行き先不明人の時刻表2

何も考えずに、でも何かを求めて、鉄道の旅を続けています。今夜もmoonligh-expressが発車の時間を迎えます。

土木のワンダーランド「国総研」を見学してきた

2021年11月23日 | 仕事(教育活動・いちご・建設・選挙含む)


「国総研」はご存じだろうか?私自身も建設業に籍を置くことによってその存在を知ることになったのだが、正式には「国土交通省国土技術政策総合研究所」という国の研究機関である。
茨城県つくば市の学術機関や研究機関が立ち並ぶ一角にあり、その広さ東京ディズニーランドの3倍。敷地内には、土木関連の多くの研究施設・設備が設けられており、施設見学のための移動はバスに頼るしかない。
住宅・社会資本分野において、安心安全で住みやすい街づくりのための政策を企画・立案・普及するための唯一の国の研究機関を、11月18日の土木の日に見学する機会を得たので紹介しておきたい。



敷地内を周回する道路の走行コース。ドラマやCMにでも出てきそうな極端に長い直線と急カーブを持つ試験走路は、国総研のシンボル的な施設だ。一周6.2キロ、3車線。
衝突の実験施設や実物大のトンネル施設、標識や照明、部材、騒音、そのほか防災や安全施設などを研究するためのフィールドと施設が、長いコースのあちこちに設置されている。あくまでも道路の走行性、安全性のための実験をしていて、道路等の技術基準に反映させるためのもの。
今回の見学会では、実際マイクロバスに乗り込み、北ループ(写真上)を100キロで走行。ハンドル操作なし(直進状態)で、実際はあり得ない傾斜(カーブ)の走行を体感できた。



トンネルの実験施設も延長が700メートル、断面積45.5平方メートル、コンクリートのほか鋼板、パネル状のものもあって、世界的にも類を見ない規模の実物大トンネル。
実際、バスの火災を想定してトンネル内で火災実験を行い、煙の流れなどを調査し、排煙・喚起、防災等の施設の設計や運用基準にも活用されているという。確かにトンネル内に黒く焦げた跡が残っていた。
また、実際使われていた橋梁の撤去部材を搬入し、様々な方法で鋼材・骨材やコンクリートの劣化状況を確認し、道路橋の維持管理基準を検討したり、設計・施工の基準を検討するなどの研究が行われていた。



特に昨今の建設業関連に関する課題としては、生産性の向上や入職者の減少がある。まさに働き方改革が求められていることに起因をするのだが、インフラDX(デジタル・トランスフォーメーション)が声高に叫ばれている。
3次元計測技術(BIM/CIM等)を活⽤した構造物の施⼯管理や検査、点検に関する技術開発を⾏うための実物⼤の出来形計測模型、5G等を活⽤した無⼈化施⼯や⾃動・⾃律施⼯に関する技術開発を⾏うための⼟⼯フィールドは「建設DX実験フィールド」と呼ばれ、これからの未来を創るための場所でもある。(写真上)
実験施設とか模型とか言ってもとにかくスケールの違いに驚かされるし、河川や海洋沿岸の実験施設もあって、ここは正に土木のワンダーランドだが、港湾・空港に関する研究施設は、別に横須賀にもあるそうだ。


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