでも度々訪れる機会があったのだが、コロナ明けで久しぶりの訪問となった。
福島・寿建設の森崎社長は、実はこのブログでもたびたび紹介してきている。今年3月5日に紹介した「松齢橋(しょうれいばし)」を紹介してくれたのもそうだし、2月27日の「土木の本」の復刻や、2018年4月11日の「黒部の太陽」のイベントなどの仕掛人でもあるアイディアマンだ。
その建設会社の本社にほど近い信用金庫のロビーで、「希望のトンネル貫通写真展」なる写真がパネル展示され、お客様に好評とか。これも森崎社長の仕掛けによるものだ。
寿建設は、トンネル工事の専門会社でもある。以前「豊後土工(ぶんごどっこ)」について触れたことがあった(2020年8月20日記事参照が、森崎氏の祖先は豊後大分。正にその時にも登場している森崎氏は、トンネル堀の豊後土工である。
小さい時から全国のトンネル工事現場を渡り歩く生活の中で、トンネルが貫通したときの緊張や歓喜、光の向こうの希望が、身に沁みついているのだろう(小さいときには現場に入ったことはなかったそうですがー)。
信用金庫側も、営業の一環として会社を訪れたに違いないのだが、あまり知られていないトンネル工事の現場を紹介したいと、森崎社長の普段から思っていた「伝えたい」という気持ちが一致し実現した。
確かに道路や橋、建物などは工事の進捗状況を見ることができる。多くの建設会社は、現場が見えるように安全壁に窓を設けたり、見学会をしたりと、様々な趣向を凝らして興味を持ってもらい、ビッグな現場を見てもらおうとしている。
しかし、大型の土木工事で、ダムとトンネルは異質だ。まあ、ダム工事は山の中の工事も多く、単にアクセスが悪いということだけで見学会や見学スペースを設けることも多くなってきたが、トンネルはなかなか中に入ってみるという機会は少ないような気がする。
一般社団法人・日本トンネル専門工事業協会の広報担当である森崎氏の呼びかけで、協会所属の各社が撮りだめた貫通の瞬間の写真20枚。工事会社も、貫通の瞬間は写真に収めておくことが多いようである。
中の一枚を指差し「これは私が撮った写真」と森崎氏が誇らしげに言う(写真上・三段目)。彼の写真の技術・センスは、私も参考にさせてもらっているが、実はプロの写真家を使って現場写真を撮ろうと考えたのも森崎氏の先見性。
写真家・山崎エリナ氏を起用し、積極的に土木の現場の写真を撮ってもらい写真集にまでした。それが「トンネル誕生(グッドブックス、96ページ、2420円)」だ。(https://good-books.stores.jp/items/5eb413e755fa0351e1370fb8)これを契機に、山崎エリナ氏を起用して、「現場を伝える写真集」が発刊されている。