眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

君はロックを聴かないのだろうか

2020-10-21 03:25:00 | 幻日記
 猫が横切った残像に気を取られながら入ったタウンの通路で、ポケットティッシュをもらいそうだった。普段なら避けて通り抜けるところ、何となく受け取ってしまった。手に収まった瞬間、女はもの凄い勢いで話しかけてきた。しかし、僕はイヤホンをしていた。イヤホンをさしてロックを聴いていたのだ。だから歩を止めず歩き続けた。2、3歩行ったところで、彼女はあきらめた。受け取っておきながら、僕は聞かなかった。約束はしていない。

 ロックを聴いていた。恋をしていた

 もしもイヤホンなどしていなかったら、立ち止まって話を聞いただろう。だが、その時はティッシュを受け取ることもないだろうから、話が始まる理由もないのだ。彼女はイヤホンをした者にまで、どうして話しかけてきたのだろう。気配や勢いで足を止められると思ったのだろうか。きっと彼女は想像しなかったのだ。

 僕がまさかロックを聴いているなんて!
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短歌の季節

2020-10-21 00:34:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
 近頃はどうも眠りが浅い。まだ起きる時間ではない時に、何度も目が覚めてしまう。最もよく眠れるのは、絶対に起きねばならないという理由はないが起きたいと思い、思いながらもなかなか起き切ることはできず、結局また眠ってしまったという時だ。そういう時の眠りは、少し深いように思う。そして、醒めたとしてもまたすぐに眠れそうで、ずっとずっと眠れそうに思える。しかし、その時は起きていたい時間でもあるのだ。眠るべきという時に上手く眠れず、起きていたいという時に眠れる波が訪れている。これでは理想と反対だ。

 ぼんやりと目覚めている時、小話を浮かべたくなる。
 眠ろうとして眠れない時間が続くと、話ではなく短歌や折句が作りたくなることがある。1つ浮かぶと少し救われる。そして、もう1つ作りたいと思う。その時は、短歌があってよかったと思う。(ああ、短歌の季節がきたなと思う)
 昨日は久しぶりにクリスマスの折句を作った。


編むことも気怠くなった時にただ
歌う絹豆腐の口当たり
(折句「揚げ豆腐」短歌)
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