眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

猫の目の404

2020-10-07 14:14:00 | ナノノベル
 noteを開こうとする度に、繰り返し問題が発生していた。ジョギングに行き、お風呂に入り、アイスを食べて、改めてアクセスを試みる。時間をずらせば、多くの問題は解決する。
「繰り返し問題が起きたためジャンプします」
 飛ばされた先は庭だった。猫がいる。
(ちょうどよかった)
 404美術館に出展する絵を考えていたところだ。

 猫は動かない。僕はまだ筆を取らない。まだ今ではない。猫はじっとこちらを見ている。こちらが動くまで、ずっとそうしているつもりだろうか。猫との対立を通して、自分がこの世界に馴染むまで待つのだ。

「それまで動かないぞ」

 絵の具は十分に用意されているが、まだ溶けていくものはなかった。ありのままを映すこと、目の前にいる猫を描くことは、もう目的ではなかった。それでは何だろう。猫が1つ大きなあくびをした。
 猫と僕、君と君以外、僕の目に映る君、君の目がとらえる世界……。君と向き合い続けるということは、世界について考えることだ。
 互いに意識し合う時間。終点のみえないにっらめっこの時間。少なくともここには2つの世界があるのではないか。君が思う故に、僕はいるのかもしれない。そうか。

「わかったぞ!」

くるり♪

 わかり始めた瞬間、猫は反転して歩き始めた。
(もうとらえてるからな)

 猫のいた空白に絵の具をといて、僕は猫の目を描き始めた。

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【短歌】生き筆

2020-10-07 08:45:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
推し量るものではないとかけ出したノートの上の空白地帯

かけ出せばすり減るばかり指先の意に寄り添って進む鉛筆

筆箱の密を飛び出し新しい孤独をかける2Bリーダー

折られれば痛みを覚え蓄えて書き殴る詩のライト・リベンジ

転げれば少し進んで止まるまで六角形のショート・トリップ

かすれつつ行き着く先はどこなのか3本指の不安なリード

注視するルーペを置いてかけ出せば削られてこそ僕は生き物

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