眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

はじめましてリフレイン 〜好きなことを書く

2020-10-09 14:39:00 | 【創作note】

【創作note】はじめましてリフレイン ~好きなことを書く

 同じことを何度書いてもいい。
(そう思えるようになって随分楽になった)
 昔は今と違い「書くことは一度切り」と思い詰めたようなところがあった。だから、書くことは怖くて不安だった。何かを書き出すことで、自分の身は削られ何かが確実に失われる。書いてしまった以上、書く前の自分に戻ることはできない。そのような観念にとらわれていたのだ。

 おはようは、繰り返されるもの。好きな場所には、繰り返し足を運ぶもの。書くことも例外ではない。前に書いたことはもう書けない? 同じようなことは書く意味がない? それはそれでいいではないか。
 サスペンスドラマや新喜劇なんていつも同じじゃないか、と思う人もいるかもしれない。しかし、その場その場で「新しい気持ちで」作れば、それはそれぞれ新しいのではないだろうか。(同じと言えば、どんな人間も、猫も、星も、一日も、一生も、同じと思うこともできる)

「好きなことを書けばいい」
 好きなことはあまり変わらない。
 いい感じで忘れるところは忘れている。
 だから、また改めてそれを書くことができる。


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ラーメン、うどん

2020-10-09 10:41:00 | 夢追い
「いつも来てくれて……」
「ここしかないから」
「そんなことないでしょう」
 と微笑む店長の顔はどこかうれしげに見えた。
 珍しい袋麺やお気に入りのカップ麺を袋いっぱい買い込んだ。店長は、入り口まで見送りに来てくれて、何度も感謝の言葉を口にした。
 駅前のドラッグストアに寄って用事は終わった。もう一度、あの店長に別れの挨拶をしに行こうかと考えた。考える途中、先ほど表まで見送りに出てくれた店長の笑顔や腰を折る姿が思い出された。どうやらその必要はなさそうだ。直前に挨拶した人に、わざわざ挨拶しに行くことはない。どうも無駄な考えだったようである。
 帰りは違う道を通って駅まで行ってみようと思う。

 いつの間にか僕は自転車に乗っていた。信号を待つ間、周辺を観察してみる。見覚えのあるように思えるものはない。テニス、卓球スクールの看板がある。校庭を縦断して、学校の先はすぐ商店街になっていた。店先を占めて部活動をする子供たち。(さっきまで雨だったから)
 その先では商店街の通りの真ん中でバーベキューを楽しむ人たちの姿があった。
「駅は近いですか?」
 青年団の若い男にたずねた。
「近いよ」
「5分くらい?」
「そんなにかからない」
 男は愛想良く答えた。
 僕は自転車を捨てて浮遊していた。
 すぐにホームが見えた。西には入り口がない。
 東口の駅前はよい匂いがした。浮遊しながら、店の中でおでんを仕込む大将の姿が見えていた。「ぃらっしゃい!」声も聞こえた。昔からあるうどん屋さんだ。2階には住み込みで働く少女がいる。
 みんなあの頃と変わってないな。

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株コーディネーター(善と悪の戦い)

2020-10-09 00:35:00 | ナノノベル
 悪はこの世からなくならない。(いいえ。この私の中からさえも決してなくなることはないだろう)だけど、悪によってこの身を滅ぼされるのはごめんだ。私にできることは少しでも善の力を引き出すこと。そうして何とか世界のバランスを保ち、自分という存在を維持するのだ。
 善なる蓄えを増やすため、私は限られた資金をかき集め株のコーディネーターを頼った。

 彼女は注意深く私の顔色を観察した。それから腹の中を探るため私の深層にまで潜入した。
「うう……」
 私は少し痛いところを突かれる。
 数分して彼女は私の腸内から答えを持って帰ってきた。
「あなたに最適の株はヤクルトです!」
 ありがとう!
 私はマイバッグを肩にかけてイオンタウンに向かった。
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