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5大ダム登場!最古参・石淵ダムから変身した新鋭・胆沢ダムから紹介

2025年01月17日 | 土木構造物・土木遺産


北上川は、昔から洪水による氾濫や浸水被害が多かった川であることはすでに紹介したとおり。ここにダムを建設しようと計画が持ち上がったのは、1941年(昭和16年)のこと。いよいよ「北上川5大ダム」の登場である。
5大ダムとは、下流から胆沢(いさわ)ダム(当初建設の石淵ダム)、田瀬(たせ)ダム、湯田ダム、御所ダム、四十四田ダムの国交省直轄の5つのダムである。(そのほか、岩手県の場合だと県営の洪水対策用の補助ダムが、遠野ダム含め3か所ある。もちろん宮城県にも北上川支川に鳴子ダム(直轄)、花山ダム(県の補助ダム)などがある。)
北上川中流の基本高水流量(一関市狐禅寺観測地点)13,600㎥/秒に対して、5大ダムと一関遊水地5,100㎥/秒を受け止めることができ、沿川や下流地域の洪水対策を行っている。



下流支川にあるダムから紹介。まずは、胆沢川にある「胆沢ダム」。中央コア型ロックフィルダムで、堤高127メートル、堤頂長723メートル、総貯水量14300万㎥、最初から巨大なダムの登場となる。(見出し写真を含む、写真上)
洪水調整のほか、水道用水、正常流量の補給、水力発電のほか、日本三大扇状地のひとつである胆沢扇状地の農地へかんがい用水を供給している(三大扇状地?あと二つはどこ?)。北上川沿川では洪水とともに、支川は流域面積が狭いことなどから、農業用水の確保にも悩まされた地域であった。
胆沢ダムの完成は2013年(平成25年)、5大ダムとかいうけど、ついこの間出来たばかり?実は、全国でも屈指の巨大ダムができる前までは、5大ダムの中でも最古参だった「石淵ダム」が胆沢川流域の守り神として同じ場所に存在していた。



石淵ダムは、総貯水量1615㎥(胆沢ダムの1/9)。日本では初めてのロックフィルダム(表面遮水壁型)として1946年(昭和21年)完成したものの、ダム規模や貯水容量が小さいことなどから洪水被害や渇水被害が繰り返し、生活用水確保にも困難を極めていた。(写真上:国土交通省「胆沢ダム」パンフから)
その石淵ダムの再開発事業として計画されたのが胆沢ダムを建設し、治水・利水事業を向上させることになった。つまり5大ダムの中で最初に建設された石淵ダムに変わり、最も新しい胆沢ダムに変身したのである。
石淵ダムはというと、胆沢ダム完成後、胆沢ダムから上流2キロ地点のダム湖である「奥州湖(写真上)」の湖底で眠っている。あれ?どこかにもありましたね?胆沢ダム管理支所(写真下)の展示室には石淵ダムを紹介する史料コーナーもある(写真下)。係の人に聞いたら数年前の渇水期に湖底から顔を出したことがあるらしい。


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