行き先不明人の時刻表2

何も考えずに、でも何かを求めて、鉄道の旅を続けています。今夜もmoonligh-expressが発車の時間を迎えます。

若い村で存在感を示す古い寺社造りの「弥彦駅」

2022年05月04日 | 旅行記・まち歩き


円上寺隧道や西川周辺の排水施設などを巡るうちに、弥彦駅を訪ねる時間があった。初めてではないし、決して鉄ちゃんだからという訳でもない。この駅自体も歴史的構造物なのである。
弥彦駅は、1916年(大正5年)、当時の越後鉄道の西吉田駅(現・吉田駅)と弥彦駅間を開業。その当時の駅舎が現存しており、しかも弥彦神社を模して木造の寺社造り、2013年に全面改修しているものの、柱や梁は鮮やかな朱色に塗り飾られている。
土木学会発行の「日本の近代土木遺産・現存する重要な土木構造物2800選」で「B」ランク。「細部に至るまで神社本殿を意識した装飾が溢れる」と紹介されている。(写真上:弥彦駅駅舎)



越後一の宮である「弥彦神社」。その参詣のための最寄駅として、盲腸路線であるのちの弥彦線として生まれたが、新潟市や長岡市にも近く、弥彦山や弥彦公園、温泉などという観光地であることから行楽シーズン賑わった。小さい頃、ロープウェイで弥彦山に言った記憶がある。
しかし、マイカーの影響はもちろん、近年ではコロナの影響もあり観光客は激減。駅の利用者も日平均で200人を切った(2020年で154人/日、JR東日本資料)。観光で生きてきた町はどこも大変なのだろうが。
行楽時期に合わせてJRも臨時列車などを投入しているが、そんな機会にぜひこの趣があって弥彦線の起点として堂々とした弥彦駅駅舎を見てほしいものだ。(写真上:弥彦駅駅舎内とホーム)



今はひっそりとした温泉街、門前の商店街(多分、このゴールデンウィークは賑やかだと思う)だが、この町(新潟県西蒲原郡弥彦村)はとても魅力が多い。もちろん観光資源が豊富なところもその一つ。近くに寺泊魚市場、シーサイドライン、カーブドッチなどもある。
市街地でWi-Fi環境が戸とのぺられているというのは大きな特徴。若い人を意識してなのか村が開発した「きらめきニュータウン」の造成により2010年の国勢調査では、北蒲原郡の聖籠町とともに県内で人口を増やすことができた村なのだ。
合併をしなかった背景は観光のほかに、国内唯一の村営の競輪場があるということで、村の財政を支えている。新潟市、長岡市、燕市などが通勤圏内で、聖籠町、新潟市に次いで平均年齢も県内では3番目に若いという。若いだけじゃなくて、古参の駅も大事にしている村だから。(写真上:駅待合室の時刻表と越後線・弥彦線の歴史を紹介するパネル。写真下:越後一の宮の弥彦神社拝殿と弥彦駅の一面一線に停車する今はなき弥彦線色の115系)



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