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新湊・放生津は、まち歩きにぴったりなスポットばかり

2024年11月19日 | 旅行記・まち歩き
富山県射水市新湊、実に魅力的な街であり、こちらもまち歩きにはもってこいのところがある。今回は時間の関係上、クルマでくるくるっと回ることになったので詳しくは触れられないが、個人的な志向で数か所だけご案内したい。



新湊には漁港があり、富山湾の新鮮な魚が味わえる店も多い。JF新湊(新湊漁業協同組合)では早朝だけでなく、午後1時からの昼セリなどを実施。豊富な漁獲高、種類を誇っているが昼セリでさらにその新鮮さは保証されているという。
そんな海の幸を求めて、前回も触れた海王丸パークにある「新湊きっときと市場」でランチを。観光バスの団体昼食の時間を避けて入店。「高志(こし)の紅(あか)ガニ」は富山のブランドガニ(写真上)。そのほかにもホタルイカ、白エビ、ブリなど富山を代表する海の幸が並ぶ。(「きときと」とは富山の方言で「新鮮な」という意味。)
施設内の海鮮レストラン「きっときと亭」で「富山御膳(写真下)」を注文。イカ黒作り、白エビ刺身、ホタルイカ沖漬けなどに氷見うどんもついてくる。安易な盛り付けに見えるがコロッケも白エビ入り。欲張りな自分は、富山湾オールスターの定食をチョイスしたのである。売店の白エビソフトクリームには手は出しませんがね!



新湊の湊町は「放生津」という町で、古くからの湊町。旧放生津潟(現富山新港)と富山湾を結ぶ「内川」という川がある。実は、3キロ弱の運河で、住民生活やこの地の繁栄と歴史にも深くかかわってきた川なのである。
放生津は、鎌倉時代には越中守護が置かれ、室町時代には「明応の政変」により将軍・足利義材(あしかが・よしき=足利義稙(よしたね))の逃亡先にもなった地である。もちろん、江戸期には北前船の寄港地としても栄える(ただし、日本遺産「北前船寄港地・船主集落」に富山市・高岡市は認定されているが、射水市(放生津)の名前はない。地元ではかなり怒りの声が上がっている?)
そんな歴史にかかわってきた内川は、ゆったりとした流れで(流れているのかな?)湊町の繁栄を支え、現在も観光船が就航するとともに漁船の係留場所になっている。ここを「日本のベニス」と呼んでいるようだが、その呼び方は歴史とはミスマッチじゃないかなー。



その内川の両岸のノスタルジックな街並みに加え、橋がまち歩きの中でも注目を集めている。途中、臨港道路の「奈呉の浦」にかかる「奈呉の浦大橋」を含めると15橋。歴史を感じさせる造りが街並みにマッチしていることに加え、モニュメントや足利義材の像がある橋もある。
その中で最も美しいといわれるのが「東橋」。スペインの建築家が設計したものだが、木製で切妻屋根を持つ歩行者専用の橋で、両岸に立派なガラス張りの塔がある。両岸の交流を図ることはもちろん、観光客の休憩スポットしても人気を集めている。(写真上、写真下)
日本における歴史的湊町で、日本のベニスと言われているという中で、設計者も悩んだのではないかと思うのだが、和洋折衷とも思えるシックな面持ちでありながら何かモダンな感じも否めず、見事に折衷のど真ん中を打ち抜いた感じがするのだがいかがだろうか?



私が放生津を訪れたのは10月1日。やけに臨港道路に路上駐車する県外ナンバーのクルマが多い。実はこの日は「放生津八幡宮」の秋季例大祭。県外ナンバーの正体は露天商のクルマで、橋を見に行くといっても新湊の市街地はあちこちで通行止めで何回か迂回やバックの切り返しなどを求められる。
富山市街のホテルに帰ってからテレビニュースで知ったのであるが、この日は祭りの曳山巡行の日で、各地区の曳山13基が昼は花傘山、夜は提灯山となって引き回されるのである(写真下:地元局のテレビ放送から)。富山湾沿岸の湊町で同様の曳山があるそうだが、なんでもこれらは「放生津型」という曳山文化であり、ここのお祭りが本家本元とのこと。
しかも、この行事は「国重要無形文化財」であり、「ユネスコ無形文化遺産」だったとは。まあ、このブログで紹介するネタとしてというより、単に見ておけばよかったなと。こればかりは年に一度のこと、「忘れ物を撮りに行く」ってな技はなかなかできませんからねー。



新湊大橋、海王丸パーク、富山湾の幸、内川、東橋のほかにも文化財や見どころ満載の新湊。自分としては、万葉線(新湊線、写真下)や富山地方鉄道射水線の廃線跡(写真下:旧打出駅付近)なども気になったのだが、そのほかに見どころ紹介はまたの機会とし、新湊から富山市街に向かうことにした。とにかく魅力的な町でした!


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