行き先不明人の時刻表2

何も考えずに、でも何かを求めて、鉄道の旅を続けています。今夜もmoonligh-expressが発車の時間を迎えます。

北上川学習交流館の「あいぽーと」は防災センターでもあった

2025年01月08日 | 土木構造物・土木遺産


さて、いよいよ北上川に行こうと思う。長さ249キロメートル(国内第5位)、流域面積10,150平方キロメートル(国内第4位)、流域人口は139万人、奥州藤原氏の繁栄と平泉文化(世界遺産→「平泉‐浄土思想を基調とする文化的景観」)を生み、森林・水田など豊かな自然に恵まれた東北随一の大河である。
ナイル川やチグリス・ユーフラテス川にも言えるように、産業や文化の形成にも川があるということは重要な要素。川があるところに人が集まり文化が栄えるといってもいい。北上川もそう言えるのだが、やはり日本特有の地形から洪水などの災害も多かった川でもある。
水防という観点ではすでに北上川流域には足を踏み入れている。以前紹介した鳴子ダムは江合川に、長沼ダムは迫川など、それぞれ北上川の支流にあるダムだ。そのほかにも石巻のかわまち交流拠点震災遺構・大川小学校でも北上川に触れている。



見どころ、紹介しどころはたくさんある北上川流域だが、前回紹介した福島の荒川同様、川の歴史などを紹介する施設を探していたところ、中流の岩手県一関市に「北上川学習交流館・あいぽーと」という施設があることを発見!まずは、こちらにお邪魔してみることにする。
場所は、一関駅から東へ2キロほどのところ。北上川支流の磐井川に架かる東大橋の西詰、周辺には体育館やサッカー場、一関遊水地記念緑地公園などの公共施設が集中する場所に、国土交通省(東北地方整備局)所管の立派な外観の建物があいぽーとだ。
その展示室には床一面に流域のマップが描かれていて、それを囲むように沿川で発生した水害の歴史パネルやダムなどの水防施設の写真・説明が並んでいる。図書コーナーや学習スペース、幼児用のお遊び広場なども備えている。



北上川を学ぶ施設としては期待どおりの内容だが、施設の3階には展望室を備えているのが特徴。ここからは一関遊水地が一望できる。手前(北上川下流)の第一遊水地から北上川左岸の第三遊水地、かなた上流に第二遊水地も。(写真下:展望室から遊水地を見る。もう一枚は、大林水門付近の北上川)
この後紹介する北上川流域5大ダム群とともに、北上川遊水地は下流に控える北上川最大の狭窄部があるため、県南地域の守り神として存在する。それを一望できる場所にあいぽーとがあるのだが、実はこの施設は国土交通省の一関防災センターが併設されている。
実際、2008年(平成20年)の岩手・宮城内陸地震では災害対策拠点として、2011年の東日本大震災では全国各地から災害対応・支援のための車両が集結した拠点にもなった。洪水時は2階の集中管理センター災害対策室で情報の一元管理をする拠点にもなるのだ。



それにしても、あいぽーとではパンフレットがたくさん展示されていて、自由にお持ち帰りが可能。「いただいていいんですか?」と受付のお姉さんに一応断って、立派なハンドブックや分厚い写真集なども手にした。これは凄い!(写真下:展示提供するパンフレット類の書棚と持ち帰った資料)

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