

「現美新幹線」は、JR東日本・上越新幹線の越後湯沢・新潟間を走るジョイフルトレイン。車内で現代美術を鑑賞できるため、「世界最速の芸術鑑賞」とのキャッチフレーズが使われている。JR東日本管内の新幹線を使用したジョイフルトレインは、山形新幹線内を走る温泉列車「とれいゆつばさ」に次ぐ2編成目。
出張の際買い求めた「大人の休日倶楽部パス」がこの土日まで期間内だったもので、遅ればせながら乗車することにした。というのも、この現美新幹線は、今月いっぱいで運行を終了することに。運行期間5年弱は、少し短かったですよね。




車両と車内を簡単に紹介する。(写真上)
車両は、秋田新幹線・山形新幹線でもお馴染みのE3系、6両編成(秋田新幹線に、E6が投入されたため、余剰車両の改造車)。土日に、越後湯沢と新潟間を3往復(各駅停車)。営業キロ134キロを50分程度で結ぶ。6両で定員107人は、新幹線としては贅沢の極みだ。
車両の山側(上り方向左手)の壁に、鏡面ステンレスのアートやオブジェ、写真、映像モニターが配され、海側にはソファーが並ぶレイアウト。
越後湯沢寄りの11号車のみが指定席で、4列シートが並んでいるものの、こちらも芸術的仕掛けがあるそうだ。
ただ、自由席である12号車から16号車のソファーの座席を考えると、果たしてどちらがお得かというと何とも言えないし、乗車時間50分で芸術鑑賞しようと思うと、座席に座ることの必要もあまり感じられない。
13号車には、カフェスペースが設置されていて、新潟や沿線ゆかりの味を楽しめる。リッチな空間。
ただ、キッズコーナーが併設されていて、子どもたちはプラレールに興じる。少し賑やかなところはあるが、まあ子どもたちにとっては芸術もリッチな空間も関係なですからね。(車両の半分がカフェスペースで、半分がキッズコーナー。内装は、やはり作品で彩られている。)
この日は、定員を遥かにオーバーする乗客を乗せて現美新幹線は新潟駅を出発した。あまりの密に、私は2つめの長岡駅で下車。同じことを考える人は多いことに驚かされる。
ただ、列車を降りて気が付いたのだが、外装が左右で違う。このデコレーションも、写真家で映画監督の蜷川実花氏の作品。長岡花火を撮影した写真を用いている。
つまり、列車内だけが世界最速の芸術鑑賞ではなく、新潟ならではの田園風景や雪景色の中を走る姿こそ、この列車が世界最速の芸術であることに気づかされる。


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